最終盤の楽観は禁物だった

上図は、先後逆で先手三間飛車からの展開で▲1三歩と打った局面。ソフトの評価値-1710で後手優勢。

対局中は後手が指せていると思っていましたが、▲1三歩は全く気がついていませんでした。

先手玉は駒が頭が利く駒が入れば1五から打って詰みなので少し楽観していたようです。

楽観しているときに考えていない詰めろがくると対応を間違えやすいです。

実戦は△1三同銀だったのですが、ソフトの評価値-816で後手優勢。

この手順の△1三同銀は他の手が浮かばなかったので指したのですが、あまりよくなかったようです。

ソフトの候補手の1つだったのですが、ソフトの推奨手以外は評価値が落ちるというのが終盤になればでるケースがあります。

終盤になると指し手が広い上に持ち時間がないということがほとんどのため、手の精度が荒くなるのは仕方ないですが、やはり楽観していたのが問題でした。

▲1三歩とされる前にこちらも逆の立場で局面を考えるべきだったようです。

△1三同銀では△1五歩がありました。

△1五歩▲同玉△1二歩で、ソフトの評価値-1260で後手優勢。

この手順は△1五歩と1筋の歩を突き捨ててから△1二歩と打ちます。

△1二歩は敵の打ちたいところに打ての格言に沿った手ですが、このような受け方がなかなか見えません。

敵の打ちたいところに打てで、悪い手になるケースがあまりないような印象です。

△1三同銀とすると玉と金と銀が離れるので弱体化します。

後手としては先手の詰めろを逃れて△3九龍と銀を補充するのが理想的です。

ただし、ここからもソフトの変化手順には気がつきませんでした。

△1二歩以下▲4一角△3九龍▲3一金で、ソフトの評価値+99974で先手勝勢。

この手順は後手の失敗例ですが、△1二歩に▲4一角と打ってきました。

まず後手としては▲4一角が詰めろなのかを考える必要があります。

▲4一角に△3九龍に▲1二歩成なら△同玉▲1三歩△同銀▲2三金△同金▲2一銀△同玉▲3二金△1二玉で後手玉は詰みません。

先手の持ち駒が金金銀でなく金銀銀と斜めに利く銀が2枚あれば詰みなのですが、金金銀では後手玉は詰みません。

よって▲4一角は詰めろではないと思って△3九龍としがちなのですが、ここで▲3一金がありました。

まずうっかりしやすいのが△3九龍と銀を補充するのは価値の高い手なのですが、先手玉は4一に角がいるので詰めろがかかっていません。

よってこの瞬間に先手は後手玉に詰めろをかければいいということです。

▲3一金と金を捨てる手が浮かびにくく、この手は次に▲2一金打までの詰めろです。

▲3一金に△同銀なら▲1二歩成△同玉▲1三歩△同玉▲1四香△2二玉▲1二金まで詰みです。

また▲3一金に△2三桂は▲同角成があります。

▲3一金に△2一銀なら▲同金△同玉▲1二歩成△同玉▲1四香△2一玉▲1二銀△3一玉▲5二金で、ソフトの評価値+99992で先手勝勢。

この手順の△2一銀は敵の打ちたいところに埋めた受けですが、この場合は受けになっておらず▲同金~▲1二歩成で後手玉に即詰みはなさそうでも詰めろの連続で先手勝勢です。

なお▲4一角には△2三桂▲同角成△同銀▲3一金△4三角で、ソフトの評価値-1523で後手優勢。

この手順は△2三桂と王手で自陣に駒を埋める手がありました。

△2三桂に▲1六玉なら△3九龍▲1二歩成△同玉▲1三歩△同銀で、2三の地点に桂馬を埋めているため先手からの2三の打つこみがないので後手玉は詰みません。

よって△2三桂▲同角成~▲3一金と詰めろをかけてきたのですが、△4三角打って後手が指せているようです。

このような手順を見ると▲1三歩からの変化も多く、楽観するような局面ではなかったようです。

やはり終盤は厳しい目で局面を見る必要があるようです。

最終盤の楽観は禁物だったのが参考になった1局でした。