苦しい形勢で遊び駒の馬を活用する

上図は、相居飛車で後手雁木からの進展で△8八金と銀を取った局面。ソフトの評価値-1201で後手優勢。

序盤から先手の受け損ないから不利になりさらに△8八金と銀を取られました。

駒割りは飛金と桂香の交換で先手が大きな駒損です。

対局中はどうしようもなく先手が悪いなと思っていましたが、このような局面でも先手が推奨手を指してその手に後手が少し甘い手を指すと形勢はもつれるようです。

なお実戦は△8八金以下▲6五桂△7八銀▲5七玉△5五歩で、ソフトの評価値-2621で後手勝勢。

この手順の▲6五桂は駒がたくさん入れば▲6二とから清算して5三から打ち込むイメージですが、△7八銀と決めて△5五歩と伸ばした形は先手玉が狭く次に△5六歩が厳しく後手勝勢のようです。

このような展開も指し手が淡泊だと勝負所もなくずるずるになっており、まだまだ甘いようです。

この手順の▲6五桂が悪かったのは、全然攻め合いの形にならないのに攻めの手を選択したのがまずかったようで、ここでは粘りに出るような手を指すべきだったようです。

▲6五桂では▲9二馬がありました。ソフトの評価値-1021で後手優勢。

この手は遊んでいる馬を活用する手ですが、後手の次の手が甘いと直ぐに勝負形になるようです。

▲9二馬に△5五角なら▲7五銀△6四飛▲同銀で、ソフトの評価値-48で互角。

この手順の▲9二馬に△5五角は壁角を解除しつつ角を活用する手ですが、▲7五銀と飛車取りに打つ手がありました。

▲9二馬として後手の飛車の利きを狭くしているのが何気ないところで、△6四飛に▲同銀で飛車を取り返します。

▲6四銀に△同歩なら▲5三歩△同金▲7四馬で、ソフトの評価値+477で先手有利。

この手順は△6四同歩とすると6三の地点に空間があくので、▲5三歩~▲7四馬が次の▲4一飛の詰めろで形勢が逆転するようです。

▲6四銀に△同角なら▲5六桂△1九角成▲5三歩で、ソフトの評価値+341で先手有利。

この手順は△6四同角なら▲5六桂が意外と厳しいようで、次に▲6四桂と角を取った手が▲5二桂成からの長手数の詰めろのようで、△1九角成には▲5三歩と叩いてこれも形勢が逆転したようです。

▲9二馬に△5五角とする手は甘かったようなので別の手を調べます。

▲9二馬に△5五歩なら▲5三歩△同金▲6二銀不成△4二玉▲5一銀打△5二玉▲9三馬で、ソフトの評価値-175で互角。

この手順の△5五歩は後手の8四の飛車の利きを広げる手で、これで後手の飛車は取られない形になります。

△5五歩とすると先手の5筋の歩が切れるので▲5三歩と叩く手が生じました。

以下▲6二銀不成~▲5一銀打が入ると急に後手玉が狭くなります。

最後の▲9三馬は飛車取りですがこれが何気に後手玉に詰めろになっているようで、次に▲5三銀成に△同玉なら▲7一馬以下詰みです。

▲5三銀成に△5一玉なら▲8四馬と飛車を取る手が詰めろになります。

どちらも後手が△5五角や△5五歩と甘い手を指したケースなのであまり参考にはならないかもしれませんが、将棋ではよくあるケースです。

なお最初の局面図では▲9二馬に△8九金と桂馬を取って以下▲5九香△8三桂で、ソフトの評価値-1146で後手優勢。

この手順の△8九金と桂馬を取って次に△7五桂を狙う手で、▲5九香はそれに対する受けです。

△8三桂は難易度が高い手で自分はまず浮かばない手ですが、先手の9二の馬の利きを止めて将来△7四飛~△7七歩成を狙う手のようです。

これらを見ると形勢が傾いても将棋は難しいようで、簡単に諦めたらいけないようです。

形勢が苦しいときは大駒を活用すれば局面が大きく動くことがあるので、局面が複雑になるようです。

本局でいえば8一の馬を活用する手です。

苦しい形勢で遊び駒の馬を活用するのが参考になった1局でした。