上図は、横歩取り青野流からの進展で△7二銀と上がった変化手順で、ソフトの評価値+38で互角。
先手が▲4六角と打った手に7一の銀が△7二銀と上がった形です。
▲4六角と自陣角を打つのが意外と重要な手のようで、角を先着することで後手からの△5五角のような手を消しています。
また▲4六角は後手から△6五桂と跳ねた時の5七の地点の補強にもなっています。
ただし、△7二銀と上がった後の指し方が分からないとその場で考えてしまいそうです。
大会などでここで時間を使っているようでは、それだけでかなり指しづらくなります。
横歩取りを選択するなら事前準備は必要なようです。
△7二銀には▲8二飛がありました。
▲8二飛△4一玉▲8四飛成△2六歩で、ソフトの評価値+31で互角。

この手順の▲8二飛は次に▲7三角成が狙いなので、△4一玉は先手の飛車の利きをかわす手で部分的にはある指し方です。
8二の地点に飛車を置いたままで△8三歩と飛車の利きを封鎖には▲8四歩とする指し方もありますが、▲8四飛成は自然な手です。
▲8四飛成に△8五飛と合わせる手が少し気になりますが、▲7三角成△8四飛▲同馬があります。
また▲8四飛成に△8三歩なら▲7四龍△8四飛▲同龍△同歩▲7四歩△6五桂▲7八金で、ソフトの評価値+497で先手有利。
よって▲8四飛成には△2六歩としたのですが、これが意外とうるさい手です。
▲2六同歩とすると△2七角▲3八銀△3六角成で、ソフトの評価値+52で互角。
人間の感覚だと▲2六同歩は自然な手ですが、2七の地点に空間があいたので△2七角から後手は馬を作る展開です。
その展開もありそうですが、ソフトは別の展開を示していました。
△2六歩以下▲8三歩△8一歩▲7五歩△6五桂▲7四歩△7七桂成▲同桂で、ソフトの評価値-54で互角。

この手順はなかなか浮かびません。
浮かばない理由は後手の桂馬と先手の金の交換になるので、普通は先手の駒損で不利というのが最初の感覚です。
よほど先手にとっていい条件がそろってないと指せないです。
▲7七同桂以下△2七歩成▲7三歩成△7六歩▲6五桂△7七歩成▲7二と△7六角▲5九桂△6六飛▲5六銀で、ソフトの評価値+845で先手優勢。
この手順は勘違いしやすいのが、先手の▲7三歩成~▲7二とがどの程度厳しいかが分かりづらいということです。
直截後手玉を攻めているわけではないのに対して、後手は2七にと金ができてさらに△7六歩~△7七歩成で先手玉を挟み撃ちのような形です。
ぱっと見で後手の攻めが厳しく見えると先手は最初からその展開を外すのですが、それでも先手は耐えることができると読んでいると指せるという感覚のようです。
▲5六銀以下△同飛▲同歩△6六銀▲7八銀で、ソフトの評価値+1139で先手優勢。
この手順は後手は飛車を切ってから△6六銀と6七の地点に駒を利かす攻めですが、▲7八銀も浮かばない受けで△同とが先手玉に詰めろがかからないので▲6一との狙いです。
これらは空中戦ならではという展開なので、感覚だけでなく読みが必要なようです。
なお△4一玉では△8一歩も有力だったようで以下▲8四飛成で、ソフトの評価値+29で互角。
手が広くて難しい局面だったようです。
敵陣に飛車を打って龍を作るのが参考になった1局でした。