少ない攻め駒で手を繋ぐ


上図は、角換わりからの進展で△1五同歩とした局面。ソフトの評価値+507で互角。

先手が▲1一角と打った手に4二の玉が△3二玉とした形です。

実戦は▲1四桂△2一金▲3三角成△同玉で、ソフトの評価値+357で先手有利。

実戦は最初の▲2五桂が浮かんだのですが、飛車が逃げて▲3三歩と打ったときに△3一玉▲2二角成△同玉とした後が分からなかったのでやめました。

それで▲1四桂と打って飛車を取る形になりましたが、まだ後手玉には耐久性があり戦いは長引きそうです。

▲1四桂はソフトの候補手にありましたが推奨手ではありませんでした。

▲1四桂では▲2五桂がありました。

▲2五桂に後手は飛車を逃げますが、逃げ方は2通りあります。

1つは▲2五桂に△4三飛です。

▲2五桂に△4三飛なら▲3三歩△3一玉▲2二角成△同玉▲3四金で、ソフトの評価値+1929で先手優勢。

この手順は△4三飛と横に逃げたときに▲3三歩△3一玉▲2二角成△同玉までは自然ですが、次の▲3四金が見えていませんでした。

▲3四金で▲3二金ばかりを考えていたのですが、上から飛車取りに金を打つのが盲点でした。

この▲3四金は飛車取りですが、本当の狙いは次に▲1三桂成で△同玉なら▲2三飛成の筋です。

▲3四金に△1一香と受けても▲1三桂成△3一玉▲4三金があります。

▲3四金に△5四銀右なら▲1三桂成△3一玉▲4三金△同銀▲2三飛成で、ソフトの評価値+2075で先手勝勢。

これらの手順で先手の飛車成りを受けることが難しく、先手勝勢のようです。

もう1つは▲2五桂に△3四飛です。

▲2五桂に△3四飛なら▲3三歩△3一玉▲2二角成△同玉▲4五歩で、ソフトの評価値+474で先手有利。

この手順は△3四飛と上に逃げる手で、▲3三歩△3一玉▲2二角成△同玉までは△4三飛と逃げた展開と同じですが、今度は3四に飛車がいるので▲3四金と打てません。

そのような意味で△3四飛は粘り強い手だったのですが、次の▲4五歩が難しい手です。

ぱっと見厳しい手に見えないので効果が分かりにくいです。

次に▲4四歩と歩を取る狙いなのは分かりますが、△4五同歩とする変化が気になります。

▲4五歩以下△同歩▲5六銀△5四銀右▲3二金△1二玉▲4五銀△同銀▲1三歩△1一玉▲4九飛△4六歩▲4七金△同歩成▲同飛△4六歩▲2二歩で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この△4五同歩は甘い手だったのでこの手順はうまくいきすぎた感じはしますが、先手の理想的な展開のようです。

この手順の興味深いのは△4五同歩として▲5六銀と活用して次に▲4五銀を狙います。

△5四銀右は▲4五銀の活用を防いだ手ですが、それでも▲4五銀とする筋が残っているということです。

▲4五銀に△同銀とすれば先手は銀損になるのですが、その代償として歩が1枚入ります。

普通は銀と歩は銀の方が価値が高いのですが、1歩を入手してそれを後手玉の寄せに使うという狙いのようです。

先手は▲4九飛△4六歩に▲4七金とさらに金駒を活用するのがうまい筋で、ここでも歩を入手して▲3二金~▲1三歩~▲2二歩の筋で寄せるという発想です。

自分は全くこの筋は浮かばなかったのですが、4五の地点に争点を求めて以下銀と飛車と金を活用するのがうまいです。

後手玉が薄いのでこのような筋が成立したのですが、攻め駒不足でもどこかで争点を求めたら手になるというケースでした。

少ない攻め駒で手を繋ぐのが参考になった1局でした。