上図は、相掛かりからの進展で△5二玉と上がった変化手順の局面。ソフトの評価値+2062で先手勝勢。
駒割りは飛桂と角の交換で先手が駒得で、後手は歩切れで細かい攻めができませんのでこの局面は先手勝勢ですが、勝勢といっても相手玉を詰ますまではまだかなり手数がかかります。
本来ならこの局面は大差なので、ここからの指し手を調べる必要はないのかもしれませんが、人間同士が指すとこのような局面からもつれることはよくあります。
特に大会などでこのような局面は、秒読みでなく切れ負け将棋のようなケースが危ないと思っています。
今は時計の整備などで秒読みがつくことが多い印象ですが、現実的に切れ負け将棋の大会はまだたくさんあり指し手の方針が定まらないと無駄に時間を使うことになります。
一番いいのは時間内に攻め切って相手の玉を詰ますというのがベストですが、仮に詰ませなくても分かりやすい形にもっていきたいです。
△5二玉以下▲4五銀△2二角▲3四銀△4四角▲3六桂で、ソフトの評価値+2081で先手勝勢。

この手順は▲4五銀と打つ手ですが、やや単騎の銀なので少し打ちにくいです。
少し打ちにくい理由は▲4五銀~▲3四銀としたときに▲3三歩が2歩なので打てないのと、後手から銀を追われる筋があるかが気になります。
幸い後手は歩切れなので▲3四銀に△3三歩と打つことができませんので銀を追われることはないのですが、銀が攻めに活用できるかが気になります。
△2二角に▲3四銀と出て次に▲2三歩と打つ手が狙いです。
▲3四銀に△4四角と出たのは▲2三歩の先受けですが、そこで▲3六桂がありました。
この局面になったらよりはっきりしたという感じで、先手からは怖いところがありません。
▲3六桂に△2二角なら▲2三歩△3一角▲2一飛で、以下▲1一飛成から香車を補充して龍を作れば攻めが繋がりそうです。
△5二玉以下▲4五銀△2二角▲3四銀△1二角▲3五龍△6二玉▲2三歩で、ソフトの評価値+2423で先手勝勢。

この手順の▲3四銀に△1二角は銀取りですが、2三の地点と2一の地点の補強になります。
後手の角が△3四角となったときに桂馬が持ち駒にあれば△6六桂▲同歩△7八角成のような筋がありますので先手も油断できません。
△1二角に▲3五龍が手厚い手で、後手も指す手がないので△6二玉としましたがそこで▲2三歩と攻める手です。
▲2三歩以下△同金▲同銀成△同角▲2四龍△3二銀▲3五桂△3三角▲同龍△6七角成▲同金△3三銀▲4三桂成△8八飛▲6八歩△7八銀▲3二飛で、ソフトの評価値+99975で先手勝勢。
この手順は▲2三歩からがりがり攻める手ですが、△3三角に▲同龍が少し決断のいる手です。
▲3三同龍に△6七角成と捨てて先手玉が少し危険な形になります。
以下△3三銀と飛車を取る形が△8八飛が王手になります。
先手はできれば飛車を渡さずに自玉を安全にして指したいのですが、局面をどこかで決めるような場合は飛車を渡すことになります。
そのような意味で、△8八飛より先手は厳しい攻めの形にしておくことが大事なようで▲3二飛以下は長手数ですが詰みのようです。
自分は▲3二飛以下を即詰みにする自信はありませんが、後手玉を即詰みにできなくても先手玉が簡単に詰まない形なので先手の1手勝ちのようです。
勝勢から分かりやすい形にもっていくのが参考になった1局でした。