大駒を受けに使う

上図は、先後逆で先手5筋位取り中飛車に後手超速△7三銀型からの進展で▲7三角成とした局面。ソフトの評価値-407で後手有利。

先手が飛車と銀の交換から▲7三角成とした形で、飛車取りなので後手は飛車を逃げることになります。

後手にとって嫌なのは飛車をいじめられる形で、飛車を取られてその飛車を打ち込まれるのが舟囲いに厳しいです。

振り飛車が穴熊で飛車を打ち込んで舟囲いを攻めるというのは、振り飛車にとって理想的な形です。

そのため舟囲いの居飛車はできるだけ飛車を渡さないような形にすることが多いです。

本局は▲7三角成に△8一飛と引いたのですが、あまりこの手はよくなかったようです。

△8一飛に▲7二銀なら△5七桂成▲8一銀不成△8九飛▲7九飛△同飛成▲同金△5九飛▲6九飛△5八飛成で、ソフトの評価値-840で後手優勢。

この手順はうっかりしやすいのですが、▲7二銀はいい手ではなく△5七桂成と飛車を見捨てる手がありました。

自分はすぐに▲7二銀のような手が目につくのですが、△5七桂成~△8九飛に6九の金が受けづらいです。

▲7九歩と打てればいいのですが2歩なので打てません。

よって▲7九飛から自陣飛車の受けですが、△同飛成~△5九飛と今度は反対から打つ手がありました。

以下▲6九飛に△5八飛成で次に△4八成桂が狙いで後手優勢です。

△8一飛にソフトは▲6五桂△同歩▲5五銀で、ソフトの評価値-49で互角。

この手順は▲6五桂~▲5五銀で盤上の銀と桂馬を活用する手です。

盤上に離れて残った駒は遊び駒になりやすいのですが、特に7七の桂馬を活用して持ち駒にするのは本筋の指し方のようです。

この後手の形がいまひとつなのは△3二玉型と△8一飛型の組み合わせがよくなく、後手玉の4三の地点のコビンがあくと▲5四角のような筋があります。

また将来5筋に▲5三歩~▲5四歩と歩を連打して、▲6三馬のように後手の飛車をいじめつつ攻めることもありそうです。

この場合の後手の1段飛車は逆に狙われやすい形になっているようです。

最近の将棋は1段飛車が受けによく利いているので目指す駒組みの1つですが、接近戦の飛車は狙われやすいので注意が必要でした。

△8一飛では△9二飛がありました。

△9二飛▲6五桂△同歩▲5五銀で、ソフトの評価値-309で後手有利。

この手順は△9二飛と2段飛車で逃げる形で、9一の香車にひもがついているのでただでは取られない形です。

遠くから2段目に受けを利かす飛車で、8一の飛車より安定性があるようです。

先手は▲6五桂~▲5五銀と捌いてきますが、この局面からの展開が気になります。

▲5五銀以下△同銀▲同馬△4四銀▲6五馬△5七角成▲4八銀△8四馬で、ソフトの評価値-215で互角。

この手順は▲5五銀には銀交換から△4四銀と金駒を埋める形です。

▲6五馬で次に先手から▲5六桂と後手玉のコビンを攻める狙いで、△5七角成が地味ながら価値の高い手のようです。

後手からいつでも△3九馬▲同銀△4九飛のような攻めがあります。

▲4八銀は金駒を埋める受けでこれが馬取りになるので△5七角成が少し指しづらいという意味があったのですが、△8四馬と玉と反対側に引くのが盲点です。

馬は玉の近くにという発想が自然なのですが、△8四馬で▲7四馬を防ぎつつ穴熊に攻め合いの形も含みにしているのが興味深いです。

先手からは▲5六桂で後手からも将来△5六桂を狙う形です。

この居飛車の指し手を見ても分かるのですが、ある程度受けの力がないとなかなか指しこなすのは大変なようです。

このようなところも力をつけていきたいです。

大駒を受けに使うのが参考になった1局でした。