金駒1枚の損でも玉を下段に落す


上図は、相居飛車からの進展で△4三玉と逃げた局面。ソフトの評価値+1668で先手優勢。

先手が▲3四歩と打った手に△3三の玉が△4三玉とした形です。

評価値がかなり先手に傾いている感じですが、ぱっと見でそんなに差がある局面にも見えないです。

この局面でソフトで印象に残る手が2つあったので、その確認のため調べてみました。

1つは△4三玉に▲2一角です。

この手順の▲2一角は単騎の角の王手で、後手は合駒をするか移動合か逃げるかのどちらかです。

▲2一角に△3二銀なら▲3三金△5三玉▲3二金で、ソフトの評価値+752で千手有利。

この△3二銀は大駒の角に反発する受けで最初に浮かびますが、▲3三金~▲3二金で金駒が1枚多く取れる形です。

▲3二角に△3二金も▲3三金があります。

また▲3二角に△5三玉なら▲3三歩成で、ソフトの評価値+862で先手優勢。

この手順の△5三玉は遠くに玉を逃げますが、▲3三歩成とと金ができて攻めの戦力が増えるので先手が指せそうです。

よって後手は▲2一角に上部脱出を目指します。

▲2一角△3四玉▲3七桂△4八飛成▲4三銀で、ソフトの評価値+955で先手優勢。

この手順の△3四玉は攻めの拠点の歩を払いつつ上部脱出の筋があるので、先手のとしても嫌な形です。

先手の持ち駒に桂馬があるので▲3七桂が飛車取りかつ2五の地点を抑えているのでこの手は浮かびやすいです。

△4八飛成で次に△3七龍がありますので先手は忙しいのですが、▲4三銀が少し指しにくいです。

銀を打つなら▲4三銀でなく▲4五銀もありそうですが△同龍▲同桂△3二銀で、ソフトの評価値+895で先手優勢。

この手順もありそうで▲4五同桂で後手の龍はとれますが。2五の地点の桂馬の利きがそれたのと△3二銀で先手の角が取られます。

後手の入玉のことを考えると先手もプレッシャーがかかる形です。

その点▲4三銀は下から玉に迫る形ですが、入玉という点についてはまず防げそうです。

▲4三銀以下△3三玉▲3四歩△4四玉▲5四銀成△3四玉▲4三角成で、ソフトの評価値+1057で先手優勢。

この手順の△3三玉は下に逃げる形ですが、先手も攻め駒が少ないので簡単には決まりません。

△3三玉には▲3四歩が継続手で△2四玉なら▲2五金△1三玉▲3三歩成で、と金が作れます。

よって▲3四歩には△4四玉としましたが、▲5四銀成~▲4三角成が決断の手です。

▲5四銀成とできるのが▲4三銀と打った効果で、△3四玉に▲4三角成とします。

▲4三角成に△同龍とすれば▲同成銀△同玉で、金駒が1枚後手に多く渡る形になります。

金駒1枚の損は普通駒損ということになりますので、攻める方としては戦力が減ります。

そのような意味で普通は駒損を避けることが多いのですが、本局においては後手の入玉を防いでいます。

△4三同玉で先手の持ち駒が飛金歩と。盤上の3七の桂馬の計4枚の攻め駒で相手玉を攻めるということになりそうです。

ここから攻めるのもそれなりにうまい手が必要ですが、まず感覚として玉を下段に落とすのが大事なようです。

なお最初の局面図の△4三玉にもう1つの手は▲7一角ですが、これはまた別の機会に調べてみます。

金駒1枚の損でも玉を下段に落すのが参考になった1局でした。