自玉ある盤面の左側で手を作る


上図は、角換わりからの進展で△3三同金と歩を取った局面。ソフトの評価値-817で後手優勢。

現時点の駒割りは角金と銀桂桂の交換でやや先手が駒損です。

大駒3枚は後手にあり1八の飛車も後手に取られそうなので、先手は大駒がない状態で戦うのとほぼ同じです。

そのような意味で先手はやや戦力不足なのですが、ここからどうやって手を作るかという形です。

実戦は▲4六桂で、以下△4五角▲7五桂で、ソフトの評価値-951で後手優勢。

この手順は数手前に▲4五歩と突いたので▲4六桂と両取りに打ちました。

以下△4五角と逃げた手に▲7五桂と相手の守りの金を狙った手でこれが自然かと思っていましたが、▲4六桂はあまりよくなかったようです。

▲4六桂はソフトの候補手にも上がっていませんでした。

駒不足なため両取りに打つのはぱっと見で見えやすいのですが、その手が疑問となるとなかなか難しいです。

▲4六桂では▲6六桂がありました。

▲6六桂△4五角に有力な手が2通りあったようです。

1つは△4五角に▲7五桂で、ソフトの評価値-768で後手有利。

この手順は実戦の手と似ているのですが、先手は桂馬を4六に配置するか6六に配置するかの違いのようです。

この違いは正直よく分からないのですが、先手の玉の周辺においては自分の駒を埋めることで隙が少しでもなくなることがあります。

▲4六桂だと攻めでしか使えませんが、▲6六桂だと攻めにも受けにも役に立つという理屈かもしれません。

玉頭を少しでも手厚くするという意味で▲6六桂の方が勝っていると思いたいです。

もう1つは△4五角に▲7四桂打とする手です。

▲6六桂△4五角▲7四桂打△8六飛▲8七歩△8四飛▲2八飛△同角成▲7五金△8一飛▲7二銀で、ソフトの評価値-1273で後手優勢。

この手順は▲7四桂打とつなぎ桂で飛車取りに打つ手です。

6六の桂を利用して7四の地点に駒を打つというのは将棋ではよくある形ですが、単純に飛車取りの桂馬を打つ手が見えません。

後手は△8六飛としますが▲8七歩に△8四飛と引きます。

本来は飛車は下段に引いた方がいいのですが、先手の金駒に逆に狙われやすいようです。

△8四飛に▲2八飛として飛車と金の交換から▲7五金が見えづらいです。

この▲7五金も飛車取りですが、先手陣を手厚くするという意味もありそうです。

▲7五銀でなく▲7五金と打つのが形のようで、形の安定感からすると金の方が勝るみたいです。

以下△8一飛と逃げた手に▲7二銀と食いつく形です。

厳密に言えばこの局面は後手優勢のようなので正確に指せば後手が残っているようですが、6六の桂馬と7四の桂馬が攻めに使えているようです。

ちょっとでも後手が受け損なうとすぐに形勢がひっくり返るような雰囲気のある局面になっているので、後手も正確に対応するのはそれなりに難しいです。

居飛車でどうしても攻めというと自分から見て盤面の右側を意識しやすいのですが、玉側の左側で攻めるという感覚も身につけたいです。

また攻めといっても駒を盤上に埋めているので、将来先手玉が上部に上がれば守り駒としても役に立つ可能性もありそうです。

自玉ある盤面の左側で手を作るのが参考になった1局でした。