飛車を敵陣でなく中段に打つ

上図は、先後逆で横歩取り勇気流からの進展で△7二銀と上がった局面。ソフトの評価値+116で互角。

横歩取りの難しいところは大駒の交換になっていることが多く、持ち駒に大駒があると自陣の打ち込みの対処が気になります。

すべてをカバーするのは難しいですが、どこかのタイミングで金駒を動かさないと発展性がなくなります。

自陣の金駒はほとんど動かさずに飛車と角と桂馬だけで攻め切ればいいのかもしれませんが、相手もいることで簡単ではありません。

金駒を前進しすぎると打ち込みが生じやすいので、最低限の守りは固めたいです。

実戦は△7二銀に▲8二飛と打ってこられましたが、それ以外の手も気になるところです。

△7二銀型は8二の地点が弱いので、そこの打ち込みには対策をもっていないと指しにくいです。

実戦の▲8二飛に対して持ち時間をかなり使うようでは自分からこの戦型に誘導した意味が薄れますので、このあたりは準備が少し足らなかったです。

この機会に▲8二飛以外にも少し調べておいた方がいいようです。

△7二銀に対して気になる手は2つあります。

1つは▲8二歩です。

△7二銀▲8二歩△7三桂▲8一歩成△同銀▲8三飛△7二銀▲8二飛成△8一飛▲8三歩△4二銀で、ソフトの評価値+78で互角。

この展開は後手にとっては嫌な展開の1つで、▲8二歩以下後手が受け損なうと形勢を大きく損ねそうです。

先手が龍を作る展開に対して後手は△8一飛と香車を取られないように自陣飛車を打つ形ですが、将来△8二飛としても▲同歩成でと金で7二の銀が取られてしまいます。

そのような意味で後手は8筋でこれ以上駒を動かすのは難しいようです。

また先手にとっても龍の活用はこれ以上難しいようですが、あえて龍を活用するなら▲9一龍という手が浮かびます。

△4二銀以下▲9一龍△同飛▲8二歩成△3五歩▲同歩△8八角成▲同銀△3六歩▲2五桂△2六飛で、ソフトの評価値-467で後手有利。

この手順はうまくいきすぎのところはありますが、▲9一龍~▲8二歩成で後手は香損でさらに飛車も取られる形です。

先手は香車が入ったことで将来▲3五香のような手も気になります。

そのような意味で後手は何か動いていかないといけないです。

後手はどこから手をつけるかですが、△3五歩と先手の桂頭を狙うのが筋のようです。

しかし3七の桂馬を攻めたところで、▲2五桂とか▲4五桂とか跳ねられて逆に活用されるようなイメージもあります。

このあたりの感覚の違いを理解するのが難しく、その先のこともイメージする必要があるようです。

後手が△3六歩と打った手に▲2五桂としましたが、普通は▲4五桂と中央に駒を活用します。

▲4五桂には△8五飛▲4六歩△8二飛で、ソフトの評価値-1004で後手優勢。

この手順は▲4五桂には△8五飛と中段に飛車を打つ手がうまい手で、△4五飛と△8二飛の狙いです。

△8五飛に▲9一となら△4五飛で△4七飛成と△7六桂の狙いで、勇気流の▲6八玉型は△7六桂の筋があります。

よって▲2五桂と反対側に桂馬を逃げたのですが、△2六飛と飛車を打つのが気がつきにくいです。

△2六飛は△2五飛~△7六桂と、△2八歩成から飛車を成り込むのが狙いです。

飛車はつい敵陣に打ちたくなりますが、5段目とか4段目に打つのが盲点です。

よって真ん中の局面図で▲9一龍は少し無理なようで、▲5八玉とか▲3三角成とか別の手を探すようです。

なお、最初の局面図で気になるもう1つの手は▲8三歩ですが、これはまた別の機会に調べてみます。

飛車を敵陣でなく中段に打つのが参考になった1局でした。