△4二銀に触れずに1筋に手を作る

上図は、角換わりからの進展で△4四歩と突いた局面。ソフトの評価値+412で先手有利。

先手が3筋の歩を突き捨ててから▲4五桂と跳ねた展開で、以下後手が△4四歩と催促にきました。

先手は1筋や3筋の歩を突き捨てているので少し歩損になっていますが、よくありそうな形です。

無条件で△4五歩と桂馬を取られるのはまずそうなので、先手はうまく手を作っていきたいです。

実戦は△4四歩以下▲7四歩△同角▲3三歩で、以下変化手順で△同桂▲同桂成△同銀で、ソフトの評価値-49で互角。

この手順は▲7四歩と歩を補充してから△同角に▲3三歩と叩く展開です。

部分的にはよくありそうな感じで実戦は△2二金で、ソフトの評価値+334で先手有利だったのですが、△同桂▲同桂成△同銀が有力だったようです。

この手順は桂馬の交換ということで、先手は桂馬をただで取られることなく持ち駒にしました。

これは先手の桂馬が捌けたというようにも見えるのですが、△3三同銀の局面は先手が3歩損で後手は△3三同銀と銀を3段目で受ける形です。

やや先手の攻めが細いのに対して、後手は銀が3段目に上がって手厚い形になりました。

先手は上から攻める形なので、後手は銀が2段目より3段目にいる方が手厚くなります。

後手は相手の手に普通に対応しただけですが、それで形勢が互角ながらも後手にやや傾きかけているので先手の指し手はやや単調だったようです。

▲7四歩では▲1三歩がありました。ソフトの評価値+404で先手有利。

この手順は▲1三歩と歩を垂らす手で、先手は桂馬を取られる前にぎりぎりのところで手を作ります。

後手の陣形が△4二銀型なので△3三銀型と違い上部がやや薄く、特に1筋は守りが弱いです。

後手の少し薄いところを攻めるのがコツのようです。

▲1三歩に△同香なら▲7四歩△同角▲1二歩△4五歩▲1一歩成で、ソフトの評価値+465で先手有利。

この手順は△1三同香には▲7四歩と歩を補充してから▲1二歩と垂らすのが▲1三歩とした効果です。

▲1二歩に△2二玉なら▲1一角△1二玉▲4四角成があります。

よって後手は△4五歩と桂馬を取りましたが▲1一歩成が厳しいです。

後手は3四と4四の地点に空間があいているので上部が薄いため△4三銀直としますが、▲2一とで桂馬を取り返えして先手が指せているようです。

▲1三歩に△4五歩なら▲1五香△2二金▲7四歩△同角▲2四歩△同歩▲1二歩成△同香▲2三歩△同金▲1二香成で、ソフトの評価値+589で先手有利。

この手順は▲1三歩に△4五歩でこの瞬間は先手の桂損ですが、▲1五香と走れば1筋の攻めが可能なので桂損でもそこまで大きな駒損になっていません。

後手は△2二金と徹底防戦の構えですが、先手は歩を使った細かい攻めで駒損を回復して指せているようです。

▲1三歩に△7五歩なら▲1五香△2二金▲1四角△4一角▲2四歩△同歩▲4一角成△同玉▲1二歩成△同香▲1一角で、ソフトの評価値+381で先手有利。

この手順の△7五歩は先手から7筋の歩の補充がなくなりますので、実戦的には結構嫌な手です。

▲1五香に△2二金で先手の攻めが繋がるかどうかですが、▲1四角が鋭いです。

この戦型では2三の地点を狙うために▲3四角のような手はよくあるのですが、5二に角がいるため反対側の▲1四角で2三の地点を狙います。

△4一角はぎりぎりの受けですが、▲2四歩~▲4一角成で後手の陣形を少し崩してから▲1二歩成~▲1一角で先手が少し指せているようです。

▲1三歩に△8六歩なら▲同歩△8五歩▲1五香△8六歩▲8二歩△同飛▲7一角△7二飛▲6二角成△同飛▲1二歩成で、ソフトの評価値+703で先手有利。

この手順は後手は△8六歩~△8五歩の継ぎ歩ですが、△8六歩と取られたときに▲8八歩と受けるのでなく▲8二歩~▲7一角はよくある切り返しです。

▲7一角~▲6二角成で角と金の交換ですが、▲1二歩成で1筋を突破して先手が少し指せているようです。

これらの手順を見ると、やはり3筋だけでなく1筋に攻めの手を広げて香車を活用するのがポイントだったようです。

△4二銀に触れずに1筋に手を作るのが参考になった1局でした。