分かりやすい形で寄せる

上図は、横歩取り青野流からの進展で△2一玉と逃げた局面。ソフトの評価値-1563で後手優勢。

先手が▲4三銀と王手をした手に3二の玉が△2一玉とした形です。

この局面は先手の桂損ですが、先手の攻めがやや細いのに対して後手の攻めの方が勝っています。

先手としてはどのように粘るかという形のようですが、粘るというより後手がどのように寄せの形に持ち込むかになりそうです。

先手としてはあまり楽しみがないような局面で、後手が甘い手を指せばチャンスがくるような筋にもっていくしかなさそうです。

実戦は△2一玉以下▲4二馬△4九歩成▲6九玉△5七角成▲6八金△5八金で、ソフトの評価値-99981で後手勝勢。

この手順の▲4二馬は▲3二銀成や▲3二馬や▲2四馬を狙った手ですが、後手玉に詰めろはかかっていません。

後手は△4九歩成から金を入手して▲6九玉に△5七角成と詰めろをかけます。

以下▲6八金の受けには△5八金から手数は長いようですが詰みのようです。

先手の負け将棋なのでこの指し方で1局を終えるというのもありましたが、ソフトは別の粘り方を示していました。

▲4二馬では▲3四銀成がありました。

▲3四銀成△4九歩成▲同銀△4五桂▲4三馬△3二歩▲6八金で、ソフトの評価値-2935で後手勝勢。

この手順の▲3四銀成は飛車取りですが、後手玉に詰めろがかかっていません。

飛車を取ってもまだ後手玉に詰めろがかかっていませんので、局面は差が開いています。

そのような意味では最初の局面図から▲4二馬としても大差がないようにも見えます。

ただし、少し違うのは▲3四銀成△2一玉としたことで▲4三馬が王手で先手玉の受けに少しだけ役立つ形になりました。

▲4三馬の形は将来△7六桂のような手を消して、8七の地点まで利いていますので少しでも先手玉を寄せづらい形にするような手です。

後手は▲3四銀成に△4九歩成▲同銀△4五桂と詰めろをかけるのがいいようです。

安い駒で攻め駒を増やす手で、次に△5七桂成からの詰めろです。

△4五桂で△4七金の寄せもありますが、▲6九玉とされると最悪4七の金がうまく活用できないようなこともあります。

金駒の金はできるだけ終わりの方で活用するのが一般的です。

よって△4五桂に▲6八金と詰めろ逃れで5七の地点を受けました。

この局面は後手勝勢になっていますので、後は後手がどのように寄せるかという形です。

▲6八金以下△4七と▲6九玉△5七と▲2四成銀△6八と▲同飛△同角成▲同玉△8八飛▲7八角△5七金▲7九玉△8九金で、ソフトの評価値-99997で後手勝勢。

この手順は△4七とで盤上のと金を活用するのがうまい手で、▲同玉なら△5七角成以下詰みです。

よって▲6九玉としましたが△5七とでさらにと金を活用します。

▲2四成銀は形作りみたいな手ですが、△6八とから清算して△8八飛が寄せの形です。

先手玉を8筋に逃がさないような寄せ方で、▲7八角が少し粘りのある受け方です。

以下△5七金~△8九金で▲同角なら△6八飛成で詰みです。

この寄せは先手の4三の馬の利きを活かさないような寄せ方です。

なお最後の△8九金では△7八飛成~△6九角の筋も寄せの形で詰みのようですが、4三に馬がいるの8七の地点まで利いており少し複雑になります。

また△4七とで△5六桂のような手が見えると少し複雑になります。

自分は直感で△5六桂が浮かんでこの手は長手数の詰めろだったようですが、詰み筋もやや複雑で最初は詰ませられませんでした。

このようなことがあるので、寄せは分かりやすい形にするのがいいようです。

分かりやすい形で寄せるのが参考になった1局でした。