上図は、角換わりからの進展で△1五同歩とした局面。ソフトの評価値+127で互角。
この局面を後から調べて分かったのですが、先手は3歩損をしていました。
2歩損というもそれなりに歩が少ないという印象ですが、50手位しか進んでいないのに3歩損というのは滅多にない感じです。
最初の3筋の歩を突き捨てて1歩損で、2筋の歩を交換して▲3三歩と垂らしてその歩を取られて2歩損で、1筋の歩を突き捨てて3歩損という展開です。
普通3歩損もしていれば少し指しにくいのかと思うのですが、この局面は互角だったようです。
実戦は▲5三桂成だったのですが、以下変化手順で△同玉▲3四歩△5二玉▲3三歩成△同銀で、ソフトの評価値-205で互角。

この手順は▲5三桂成と5筋の歩を入手してから▲3四歩と打つ形です。
手の流れからいえば先手は駒を取る手があるので気持ちがいいです。
ただしこの手順には盲点があったようで、▲5三桂成には△同玉とする手がありました。
ぱっと見3段玉というのは少し危険な感じがするのですが、▲3四歩と打った手に△5二玉と引いています。
後手玉の位置が△4二玉~△5三玉~△5二玉というルートでおさまったのですが、この△5二玉型になるのが後手として価値が高かったようです。
後手玉が△4二玉の形だと、3三の銀と3一の飛車がいなければ▲3四桂という筋が生じます。
そのような意味で△5二玉と3筋から少し遠ざかる位置にすることで、先手からのあたりが弱くなるようです。
先手の理想としては将来▲4五桂と打った手が金駒の両取りになればいいのですが、5三の地点に駒がいないとこの筋になりません。
また先手は5筋に歩があるので▲5三歩のような叩きの歩が打てません。
互角の範疇とはいえ先手の評価値が下がったのはこのような理由かと思っています。
▲5三桂成では▲6七角がありました。ソフトの評価値+109で互角。

この手順は▲6七角と自陣角を打つ手です。
4五の桂馬は自分から捌くのでなく、相手に取らせるのも含みにしているようです。
攻めることを考えると桂馬を捌いて王手をするのが気持ちがいいのですが、それをぐっとこらえて力をためるようです。
この▲6七角は4五の桂馬のかげに隠れた手ですが、4五の桂馬がいなければ▲2三角成と角を捌く手があります。
2三の地点は後手にとって弱い形なので、▲2三角成の筋を避けるなら事前に受ける必要があります。
▲6七角に△4五桂なら▲同歩△3三銀▲4四歩△同歩▲2三角成で、ソフトの評価値+225で互角。
この手順は後手から桂馬の交換をしてきたのですが、▲4五同歩~▲4四歩で先手の角の利きが通るので▲2三角成が実現します
ただし、形勢は互角のようです。
▲6七角に△2一飛なら▲1五香△同香▲3四歩△4五桂▲同歩△5五銀▲5六歩で、ソフトの評価値+70で互角。
この手順の△2一飛は受け一方の手で指しにくいのですが、先手は香車を捨てて▲3四歩と打つ手がありました。
以下▲5六歩とすれば銀が取れる形で先手もまずまずのようです。
▲6七角に△5四歩なら▲5三桂成△同玉▲2三角成で、ソフトの評価値+132で互角。
この△5四歩は価値の高い手で、将来△5三銀と銀を引く含みがあります。
△5四歩に▲5三桂成は空成りの桂馬なので見えづらいのですが、▲2三角成を実現することができます。
ただし、形勢は互角のようです。
▲6七角に△3六歩なら▲3三桂成△同銀▲3六銀△5二玉▲2三角成△同金▲同飛成△1四角▲2六龍で、ソフトの評価値+243で互角。
この手順は△3六歩には▲3三桂成~▲3六銀とします。
△5二玉の早逃げに▲2三角成としますが、△同金~△1四角の受けでいい勝負のようです。
これらの手順を見ると▲6七角は結構有力だったようです。
桂馬のかげに自陣角を打つのが参考になった1局でした。

















