上図は、先後逆で先手矢倉に後手左美濃の相居飛車からの進展で▲9六歩と突いた局面。ソフトの評価値-4で互角。
後手番で左美濃の急戦模様はよく指すのですが、あまりうまくいったイメージがありません。
玉を最小限に囲ってからはどんどん攻めるという展開をイメージしているのですが、相手の方の受けが強いと簡単にはつぶれません。
この戦形を選択すると気持ちの中でどんどん攻めないといけないという変なプレッシャーがあって、手待ちをすることができません。
手待ちをしても効果が不明なのと、その間に相手にいい陣形で構えられる可能性もあるので少し無理気味に動くのですが、一旦攻めに入った駒を下がらずに手を繋げる必要があるので神経を使います。
相手の方が先手で矢倉に組んだ時の後手の作戦ががやや単調な感じがします。
実戦は▲9六歩以下△6二飛▲6八銀上△7三桂▲7九玉で以下変化手順で△6五歩▲同歩△9五歩▲2二角成△同玉▲9五歩△6五桂▲6六銀△3九角▲3八飛△6六角成▲同金△5七銀▲3九角で、ソフトの評価値+323で先手有利。

実戦の△6二飛は右四間飛車にする手で部分的にはありそうな形です。
6筋に駒を集めて△6五歩狙いですが、6六の地点は先手も角金銀の3枚が守っているのでかなり堅いです。
変化手順の△6五歩以下は後手から動く展開で、少し無理気味なところはありますが角と銀の交換から△5七銀と打ちました。
以下▲3九角とあまり見ない受け方ですが、局面が落ち着くと先手の方が指しやすくなります。
途中の変化では角交換をどちらがするかなどによって局面が変わってきますが、一旦攻めると手を戻すというのが難しいのがこの戦形の特徴です。
先手の攻めは飛車と角と桂馬で、銀があまり使えていないのでやや厚みのある攻めができていないようです。

△6二飛では△6三金がありました。
△6三金▲6八銀上△7三桂▲3六歩△6五歩▲同歩△7五歩で、ソフトの評価値+77で互角。
この手順の△6三金ですが、守りの金を攻めに使う形です。
△6三金型にすることで攻めに厚みが出る形です。
自分は左美濃や腰掛銀などでも金を右側の3段目に使うというのがなかなか浮かばないようで、金は守りにおいておきたいというのがあります。
そのため厚みのある攻めができないということですが、すべてを自分の理想通りに進めるというのは難しいようです。
たまたま最近10年位前の棋譜並べをしたのですが、後手番で左美濃からの急戦形で△6三金型に組んでいるのが2局ありました。
やはり厚みのない攻めでは難しいと思っているのかもしれません。
変化手順は後手が△6三金△7三桂△8二飛型から△6五歩と動きました。
後手の飛車は8筋に置いた方が将来△8六歩のような攻めがあるので、6筋より価値が高いようです。
また△6三金型なので後手の桂頭の補強になってます。
後手は△8二飛型なので△6五歩~△7五歩と定番の攻め方です。
この攻め方は角換わり腰掛銀などでもよく見られます。
△7五歩の局面だとつい右側だけ見がちなのですが、後手の左美濃は守り駒が金駒2枚になるので、逆に反撃を食らうというのも意識する必要があります。
△7五歩以下▲3五歩△7六歩▲2二角成△同玉▲3四歩△8六歩▲同歩△4四角で、ソフトの評価値+146で互角。
この手順の▲3五歩ですが、ここに手が入ると後手も嫌な形になります。
そのため数手前に先に▲3六歩と突いて▲7九玉を保留したようです。
△3五同歩では3四の地点に空間があくので指しにくい手です。
よって後手は△7六歩から動きますが、角交換をして△8六歩~△4四角で後手玉のコビンをケアしながら攻め手を探すようです。
将棋は互角のようですが、あまり単調な攻めの形にしないというのが大事なようです。
単調な攻めの形にしないのが参考になった1局でした。