駒得で有利も受け方が難しい

上図は、先後逆で先手5筋位取り中飛車に後手△7三銀からの超速の展開で▲4四歩と歩を取った局面。ソフトの評価値-530で後手有利。

この局面は後手が角桂の駒得ですが、思ったほど有利になっておらず実戦的にはまだこれからです。

後手は右側の飛車と金と銀の働きがいまひとつなのと、2二の角も壁角で狭いです。

先手は駒損でも遊び駒がないのと、持ち駒に金駒が2枚あるので後手玉の守り駒を薄くするような攻め方が可能です。

対局中はとりあえず先手から次に▲4三銀と打ち込む手が気になったので、実戦は△4三歩としました。

△4三歩以下変化手順で▲8三歩△同金▲3四龍で、ソフトの評価値-436で後手有利。

この手順の△4三歩は敵の打ちたいところに打てを実践した手で、よくある受け方です。

ただし、△4三歩以下変化手順で▲8三歩~▲3四龍としてどうかという展開です。

先手の▲8三歩は後手の飛車と金の連結を外す手ですが、結構嫌な手です。

以下▲3四龍ともたれる指し方で、後手がどうやって受けるかということになります。

なお、△4三歩はソフトの候補手に上がっていませんでしたので別の受け方があったようです。

▲4四歩には2通りの受け方があったようです。

1つは▲4四歩に△同角です。

▲4四歩△同角▲5五銀△3三桂▲4四銀△2五桂▲2一角△3一飛で、ソフトの評価値-736で後手有利。

この手順の△4四同角は遊んでいる角が捌けて後手玉が広くなるのですが、▲5五銀と打った角が狙われる形です、

▲5五銀に角を逃げては後手の手番が回ってこないので、△3三桂と龍取りに跳ねます。

先手の龍の利きがそれたら△5五角という狙いで、以下▲4四銀△2五桂に▲2一角がうるさい手です。

次に▲3二角成や▲4三歩のような狙いがあり後手も受けにくい形ですが、△3一飛と自陣飛車で受ける手がありました。

金駒があったら金駒で受ける形なのでやや非常手段的ですが、これで後手が指せているようです。

ただし、△3一飛という受け方が実戦で見えるかというとかなり難易度が高いです。

飛車は敵陣に打って活用するというのが多いので、この手は指せないような気がします。

もう1つは▲4四歩に△6七角です。

▲4四歩△6七角▲4三銀△同銀▲同歩成△同玉▲4四歩△同角▲5五銀△5四銀で、ソフトの評価値-454で後手有利。

この手順の△6七角ですが、受けては3四の地点に利かせるのと攻めては4九の金を狙う手なので攻防の手です。

ただし、△6七角には▲4三銀と打ち込む手があり、実戦的には金駒が1枚薄くなるので後手としては嫌な形です。

以下清算して▲4四歩~▲5五銀に△5四銀がさらに難易度が高い手です。

後手は角を渡すと▲6一角のような筋があるので角を渡したくないのですが、角が逃げると▲4四歩のようなおかわりの攻めがあります。

△5四銀は5五と4五の地点の補強で、このような手はなかなか見えません。

△5四銀以下▲4四銀△同玉▲6一角△6二飛▲3四角成は△同角成があります。

馬ができるのが6七に打った効果で、このような展開も数手前に考えているのであればすごいです。

普通は▲4三銀から薄くなる展開は後手としては避けたいのが自然だと思うのですが、▲4三銀と打たせても指せるという読みが入ってないとできないです。

▲4四歩に△同角も△6七角も以下の展開を考えると難易度が高いので選択しづらいところはありますが、終盤になれば形だけでなく読みを入れるというのが大事なようです。

駒得で有利も受け方が難しいのが参考になった1局でした。