駒得してから1段金を打つ


上図は、先後逆で先手5筋位取り中飛車に後手△7三銀からの超速の展開で▲7六銀と8七の銀が動いた局面。ソフトの評価値-239で互角。

駒割りは飛車と角の交換でいい勝負のようです。

次に▲8八飛成がありますので後手は成桂をどうするかという形です。

このような形で迷うのが成桂で香車を取るか、相手の玉の方に寄せるかということです。

△9九成桂とすれば香得になりますが、成桂がこれ以上働くのが難しくなります。

厳密には△8九成桂とさらに桂馬を補充する手はありますが、▲同飛とされて相手の飛車が働いてくることになります。

後手は2枚飛車で攻められる形は避けたいので、将来△8九成桂とするのは決断がいります。

そのような意味で対局中は△7八成桂と寄せた方がいいと思いまいしたが、やや疑問手だったようです。

実戦は△7八成桂で以下変化手順で、▲5五歩△3三角▲5四歩△同銀▲5五金△同銀▲同飛△5四歩▲5八飛で、ソフトの評価値-218で互角。

この手順の△7八成桂は今後の展開で働くことを期待する手ですが、相手玉が2八の玉と深いので手数がかかります。

また△7八成桂の瞬間がやや甘くそこで先手の手番になるのが少し痛いです。

▲5五歩と歩を合わせて5八の飛車と6六の金を活用する手がありました。

このときに2二の角が壁になっているのが後手としては痛いです。

8二の飛車が間接的に後手玉を睨んでいるので、玉を広くする意味で△3三角は必要なようです。

△3三角以下▲5四歩~▲5五金で金を捌いてきます。

金と銀の交換から△5四歩に▲5八飛と引いた形が、さらに成桂取りになっているのが後手としては痛いです。

7八の成桂が働くような展開になればいいのですが、逆に狙われやすい駒になっているようです。

形勢はこれでも互角のようですが、先手玉は深い形にいるのに対して後手玉は飛車に睨まれている形なので気分的にはあまりよくないです。

後手玉の薄さが気になります。

△7八成桂では△9九成桂がありました。

△9九成桂▲5五歩△3三角▲5四歩△同銀▲5五金△同銀▲同飛△5四歩▲5九飛△7一金で、ソフトの評価値-576で後手有利。

この手順は△9九成桂と香車を補充する手ですが、先手は▲5五歩から動いてきます。

後手は壁を解消する△3三角で以下先手は▲5四歩~▲5五金で金を捌いてきます。

金と銀の交換から△5四歩に▲5九飛と引きましたが、ここで後手の手番になっているのが大きいです。

△7八成桂の形なら▲5八飛が成桂取りですが、△9九成桂の形なので成桂取りになりません。

▲5九飛に△7一金と1段金を打つのがなかなかの手のようで、飛車取りで2段目からずらす意味があります。

△7一金に▲8三飛成なら△8一香で、ソフトの評価値-659で後手有利。

この▲8三飛成は敵陣で龍を使いたいという意味ですが、△8一香とされると龍が取られそうです。

△7一金に▲8八飛成なら△1五歩▲9九龍△1六歩▲1八歩△6八角▲5六飛△7九角成で、ソフトの評価値-1077で後手優勢。

この手順はなかなか浮かばないのですが、▲8八飛成に△1五歩はまず指せません。

▲9九龍と成桂を取られますが、△1六歩と歩を取り込みます。

▲1八歩はあまりいい手ではないようですが、1筋を穏やかに受ける手としては自然な手です。

▲1八歩の瞬間は角金香と飛銀桂の交換になってます。

ただし、先手玉は1筋が狭いのでこれがだいぶ形勢に影響しているようです。

以下△6八角成~△7九角成とした形が意外と差が開いているようです。

後手から△4五歩や△5五香や△8八歩の狙いがあるので後手が指せているようです。

△7一金は後手玉から遠いところの金ですが、相手の飛車の位置を変えて自玉を安全にする手で、このような手を覚えると指し手の幅が広がるようです。

駒得してから1段金を打つのが参考になった1局でした。