守りの銀に歩で攻めて形を変える


上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△9八歩と打った局面。ソフトの評価値-69で互角。

△9八歩に先手は有力な手が2通りあり、1つは▲8五桂でした。

もう1つは▲5四歩です。

▲5四歩は銀取りですが、ぱっと見の狙いが分かりにくいです。

次に▲5三歩成とすると、先手の持ち駒がたくさんになればいきなり▲7一銀からの詰み筋が生じることもあります。

普通は後手は銀の処置をどうするかを考えます。

▲5四歩に△同銀なら▲6二香△7一金▲5三角△5二金で、ソフトの評価値+1284で先手優勢。

この手順は△5四同銀とすると守りが少し薄くなります。

6二の地点の利きが1枚減ったので▲6二香がよくある美濃崩しの手です。

△6二同金なら▲7一角がありますので△7一金としますが、そこで▲5三角が継続手です。

この▲5三角もよく美濃崩しに見られる手で、次に▲7一龍△同玉▲6一香成からの詰み筋を狙っています。

それに対して△5二金の受けもある手で、金があるとこのような受け方があります。

△5二金は6二の地点の受けに役立っていますが、この局面は先手優勢だったようです。

△5二金以下▲7一龍△同玉▲6一香成△同玉▲7一金△5一玉▲7二金△5三玉▲3四桂△2四角▲2五歩△1五角▲1六歩△6二飛▲4一と△5二玉▲4二と△同角▲同桂成△同玉▲6二金で、ソフトの評価値+3117で先手勝勢。

この手順は狭い後手玉に小駒で張り付いて攻める手で、厳しい寄せ方です。

▲5四歩に△6二銀とする手も気になります。

△6二銀はさらに後手玉が堅くなったというイメージですが、今度は別の攻め方がありました。

▲5四歩に△6二銀なら▲5五角△6四金▲同角△同歩▲5三歩成△同銀▲6三香で、ソフトの評価値-1279で後手優勢。

この手順の△6二銀に▲5五角もよくある手で、次に▲7四桂を狙っています。

後手の△6四金は4段目の金なので少し打ちにくいのですが、先手を取る受け方です。

以下▲同角~▲5三歩成~▲6三香も部分的に鋭い手です。

△同銀なら▲6一龍があります。

また後手の持ち駒に安い駒が6二の地点に打って受けることができますが、大駒だけだと受けづらいです。

ただしこの場合は▲6三香には△3六角という攻防の手がありました。

6三の香取りですが△6九角からの打ち込みも狙っている手で、持ち駒に角がある場合はこのような攻防の手がとんでくることがあります。

自分は全く気がつきませんでしたが美濃囲いの近くだけを見るのでなく、盤面の右側を含めた全体を見ないといけないようです。

△3六角と打てば後手が指せているようですが、先手の攻め方としては意外で面白そうです。

守りの銀に歩で攻めて形を変えるのが参考になった1局でした。