上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲7七角と上がった局面。ソフトの評価値-252で互角。
よくある居飛車対振り飛車の対抗形からの進展ですが、このような局面をいっとき指していないと短い時間の将棋だと局面の急所を思い出すのに時間がかかります。
将棋の大会では指し慣れている戦型かどうかはかなり大事で、指し慣れていると数手先までのイメージができているのですが、指し慣れていないとそのあたりの感覚がいまひとつつかめていません。
将棋の棋譜を見るとの実際に自分で指すのでは全く感覚が違いますので、この局面は相手の方にうまく誘導されたようです。
こちらも自ら居飛車穴熊に組んだので仕方ない面もありますが気持ち的には準備不足で、でたとこ勝負みたいな感じになりました。
実戦は▲7七角以下△2四角▲6五歩で、ソフトの評価値-119で互角。
この手順の△2四角は▲4五歩には△5七角成の狙いですが、▲6五歩と手を渡されたときに次の方針をどうするかというのがあります。
対局中はまたこの後の方針を考えるのですが、よくある形から少しはずれたので少し難易度が高くなったようです。
よくある形からはずれたというのは局後にソフトで検討して気がついたのですが、居飛車側がどのような狙いをもって指すかという方針です。
その場の行き当たりばったりで指しても、手の方針がないと指し手に一貫性がありません。
指し手に一貫性があると、時間もそんなに使わなくて指せることになりやすいです。
△2四角では△7四歩がありました。
△7四歩▲6五歩△4二銀で、ソフトの評価値-156で互角。

この手順の△7四歩は自然な手ですが、▲3六歩だと△7五歩▲同歩△7二飛のような揺さぶりがあります。
△7二飛に▲6五歩と突いている形なら▲6六角がありますが、▲6六歩型だと次に△7五飛を受けることができません。
よって△7四歩に▲6五歩としたのですが、次の△4二銀がこの戦型でよくある手でした。
この△4二銀などはこの戦型のプロの先生の棋譜でよくでる手ですが、知っていないと指せないような部類の手かもしれません。
5三の銀で4四の地点を守ろうという固定観念だと△4二銀は浮かびません。
△4二銀で4四の地点の利きは1枚なくなりますが、浮いていた5三の銀を△4二銀として守りを固めたのは価値が高いです。
△4二銀と引いた形の後手の狙いは大きく2つあります。
1つは△4二銀に▲4五歩なら△同歩▲同銀△7七角成▲同桂△5九角で、ソフトの評価値-143で互角。
この手順は▲4五歩には△同歩とすれば角と角が向かい合う形で角交換になります。
後手の狙われやすい角が持ち駒になったので、△5九角のような手が生じます。
この戦型では角を先手と後手のどちらが交換するかとか、先手の飛車の位置が▲4八飛型か▲4九飛型かなどで微妙に味が違うようです。
もう1つは△4二銀に▲6八飛なら△7五歩で、ソフトの評価値-234で互角。

この手順の▲6八飛は△4二銀と引いたことで生じる手で、次に▲6四歩があります。
▲6四飛に△5三銀では後手が手損になり、以下▲4八飛△4二銀だと千日手になる可能性があります。
▲6八飛には△7五歩ははっとする手で、この手も知らないと指せないかも知れません。
△7五歩に▲同歩なら△8六歩▲同歩△4五歩▲6四歩△同歩▲同飛△7七角成▲同桂△8六飛で、ソフトの評価値-5で互角。
この手順は▲7五同歩なら△4五歩と居飛車から角交換を狙う手で、この展開もよくある筋です。
角交換後に先手も後手もお互いに飛車を捌く手で、これでいい勝負のようです。
△7五歩の突き捨ては1歩損になりますが、将来△7六歩とか△8六に飛車がでたときに横に利きが生じるなどの意味があります。
また7六の地点に空間をあけておくと△7六角が攻防になることもありそうです。
なお単に飛車を捌くなら▲6八飛に△8六歩▲同歩△4五歩もあり、このあたりはその局面によって微妙に違うようです。
相穴熊の仕掛けが参考になった1局でした。