下段の香車で攻めの利きを増やす


上図は、角換わりからの進展で△3六同歩と銀を取った局面。ソフトの評価値+842で先手優勢。

駒割りは先手の銀損でしかも歩切れなので攻めが細いのですが、この局面は先手優勢だったのは気がつきませんでした。

先手玉が堅いのと先手は飛車と龍とと金をうまく活用できれば手になりそうです。

ただし、後手玉も中段玉なので入玉の含みもあり先手もプレッシャーがかかります。

実戦は▲3六飛△3五歩▲1六飛△同角▲2三とで、ソフトの評価値+159で互角。

この手順は▲3六飛で以下飛車と角の交換で手の流れは悪くなかったようですが、次の▲2三とがまずかったようです。

▲2三とに△同金とされて先手に手があればいいのですが、なければ飛車を渡したことで王手での攻防に飛車を打たれます。

飛車を渡すのはそれなりに決断のいる手ですが、そのような局面を大きく動かす手の前に攻めの戦力を増やした方が考えやすかったようです。

▲3六飛では▲2九香がありました。

▲2九香に△2四歩なら▲3六飛△3五歩▲1六飛△同角▲2三角で、ソフトの評価値+99995で先手勝勢。

この手順はうまくいきすぎですが、▲2九香と下段に香車を打つ手です。

下段に打つことで2筋からの後手の脱出を防いでいます。

また次に▲2三とのような攻めがありますので後手は受けることになります。

▲2九香に△2四歩は甘い受けなのですが、▲3六飛が金取りで後手は△3五歩と先手を取って受けます。

以下▲1六飛△同角▲2三角で後手玉が以下詰みになりました。

下から追って詰ますのはやや見えにくく、取ったばかりの角を打ち込んで詰みということで自分はこのような筋が全く見えていませんでした。

▲2三角に△同金▲同龍△1五玉▲2四龍まで詰みですが、これが香車を下段に打った効果です。

▲2九香に△2七桂なら▲3六飛△3五歩▲1六飛△同角▲8八玉△3九飛▲5一角で、ソフトの評価値+718で先手有利。

この手順は△2七桂と2筋を止めつつかつ飛車取りでこれは実戦的な手です。

△2七桂にも▲3六飛として以下△3五歩▲1六飛△同角までは浮かびますが、次の▲8八玉の早逃げがうまいです。

つい攻めることばかりを考えがちですが、1段玉は飛車の王手がかかるので玉を入城することで攻めに専念できます。

△3九飛は攻防の手で、次に△2九飛成と香車を抜く手があります。

このような形だと△2九飛成に▲4七角が王手龍取りになるので、先手は角を持ち駒に温存しての攻め方を考えがちですが、▲5一角が少し浮かびづらいです。

▲5一角に△2九飛成なら▲3三角成△2五玉▲2三龍△3六玉▲4七金打まで詰みです。

▲5一角に△4二香なら▲6二角成△同銀▲2六金△2五銀▲1六金△同銀▲3四歩△2四金▲2三と△同金▲3二角△2四金打▲2三角成△同金▲2六金△2五角▲1五桂△2四金▲3三歩成△5八角成▲2三桂成で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順は△4二香なら▲6二角成~▲2六金の逃げ道封鎖がありました。

△2五銀と打てばまだ後手も粘れそうですが、▲1六金△同銀▲3四歩で△同金なら▲2三龍まで詰みです。

よって△2四金としましたが、▲2三と△同金▲3二角が鋭いです。

以下△2四金打には▲2三角成~▲2六金で再度後手玉の逃げ道を封鎖します。

△2五角は先手をとっての受けではないので▲1五桂からの攻めが間に合いました。

下段の香車を打つことで攻めの駒の利きが増えるのが大きかったようです。

下段の香車で攻めの利きを増やすのが参考になった1局でした。