壁角なので辛抱して指す


上図は、先後逆で先手5筋位取り中飛車に後手△7三銀からの超速の展開で▲6六歩と突いた局面。ソフトの評価値+43で互角。

▲6六歩は銀取りの歩で自然な感じですが、不思議とソフトの候補手にも上がってなかったようです。

▲6六歩に後手は△7七歩成から動いていくか△5四銀引と辛抱するかのどちらかです。

実戦は△5四銀引と引くのは元気がないと思って△7七歩成から攻めることにしました。

▲6六歩以下△7七歩成で以下変化手順で▲同角△7六銀▲8六角△8五銀▲6八角△7六銀▲5四歩で、ソフトの評価値+316で先手有利。

この手順は後手の6五の銀を前進させて攻めに使う展開です。

後手は8筋から殺到したいのですが、先手も▲8六角と受ける形で簡単には突破できません。

▲8六角△8五銀に再度△7六銀としたときに▲5四歩が鋭いです。

▲5四歩で▲8六角もありますが、△8五銀以下▲6八角で以下千日手になる可能性があります。

▲5四歩は8筋を放棄するような手ですが、▲5三銀と打ち込むような狙いがあります。

このときに2二の角が壁になっているの後手は痛いです。

これが△2二角型でなく△3三角型なら後手玉が少し広くなるので条件が変わってくるのですが、△2二角型なら玉が狭いです。

厳密には▲5四歩に△3一角と引けば5三の地点の補強と壁が解消されるのですが、後手の角が受け一方なのといつでも▲5三銀と打ち込む手があるので後手としては嫌な形です。

後手は△8七銀成とか△8七銀不成などの筋もありますが、先手の飛車は1段飛車なので後手は将来2段目に飛車が成りこんでもやや働きが弱いところがありそうです。

△7七歩成では△5四銀引がありました。ソフトの評価値+2で互角。

この手は△5四銀引と一旦撤退して辛抱する手です。

後手は1歩損で5段目の銀が4段目に引いて7六の歩が浮いた形なので、ぱっと見後手失敗のイメージがありました。

△5四銀引に▲5五歩なら△6三銀▲6七銀△5四歩▲同歩△4五歩で、ソフトの評価値-80で互角。

この手順の▲5五歩ですが△6三銀とさらに銀を引く展開で、部分的な形で言えば後手は相当損をしたイメージがあります。

先手が気持ちよく後手の銀を追い払うという形ですが、これでも互角のようです。

このあたりの認識が難しく、指し手の気持ちがいいのが評価値に連動するかというと必ずしもそうではないということです。

先手の▲6七銀は▲7六銀から歩を払ってゆっくり歩得を活かすような手ですが、△5四歩~△4五歩と動く手がありました。

中央の駒はやや後手の方が手厚いため、4筋と5筋で戦いを起こす手で実戦的です。

先手の6七の銀より5四の銀の方が働いています。

△5四銀引に▲7四銀なら△6二金▲5五歩△6三銀▲同銀成△同金▲5四銀△6二金▲4三銀成△同金▲5四歩△5八歩▲同金△5四金で、ソフトの評価値-134で互角。

この手順は▲7四銀~▲5五歩で以下銀交換になります。

先手の▲5四銀に△6二金の辛抱ですが、△同金▲同歩として簡単に5筋の歩を伸ばさせないように受けるようです。

▲4三銀成△同金▲5四歩とすればそこで△5八歩と打って▲同飛なら△6九銀の割打ちの銀があります。

よって▲5八同金ですが△5四金と歩を払っていい勝負のようです。

後手は2二の角が壁なので、辛抱して戦いを起こさないように丁寧に受けに回るようです。

壁角なので辛抱して指すのが参考になった1局でした。