上図は、角換わりからの進展で△2四同歩とした局面。ソフトの評価値+210で互角。
先手が▲2四歩と突いた手に△同歩とした形です。
ここから先手はどのように攻めるかという形で、1筋と2筋と7筋に手を付けているので、その組み合わせになります。
先手は飛車と角と桂馬を歩を使って攻める形で、特に歩は貴重な戦力です。
1歩でも持ち駒にすれば手が広がってくるのですが、実戦はやや損な指し方をしたようです。
実戦は▲2四同飛△2三歩▲2九飛で以下変化手順で△7五歩で、ソフトの評価値-146で互角。

この手順は▲2四同飛としたのですが、△2三歩▲2九飛で以下変化手順で△7五歩と歩を取る手です。
△7五歩で先手は3歩損になっているようです。
3筋と1筋の歩を突き捨てたので2歩損は仕方ないのですが、さらに7筋の歩も取られると戦力的に先手は攻めを繋げるのが少し難しくなった可能性があります。
本来だったら先手は7筋の歩は少なくとも取れる形だったので、わざわざ相手に取らせる必要はなかったようです。
▲2四同飛では▲7四歩がありました。
▲7四歩△同角▲2四飛△2三歩▲2八飛△4四歩▲1三歩で、ソフトの評価値+172で互角。

この手順は▲7四歩と歩を補充する手で、以下▲2四飛とすることでこれで先手の持ち駒に歩が2枚になります。
1枚だと心細いのですが、2枚になるとだいぶ攻め味が増す印象です。
後手は生角の筋違い角なので少し活用しづらく、それに対して先手は持ち駒に角があるのでこの差は意外と大きいようです。
また細かいところですが、△2三歩と打ったときに▲2八飛とするのが形のようです。
▲4七金型の場合は▲2九飛とすると将来△3八角や△3八銀がありそうです。
また7四の角が間接的に2九の飛車に当たっているので、ちょっと先手も気を使います。
そのような意味で飛車は▲2八飛と2段目にすべきでした。
▲2八飛とすると将来△1六歩~△1七歩成が飛車当たりになるので少し気になったのですが、後手からそのような展開になったのはほとんど見たことがありません。
それは△1六歩としてと金作りを目指しても、先手の手の方が早いからのようです。
例えば△4四歩で△1六歩とすると▲1四歩として、△同香なら▲1五歩△同香▲2五飛のような手があります。
また▲1四歩に△4四歩としても▲1六香△1二歩▲3三歩で、ソフトの評価値+261で互角。
これらの手順を見ると先手の持ち駒に歩が2枚あれば▲1四歩のように歩を使った攻めがあるので、後手が1筋を伸ばしても効果が薄いようです。
よって▲2八飛に△4四歩と桂取りにいったのですが、そこで▲1三歩が興味深いです。
自分なら▲3三歩に目がいきそうですが、桂取りを怖れずに▲1三歩と歩を垂らすのが筋のようです。
▲1三歩で▲3三歩とすると△同桂▲同桂成△同銀で、ソフトの評価値-44で互角。
この手順は▲3三歩と打つことで桂馬の交換になる形で、先手は桂損にはならないのですが後手も△3三同銀と銀が3段目に上がって手厚い形になったようです。
守りの金駒が3段目にいくと守りがしっかりすることが多いので、この手の流れは後手がやや得をしているようです。
後手が4二の銀と1筋がやや手薄な形のときに▲1三歩と垂らして、攻めを継続するのが鋭いです。
▲1三歩に△同香なら▲1二歩で、△2二玉なら▲1一角△1二玉▲4四角成で、ソフトの評価値+863で先手優勢。
この手順の△2二玉で△4五歩なら▲1一歩成△3三桂▲1二とで、ソフトの評価値+800で先手優勢。
▲1三歩に△同桂なら▲1四歩△4五歩▲1三歩成△同香▲2五桂で、ソフトの評価値+846で先手優勢。
▲1三歩に△4五歩なら▲1五香△1四歩▲同香△1三桂▲4四角で、ソフトの評価値+419で先手有利。
この手順は△4五歩で先手は桂損になりますが、▲1五香として1筋を攻めます。
後手の△1四歩と捨ててから△1三桂は受けの手筋ですが、▲4四角と空間に角を打って先手が指せているようです。
先手の攻めもやや細いので手を繋げるのには力がいりそうですが、まずまずのようです。
歩の数を意識して攻めを繋げるのが参考になった1局でした。