遊び駒を働かせないようにする


上図は、先後逆で先手5筋位取り中飛車に後手△7三銀からの超速の展開で▲6七龍と6五の龍が引いた局面。ソフトの評価値-819で後手優勢。

△5四銀と打った手に6五の龍が▲6七龍と引いた形です。

この局面は後手が角得をしているので後手優勢なのですが、実際この局面から勝ち切るまではまだ手数がかかります。

後手の7二の飛と8二の金もやや重たい形なので油断はできません。

対局中は見た目以上にまだ大変かと思っていました。

とりあえず先手から▲6二金のような手が気になったので△6三歩と打ちましたが、これがあまりよくなかったようです。

実戦は△6三歩▲6五銀で、ソフトの評価値-416で後手有利。

この手順の△6三歩と低く歩を打つ手は手堅いと思って打ったのですが、▲6五銀と捌いてくる手がありました。

この手を軽視しており以下△同銀▲同龍△6四銀▲2五龍△3二金で、ソフトの評価値-365で後手有利。

この手順は銀交換から△6四銀と打った形で、6三の歩を活かすことで△6四銀と固めたのですが▲2五龍があり、さらに△3二金と打つ展開になりました。

後手の指し手は部分的には全く普通で手堅い手ばかりなのですが、指し手が伸びていないのか受け身になったようです。

普通は角得していれば大きく優勢になっているはずですが、この程度の有利はほとんど互角に近いです。

何が原因でこのようになったかを考えると、2つ理由があるようです。

1つは7六の銀の遊び駒を活用させたことです。

盤上の遊び駒を受けの駒と交換して持ち駒になると戦力が増えてきます。

もう1つは後手の指し手が受け身すぎたことです。

最初の局面図の▲6七龍と引いた局面は後手の手番なので、ここで有効な手を指せばさらに優勢を拡大できるチャンスだったのに見逃したのも挙げられます。

△6三歩では△6六歩がありました。

この手順の△6六歩ですが▲同龍なら△4五歩と遊んでいる角を活用させます。

後手の角道が通ると攻めて受けの両方に役立ちそうです。

▲5八龍はややぬるい手のようにも見えますが、ここからの後手の指し手が分かりませんでした。

▲5八龍には△8八角として以下▲6四歩△9九角成▲6三金△同銀引▲同歩成△同銀▲6五銀で、ソフトの評価値-199で互角。

この手順は△8八角~△9九角成として駒得を図る手ですが、先手の▲6四歩~▲6三金は結構うるさい手のようです。

後手は相手玉を攻めるという形でなくもたれるような指し方なので、やや方針が分かりにくいです。

方針が分かりにくいときの指し手というのは1手パスになることがあるので、気がついうたら互角になっていたという典型です。

また▲5八龍に△6九角▲5九龍△2五角成なら▲6四金△1五歩▲5四金△同歩▲同龍で、ソフトの評価値-540で後手有利。

この手順の△6九角~△2五角成で後手の上部は手厚くなりましたが、▲6四金から食いつかれてあませるかどうかという展開です。

ソフトは△6六歩▲5八龍△4五歩▲同歩△8九成桂▲4四金△5五金で、ソフトの評価値-944で後手優勢。

この手順は▲5八龍にも△4五歩と角道を通す手でした。

この局面でも、後手の角道が通ると攻めて受けの両方に役立ちそうということが気がつきませんでした。

△4五歩はふわっとした手なので▲4五同歩にどうするのかと思っていたら、このタイミングで△8九成桂と桂馬を補充します

先手の▲4四金は▲4五同歩とした手を活かす手で、ここに金を貼り付けられると後手も嫌な形ですが、△5五金という受けがありました。

ぱっと見で△5五金は意味が分からなかったのですが、先手の7六の銀を▲6五銀と活用する手を防いでいるのと5筋の補強のようです。

△5五金で普通の受けは△4三金ですが、▲5五歩△6三銀引▲6五銀と銀を活用されてしまいます。

そのような意味の△5五金だったようです。

遊び駒を働かせないようにするのが参考になった1局でした。