見た目以上に意外と大変

上図は、角換わりからの進展で△4四歩と突いた変化手順の局面。ソフトの評価値+59で互角。

以前△4四歩と突くところで△4四銀を調べました。

https://shogiamateur.com/?p=73515&preview=true

今回は△4四歩からの展開を調べてみます。

△4四歩は先手からすると△4四銀~△5五銀の筋がなくなって少しほっとするところがあります。

ただし、▲4五桂と直接跳ねる手がなくなるので、桂馬を活用するためには▲4五歩と突く必要があります。

別の言い方だと△4四歩と突くと▲4五歩で争点の歩ができるということですが、▲4五歩と突いたからといって簡単に先手有利にはならないようです。

右玉は薄い形なので攻めのきっかけができればうまくいきそうでも、後手陣も受けに適した形です。

△4四歩以下▲4五歩△同歩▲同桂△4四銀▲2四歩△4六角で、ソフトの評価値-159で互角。

この手順は4筋の仕掛けから2筋の歩の交換を目指しますが、△4六角の切り返しがありました。

これは2八の飛の形をとがめた手で、形勢は互角ですが先手は歩損になります。

△4四歩以下▲4五歩△同歩▲同桂△4四銀▲4六歩△3三桂で、ソフトの評価値-56で互角。

この手順は▲4六歩と桂馬を支える手ですが、△3三桂をうっかりしやすいです。

後手から桂馬の交換を目指す手で、お互いの持ち駒に桂馬が入るとどちらが得をするかという形です。

一般的に3七の桂馬は攻めの桂馬で捌ければそれで桂馬は活用できたということになるのですが、逆の見方をすると遊び駒になりやすい3三の桂馬が持ち駒になったとも言えそうです。

後手の持ち駒に桂馬が入ると△8四桂と埋めるような手が生じて、△9五歩や△7五歩など先手陣に嫌味をつける形になりやすいです。

先手の持ち駒に桂馬が入ると▲6七桂と打って▲7五歩と狙うとか、後手の8一の飛車がいなくなると▲9五歩△同歩▲9二歩△同香▲8四桂のような手が狙い筋です。

どちらかと言うと後手の方が桂馬を活用しやすそうなので、桂馬の交換の展開は先手にとってはあまり面白くなさそうです。

最初の局面図の△4四歩に▲2九飛なら△4二銀▲2四歩△同歩▲同飛△3五歩でソフトの評価値+167で互角。

この手順は▲2九飛と手待ちをしてから2筋の歩の交換を狙いました。

△4二銀は2筋を明け渡す受けなので浮かびにくいです。

2筋の歩を交換してから△3五歩が狙いの手です。

桂頭を歩で狙うというのはよくあるのですが、このタイミングで突くのが少し見えにくいです。

①△3五歩に▲3四飛なら△4三銀▲3五飛△3三桂で、ソフトの評価値-787で後手有利。

この展開は先手の飛車が狭く活用しにくいです。

②△3五歩に▲同歩なら△5九角▲4七金△3六歩▲同金△4八角成▲6八金で、ソフトの評価値+160で互角。

この手順は△5九角から馬を作る形で、先手は少し駒がばらばらになるので互角とはいえ指しにくいです。

③△3五歩に▲2六飛なら△2五歩▲同桂△5九角▲3七角△3六歩▲同飛△4三銀▲4五歩で、ソフトの評価値+145で互角。

この手順は▲2六飛で3六の地点をカバーしますが、△2五歩から動く展開でいい勝負のようです。

結局△3五歩もなかなかの手だったようで、見た目以上に油断ならない手のようです。

結局最初の局面図で▲4五歩で自信がなければ、先手は手待ちで駒組みを変えることになりそうです。

見た目以上に意外と大変だったのが参考になった1局でした。

右玉に対する駒組み

上図は、角換わりからの進展で△7二玉と寄った局面。ソフトの評価値+59で互角。

6二の玉が△7二玉とした形です。

自分は角換わりで先手では▲5八金型をするのが多いです。

今は▲4八金型が主流なのですが、低い構えから急戦形をめざすことが多くできるだけ玉の近くにいる▲5八金を採用しています。

大会などでも角換わり腰掛銀で相手が右玉にされることが意外とあります。

受けに自信がないと指せない指し方ですが、右玉をとがめるというのも結構難しいです。

特に大会の切れ負け将棋などで右玉をされるととがめるのにプレシャーがかかります。

右玉に対してどのような方針をたてるかが毎回これを悩みます。

ある程度攻める形の駒組みにしたいのが理想ですが、相手が右玉だと受けに専念する形なので無理攻めをしやすいです。

無理攻めをすると相手にもたれるような指し方をされて、勝負どころがなくなるケースがあります。

また仕掛けるのは難しいと思って最悪千日手を選択することもありそうですが、お互いの時間が減った状態から指し直しということになります。

先手番だと千日手にして持ち時間が減るというのは作戦的に面白くありません。

これらより右玉にこられた場合はある程度事前に方針を決めてから指さないといけないと思い今回調べることにしました。

自分が気になっているのは、後手からいつでも△4四銀~△5五銀とする筋の受け方です。

それに対して先手がどのような駒組みで迎え撃つかです。

実戦は▲2九飛△5四歩▲4八金で、ソフトの評価値-40で互角。

この手順は4七の銀をそのままにして▲2九飛~▲4八金に組み直す展開ですが、駒組みが右と左に分かれます。

4七の銀を保留したのは▲5六銀とすると将来△5五銀とされる筋があるのでその対応が面倒なので避けたのですが、中央がやや手薄になった感じです。

序盤の早い段階で指し手があまり前に向いていません。

最初の局面図で▲2九飛では▲5六銀がありました。

▲5六銀△5四歩▲8八玉△6二金▲4八金で、ソフトの評価値+80で互角。

この手順は腰掛銀から▲8八玉と入城する形です。

▲7九玉より▲8八玉の方が一般的にはしっかりしているイメージがあります。

後手は△5四歩~△6二金と自陣の整備ですが、▲4八金とします。

右玉に対して▲5八金型か▲4八金型か迷うところですが、将来的に相手からの角の打ち込みに備えるなら▲4八金型の方が打ち込み箇所が少ないです。

▲4八金に△4四銀なら▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2九飛で、ソフトの評価値+92で互角。

この手順の△4四銀は狙いの手ですが、先手は2筋の歩の交換があります。

歩の交換から▲2九飛と引いてこれが▲4八金とのいい組み合わせです。

①▲2九飛に△3五歩なら▲同歩△同銀▲4五桂で、ソフトの評価値+91で互角。

この手順の▲4五桂に△4四歩なら▲1七角△2四角▲3六歩△4六銀▲4四角で、ソフトの評価値+780で先手有利。

なお△3五歩に▲4五歩なら△5五銀▲同銀△同歩▲3五歩△4七銀▲4九金△5六歩で、ソフトの評価値+25で互角。

②▲2九飛に△3三桂なら▲9八香△5五歩▲6七銀△5二金▲9九玉で、ソフトの評価値+236で互角。

③▲2九飛に△5五銀なら▲同銀△同歩△4四歩▲7五歩で、ソフトの評価値+123で互角。

この手順の▲7五歩に△同歩なら▲7四歩△同銀▲5四角の狙いです。

なかなか変化が多くて大変ですが、最初の局面図からは▲5六銀~▲8八玉~▲4八金として△4四銀には2筋の歩の交換を狙って▲2九飛と引くのが急所のようです。

右玉に対する駒組みが参考になった1局でした。

桂馬を守るため歩を突いて辛抱する

上図は、先後逆で相掛かりからの展開で▲7四歩と歩を取った局面。ソフトの評価値+892で先手優勢。

駒割りは飛車と角香の交換で後手が少し駒得していますが、後手は龍の働きがいいのと持ち駒に飛車があるので先手優勢のようです。

後手としては苦しい局面ですが、まだ寄せの段階ではありませんので粘り強く指すしかありません。

実戦は▲7四歩以下△8二香▲4五龍△2九馬で、ソフトの評価値+1752で先手優勢。

この手順の△8二香は▲4五龍をうっかりしていたミスですが、その後の△2九馬で桂馬の取り合いになります。

この手順だけだと駒の損得はありませんが、形勢は大差になってきました。

働きのいい4五の桂馬と働きの悪い2九の桂馬がお互いの持ち駒に変わるのですが、後手としては働きのいい桂馬がなくなることが痛いです。

単純な駒の取り合いは駒割り計算でできますが、それに形勢判断を考える必要があり4五の桂馬を簡単に取らせてはいけないと思ったらそれを守る手を考えるべきでした。

△8二香では△4四歩がありました。ソフトの評価値+926で先手優勢。

この手順は△4四歩と桂馬を守る手ですが、地味ながらこのように指すしかなかったです。

後手だけの理想を言えば△2九馬とか、持ち駒に歩が入れば△3七歩と垂らすとか、△5四香と打って手をつなぐ感じでした。

現実的にはなかなかこのような展開にはなりませんが、先手にとっても嫌な形にしないと指しようがありません。

4五の桂馬がいる間に少しでも手を広げていく感じでした。

△4四歩以下▲2一飛△8二香▲7五龍△2二角▲6五桂△3一金▲2二飛成△同金▲6四角で、ソフトの評価値+1097で先手優勢。

この手順は▲2一飛と打って▲1一飛成を狙います。

△8二香と打って自陣を少し堅くして△2二角と辛抱します。

香車を取らせないという意味ですが、▲6五桂には△3一金として飛車と角の交換を狙います。

▲2二飛成△同金で後手陣形もばらばらになりますが、持ち駒に飛車が入りました。

以下▲4六角がうまい手で、先手は飛車と角の交換になっても指せるという判断のようです。

後手としては馬の利きが消えるのが痛く、最初の局面が後手は悪すぎて厳しいのでその後の展開も苦しいようです。

後手としては馬と4五の桂馬が盤上から消えると攻め味がなくなってきます。

先手からはいつでも▲7三歩成と攻める筋が残っており、それが後手玉の近くなのであたりが強いです。

そのような意味で後手は最善を尽くしても厳しい状況だったようですが相手が精度のいい手を指した場合なので、それ以外の展開になればチャンスはあったかもしれません。

桂馬を守るため歩を突いて辛抱するのが参考になった1局でした。

意外なところから攻めを継続する

上図は、先後逆で相掛かりからの展開で▲8七同金と歩を取った局面。ソフトの評価値+115で互角。

後手が△8七歩と打った手に△同金と取った形です。

相掛かりは展開によっては矢倉や角換わりなどに進展することもありますが、本局は横歩取り風の展開になりました。

序盤の早い段階で△3三桂と形を決めたことで動きの早い将棋にしました。

飛車交換になっておりお互いに飛車の打ち込みが気になる形です。

対局中は▲8七同金と少し形を崩したので飛車の打ち込みを優先した方がいいと思って飛車を打ちましたがちょっとタイミングが早かったようです。

実戦は△7八飛▲5八玉△4五桂▲4八銀で、ソフトの評価値+940で先手優勢。

この手順は玉に直通する2段目に飛車を打って以下△4五桂と跳ねる形です。

以下▲4八銀と5七の地点を補強しますが、やや単調な攻め方だったようです。

攻めが飛車と角と桂馬の3枚だけで攻めているので、上手に攻めないと切れ模様になります。

飛車の打ち込み箇所はかなり重要なので、まずは安い駒を活用して相手の駒組みを見てから考えた方がよかったようです。

△7八飛では△4五桂がありました。

△4五桂に▲6五桂なら△8九飛▲5八金△2七歩成▲同歩△5七桂成▲同銀△2八歩で、ソフトの評価値-351で後手有利。

この手順は△4五桂と跳ねる手ですが、いつでも△5七桂成を狙っています。

現状は5七の地点は先手の玉と銀の2枚が利いているので攻め倒すのは大変です。

それで▲6五桂と先手は攻め合いに出ましたが、△8九飛と遠くから打ちます。

次は△5七桂成▲同銀△同角成▲同玉△4九飛成が狙いです。

よって▲5八金と上がりましたが、△2七歩成~△5七桂成~△2八歩がうまい攻め方です。

歩を使った攻めができると攻め方が増えて厚みが増します。

なお△8九飛と打つところでは△6九飛もありそうですが、△8九飛の方が将来△8八飛成と角を取る筋も残っており角が質駒になっています。

ちょっとの違いですが、このあたりも意識しながら指し手を選択したいです。

△4五桂に▲5八金なら△2七歩成▲同歩△8九飛▲5九飛△8八飛成▲同金△1五角▲4九玉△3七桂不成で、ソフトの評価値+39で互角。

この手順は全く浮かびませんでしたが、あまり見ない形なのでどこが急所かが分かりにくいです。

▲5八金と5七の地点の補強は自然ですが、△2七歩成~△8九飛が見えません。

△8九飛だけなら浮かぶかもしれませんが、△2七歩成を入れるのは数手先を考えてないと指せないです。

△8九飛に▲5九飛も受けとしては自然で、△同飛成なら▲同金で形よく受けることができます。

▲5九飛には△8八飛成~△1五角が継続手で、数手前に△2七歩成としたのは△1五角が王手になる意味でした。

△1五角に▲3八玉なら△5七桂成▲同銀△5九角成▲同金△5七角成があります。

よって△1五角に▲4九玉と逃げたのですが、△3七桂不成が鋭いです。

大駒だけの攻めでは単調になりやすいのですが、桂馬を活用することで幅が広がりました。

これでも互角のようですが、手の作り方としては鋭いです。

意外なところから攻めを継続するのが参考になった1局でした。

飛車交換から寄せを目指す

上図は、先後逆で先手角交換振り飛車からの進展で▲7八金とした局面。ソフトの評価値-560で後手有利。

6八の金が▲7八金と寄って△8七角を防いできました。

駒割りは角と銀の交換で後手が駒得ですが後手は歩切れです。

対極中は少し後手が指しやすいと思っていましたが、その後の方針がよく分かりませんでした。

実戦は△6六角だったのですが以下変化手順で▲5八歩で、ソフトの評価値-279で互角。

この手順は△6六角と打って△5七桂成と△9九角成の両方の狙いで手が繋がったかと思ったのですが、▲5八歩と打つ変化手順がありました。

▲5八歩は△5七桂成を防ぐ手ですが、飛車の利きを止める手でもあり指しにくいです。

また△9九角成とされそうですが▲7七桂で、ソフトの評価値-265で互角。

この手順は▲7七桂と跳ねた手が馬取りと6五の桂取りになるので後手としても嫌な形です。

後手が攻め急いでいるような展開で、もつれてきそうな感じです。

△6六角では△3一玉がありました。

△3一玉▲6三歩成△同歩▲6七歩△7三歩▲同銀成△5四飛で、ソフトの評価値-541で後手有利。

この手順は全く浮かびませんでした。

△3一玉は玉の整備ですが、△4二玉と△3一玉のどちらがいいかは何とも言えません。

△4二玉型だと将来▲3四桂が王手になりますし、△3一玉型だと一段飛車が王手になります。

▲6三歩成~▲6七歩は少し分かりにくい手ですが、△4九角成の筋を消すと同時に▲5六飛と浮く手が角取りになります。

後手の△7三歩も最初は意味が分からなかったのですが、▲同銀成とさせて△5四飛が強い手です。

美濃囲いの振り飛車に居飛車から飛車交換を目指す手で、これで居飛車が指せるという感覚が浮かびませんでした。

飛車交換になるということは局面が大きく動くということで、手の可能性が大きくなります。

△5四飛▲同飛△同歩▲8一飛△2二玉▲9一飛成△5七桂不成で、ソフトの評価値-850で後手優勢。

この手順は飛車交換から△2二玉とする手で、これが△3一玉とした効果だったようです。

後手の△2二玉というのが意外としっかりしているという感覚ですが、後手は歩切れなのでそこまで堅いイメージはありません。

▲9一飛成に△5七桂不成が狙いの手だったようです。

△5七桂不成に▲5九金なら△6五角▲3九香△5六角打▲6一龍△4九飛で、ソフトの評価値-50000で後手勝勢。

この手順の▲5九金は後手からの飛車の打ち込みを消す手ですが、次の△6五角が全く見えていませんでした。

持ち駒の大駒でなく盤上の駒を活かす手で、先手は守り駒が少ないのでいつでも△3八角成と切ることができます。

▲3九香はその受けですが、△5六角打~△4九飛が先手玉と直接狙う手で鋭いです。

自分は△5六角打では△5五角を考えていたのでまだだいぶ甘いようです。

△5七桂不成に▲3九金なら△5八飛▲3六香△7八飛成▲3二香成△同玉▲3一金△3三玉▲4一龍△6五角▲3二龍△2四玉▲5二龍△3八角成▲同金△3九銀▲同玉△4九金▲2八玉△3九角▲1八玉△3八龍まで詰みです。

この手順は△5八飛と2段目に飛車を打つのが盲点でした。

自分は1段目かと思っていたのですが、2段目に打つのは先手玉を間接的に睨んでいるのと7八の金取りです。

先手も▲3六香から後手玉に迫ってきますが、△6五角が詰めろになっていました。

このような何気ないところも、できるだけ短い時間で分かるように身につけたいです。

飛車交換から寄せを目指すのが参考になった1局でした。

攻め合いが無理なので受けに専念する

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△9六歩と打った局面。ソフトの評価値-1041で後手勝勢。

穴熊の弱点は端ですが、△9六歩と叩きてきました。

▲同香とすれば△9七歩とされてかえって後手の攻めが早くなると思って▲9二銀と打ったのですが、これがあまりよくなかったようです。

実戦は▲9二銀△同香▲同歩成△9七歩成で、ソフトの評価値-2007で後手勝勢。

この手順は9二の地点にと金ができて少しあやが出たと思いましたが、読み直してみると後手玉に寄りはありません。

△9七歩成とされた手が詰めろのになっており、▲同銀としても△8七桂以下寄り筋です。

後手陣に寄りがあれば△9六歩を無視して攻める手はあったようですが、寄りがない場合は受けに回らざるを得なかったようです。

△9六歩には▲同香がありました。

△9六歩▲同香△9七歩▲8七銀打で、ソフトの評価値-1000で後手優勢。

この手順は▲9六香は受けるならこれしかありません。

△9七歩は詰めろではありませんが、次に△7八龍~△9八金の詰み筋を狙っています。

また△9七歩に▲同銀は△8七桂で、▲同金なら△9八歩▲8九玉△9九飛まで詰みです。

△8七桂に▲9八玉なら△9九飛▲8七玉△9八角▲7七玉△7六角成▲同金△9七飛成▲8七桂△7六銀▲同玉△5六龍▲6六歩△6五銀▲7七玉△6六龍まで詰みです。

△8七桂には▲8八玉で先手玉に即詰みはなさそうですが、△7九桂成とされると自玉は受けなしで後手玉は詰みません。

よって△9七歩には▲8七銀打として受けるしかなさそうです。

▲8七銀打とすると後手玉に迫る戦力が少なくなりますが、先手は攻め合いをするような局面ではないので自陣の駒を埋めるしかなさそうです。

▲8七銀打以下△6九角▲6八金引△7八角成▲同金△7六銀▲4三角で、ソフトの評価値-1238で後手優勢。

この手順は▲8七銀打に△6九角と打って次に△7八角成▲同銀上△同龍▲同銀△9八金を狙う筋です。

▲6八金引はその筋を受けた手で、以下△7八角成~△7六銀と迫ります。

△7六銀は▲同銀なら△9八金の詰みですが、△7六銀に▲8一角としても△9八金▲同銀△同歩成▲同玉△8七銀打で、ソフトの評価値-99978で後手勝勢。

△8七銀に▲8九玉なら△7八龍▲同銀△7七桂▲7九玉△7八銀成▲同玉△6七銀▲7九玉△7八金まで詰みです。

また△8七銀に▲同銀なら△同銀成▲同玉△7五桂▲9七玉△8七飛▲同金△同桂成▲同玉△9八銀▲7六玉△7五歩▲同玉△5五龍▲6五飛△7四金▲7六玉△6五龍▲7七玉△6七飛▲7八玉△8七飛成まで詰みです。

よってこれらを受けるには▲4三角と自陣に埋めるのでなく遠くから角を利かす手で、自陣に馬を作る形を目指して粘るしかなさそうです。

後手からの9八の打ち込みを少しでも和らげるような受け方です。

この展開は攻め合いになりませんので後手からうまい寄せがあればそれまでですが、攻め合いを目指しても後手の攻めの方が厳しいので受けに専念するしかなさそうです。

先手としては受けだけなので面白くありませんが、後手も正確に寄せるというのもそれなりに大変なので受けて辛抱するようです。

攻め合いが無理なので受けに専念するのが参考になった1局でした。

勝勢の局面で受けに回って攻め駒を増やす

上図は、先後逆で先手5筋位取り中飛車に後手△7三銀からの超速の進展で▲1五銀とした局面。ソフトの評価値-2883で後手勝勢。

2六の銀が▲1五銀とした形です。

将棋で相手玉に即詰みがない状態でも形勢に差が開けば勝勢となるケースがあります。

将棋は相手玉を詰まして勝つというのが多いのですが、攻め駒が足らない状態で決めにいくとすっぽ抜けることがあります。

自分はよくこれをするのですが、本局も受けより攻めの気持ちが強かったようです。

実戦は▲1五銀以下△2五香打▲2四銀△同歩で以下変化手順で▲同金で、ソフトの評価値-5051で後手勝勢。

この手順の△2五香打は△2七香成以下の詰めろで、以下▲2四銀とされて詰めろは消される形です。

後手玉はまだ安全で勝勢なのでこれでもよさそうですが、△2五香打はソフトの推奨手ではありませんでした。

最終盤の勝勢の局面になると色々な手が増えてきて、どの手を選択してもそれなりに形勢はいいということがあります。

そのような意味で個性が出やすいのですが、このような局面で受けに回るのがソフトの選択でした。

△2五香打では△3三香がありました。

△3三香に▲2三桂成なら△同銀▲同金△同玉で、ソフトの評価値-50000で後手勝勢。

この手順は△3三香と打って受けに回る手で、攻め駒を対抗するという形です。

先手の攻め駒を排除すれば自然に後手玉が安全になって持ち駒が増えて戦力になるという意味のようです。

自分は気持ちに余裕がないのかこのような指し方がなかなか浮かびません。

玉の危険度が理解できていないということだと思いますが、なかなか癖というのは直りません。

棋風というか性格というか丁寧に受けに回ることが好きでないようです。

△3三香に▲2三桂成から清算するのは、△2三同玉と取った形が先手玉に詰めろがかかっています。

△2三同玉は次に△3七歩成▲同歩△同香成▲同桂△同成銀▲3九玉△2八金までの詰めろです。

この手順は後手の持ち駒に金と桂馬が入ったので△3七歩成以下の詰みが発生します。

また△3三香と自陣に打った香車が寄せに役立っています。

なお△2三同玉に▲4八銀と受けに回っても以下△3七歩成▲同歩△同香成▲同銀△同成銀▲同桂△3六桂▲3九玉△2八金までの詰みです。

3七の地点に攻め駒と受け駒が集まっており読みが分かりづらくなりやすいのですが、数でカウントすると整理しやすいかもしれません。

3七の地点の攻め駒は龍と成銀と香車と歩の4枚で、受け駒は玉と銀と桂馬と歩の4枚です。

4対4の関係なので先に盤上の駒で攻めたら1枚足らないことになります。

しかし持ち駒に桂馬があると△3六桂と王手をする筋があるのでやや特殊なケースです。

自分は頭の中で取って取ってを繰り返して考える癖があるので、時間もかかるし何度か確認しないとすっぽ抜けることもあります。

この癖も簡単には直らないので、余裕があれば枚数で頭の中で計算して寄せてみたいです。

△3三香に▲同金なら△同馬▲5四香△3七金で、ソフトの評価値-99990で後手勝勢。

この手順は▲3三同金~▲5四香で形作りみたいな手の流れです。

▲5四香には△3七金と打っての詰み筋がありました。

△3七金以下▲同歩△同歩成▲同桂△同成銀▲3九玉△4七桂▲2九玉△2七香不成▲1八玉△2八成銀まで詰みです。

3七の地点の攻め駒は龍と成銀と歩の3枚に金が加わって4枚で、受け駒は玉と桂馬と歩の3枚です。

4対3の攻めなので3七の地点は攻め駒が突破できそうです。

▲3九玉に△4七桂が継続手で、以下△2七香不成~△2八成銀まで詰みです。

やさしい寄せですが、これをできるだけ短い時間で頭の中で並ぶようにしたいです。

勝勢の局面で受けに回って攻め駒を増やすのが参考になった1局でした。

飛車と角の交換から踏み込んで指す

上図は、先後逆で先手5筋位取り中飛車に後手△7三銀からの超速の進展で▲5四同飛と歩を取った局面。ソフトの評価値-270で互角。

実戦は△6五桂としました。

この展開も知って損はなさそうですが、ソフトは△6五桂では△8六歩を推奨していました。

△8六歩は将来の▲9五角の幽霊角を消すという意味があります。

中飛車は9五角の形から▲6四飛△同歩▲7三角成とする手があります。

飛車と銀の交換で駒損でも▲7三角成として飛車取りにされるとうるさいです。

飛車を持っても相手の陣形が低いと飛車の打ち込みのスペースが少ないので、攻めるのに時間がかかります。

△8六歩に▲同歩なら△8八歩で、ソフトの評価値-377で互角。

この手順は▲8六同歩には△8八歩がありました。

全く別の形で▲8六同角に△8八歩▲7七桂△8九歩成という攻め方はあるのですが、▲8六同歩に△8八歩が盲点です。

△8八歩以下▲同角△8六飛▲7八金△8八飛成▲同金△4五角で、ソフトの評価値-332で後手有利。

この手順は▲7八金には△8八飛成と飛車と角の交換をする手が強い手でした。

▲8八同金に△4五角が先手の5四飛の形をとがめた手で、△6七角成を防ぐ▲5七飛には△6五桂がありました。

先手陣は金駒の離れ駒が多いのでこの攻め方が成立しているようです。

6九の金が▲7八金と閉まっていれば△8六歩の攻め方は成立しませんが、相手の陣形をよく見るのが大事なようです。

△8六歩に▲同角なら△同飛▲同歩△4五角で、ソフトの評価値-407で後手有利。

この手順は▲同角で問題なさそうですが、あっさりと△同飛と飛車と角の交換をしてから△4五角がありました。

△8六歩に▲同歩でも▲同角でも似たような攻め方ですが、△4五角と打って▲5七飛に△6五桂の攻め方が急所だったようです。

△6五桂以下▲同銀なら△同銀▲4六歩△5四角▲6六桂△5六歩▲5九飛△6六銀▲同歩△同角▲5六飛△2七角成▲同歩△3五桂▲2六玉△9九角成で、ソフトの評価値-1133で後手優勢。

この手順は△6五桂に▲同銀~▲4六歩と催促してきました。

△5四角に▲6六桂は角取りですが、△5六歩と抑えてから△6六銀とします。

以下▲5六飛と捌いてきたときに△2七角成が強い手です。

先手玉に即詰みはまだない状態で踏み込む手で、以下△3五桂が寄せの狙いです。

2七の地点が手薄だったのでこのような攻め方があるようです。

これが実戦で指せるかは攻め駒がもう少し欲しいので微妙ですが、狙い筋としては2七の地点が弱いのでそこを狙うという発想のようです。

持ち駒に香車とか桂馬があれば△2四香とか△3五桂と打って2七の地点を直接狙うのがありますが、手の流れで盤上の駒を使って△2七角成とするのがうっかりしやすいです。

飛車と角の交換から踏み込んで指すのが参考になった1局でした。

超速の王手飛車になる激しい変化

上図は、先後逆で先手5筋位取り中飛車に後手△7三銀からの超速の進展で▲5四同飛と歩を取った局面。ソフトの評価値-270で互角。

先手が5筋の歩を交換した形で、先手の飛車が4段目に出て歩を入手すると▲3四飛や▲7五歩のような筋が生じます。

この瞬間は後手にとっても大事な局面で次の指し手で大きく方針が決まります。

実戦は▲5四同飛以下△6五桂▲同銀△同銀▲2二角成△同玉で、ソフトの評価値-128で互角。j

この手順はほとんど何も考えずに△6五桂と跳ねました。

超速は色々と自分の中で調べると早めに桂馬を飛んだ方がいいということで桂馬を跳ねたのですが、自分の陣形をあまり見ていませんでした。

自分が良く指すのは先手だと▲7七銀~▲6六銀という形だったのですが、本局は△4二銀のままでした。

この違いを全く意識しておらずただ桂馬を跳ねればいいと大雑把な理解をしていたので、実戦のような角交換になるような展開を全く予想していませんでした。

結果的にはそこまで大きな被害はなく△2二同玉の局面は互角だったようです。

△2二同玉以下実戦は▲5五角△3三角▲8二角成△5四銀で、ソフトの評価値-362で後手有利。

この手順は▲5五角の王手飛車からお互いに飛車を取り合う展開で、これも仕掛けた局面からは全く予想していなかった展開ですが、部分的には似たような指し方も棋譜並べをした記憶がありました。

やはり棋譜並べをしても自分で指さないことにはいまひとつ理解できてなかったです。

先手が4九の金が浮いている影響もあるのか、この展開は後手有利だったようです。

なおソフトは△2二同玉には▲5五飛を推奨しており、以下△7六銀▲5六飛△6七銀不成▲6六飛で、ソフトの評価値-227で互角。

この手順は先手は後手の銀を追い廻してから▲5五角の王手飛車を狙う形で、後手の銀の働きが微妙なのでこの展開は有力だったようです。

なお最初の局面図から△6五桂には▲9五角がありました。ソフトの評価値-82で互角。

この形の▲9五角はうっかりしやすい手です。

▲9五角は次に▲3四飛△3三銀▲6四飛△同歩▲7三角成のような狙いです。

自分は▲9五角のような手は調べていたつもりですが、やはり対局中になると浮かびにくいような手の部類のようです。

このような手が直ぐに浮かぶようにしないと調べたことにならないのですが、まだ自分の中で消化できていないようです。

この手が生じるのを防ぐには別の将棋で△6五桂と跳ねる前に△8六歩と突き捨てるのも調べていましたが、桂馬を先に跳ぶか歩を突き捨てるのかの局面の違いをまだ理解できていないようです。

△8六歩については別の機会に調べてみたいと思います。

本局は局面の違いを全く意識していなかったので、勉強になるいいきっかけになりました。

超速の王手飛車になる激しい変化が参考になった1局でした。

飛車を打ってからの迫り方

上図は、先後逆で相居飛車からの進展で▲4七同玉と成銀を取った局面。ソフトの評価値+721で先手有利。

この局面は後手が金桂の駒損で、さらに次に▲4二とで王手で金を取られるので普通は後手が勝てません。

後手から△6六飛と銀をとり返す手はありますが、▲4二と△同玉▲6六角成で飛車を取られます。

そのような意味で後手が少し苦しい局面ですが、先手玉が少し薄いのとここで後手の手番なのでどの程度迫れるかという形です。

後手の持ち駒に飛車があるのでどこに飛車を打つかという局面とも言えそうです。

実戦は△4九飛▲5八玉△2九飛成に変化手順で▲2三角で、ソフトの評価値+3083で先手勝勢。

この手順の△4九飛は1段目から王手で飛車を打って以下桂馬を拾う展開です。

龍を作って少しでも駒損を回復してどうかと思っていましたが、これは大したことがないようで▲2三角と王手をする手がありました。

後手が3二の地点に合駒をしても取られる形なので△5二玉としますが、以下▲4二と△同玉▲3一角成△5二玉▲7二金で、ソフトの評価値+4015で先手勝勢。

この手順は▲2三角から攻め駒を増やす手で駒得をしながら▲7二金と挟撃態勢の形になり先手勝勢のようです。

片方から寄せでなく両サイドから攻める形になると後手玉はもちません。

これらは△4九飛と打った手が甘かったのでこのようになりましたが、最初の局面図は先手有利の範疇なので後手もそれなりの手があったようです。

△4九飛では△2七飛がありました。

△2七飛▲5八玉△4七銀で、ソフトの評価値+464で先手有利。

この手の△2七飛は3段目から飛車で王手をする手で、先手は3七の地点で合駒をする適当な駒がありません。

よって▲5八玉とするのですがそこで△4七銀という手がありました。

△2七飛~△4七銀という組み合わせはぱっと見で浮かびにくいです。

まず△2七飛▲5八玉に後手は駒を取って龍を作るのには手数がかかります。

2八のと金が邪魔をして△2九飛成とできないという意味ですが、△2七飛~△4七銀という組み合わせは全く別の狙いがあったようです。

この△4七銀というのも後手の飛車の利きに金駒を打つ手でさらに見えにくいです。

飛車の利きが一時的にかくれるという意味で働きが弱くなっているイメージがあります。

しかしこれが意外な狙いがありました。

△4七銀に▲6七玉なら△6六飛▲同玉△5六銀成▲同銀△5五銀打まで詰みです。

この手順はうまくいきすぎですが、△4七銀と打って飛車の利きを一時的にとめるのは▲6七玉とする可能性がでてきます。

後手はどこかのタイミングで△6六飛とうまく銀を取りたいです。

そのため△4七銀とかげを作ることで▲6七玉と6六の銀を守るならそこで△6六飛がありました。

以下▲同玉△5六銀成▲同銀△5五銀打でぴったり詰みです。

2七の飛車の利きを通すには△5六銀成とする手がうまい手でした。

これは後手の理想的な展開なのでこのようにはなりませんが、手の組み合わせとしては面白いです。

真ん中の局面図の△4七銀に以下▲6八玉△6六飛▲6七銀で、ソフトの評価値+567で先手有利。

この手順は▲6八玉と逃げて△6六飛に▲6七銀と打つ形です。

後手は△6六飛と王手で銀を取って迫ります。

先手は歩切れだったので▲6七銀と受けますが、これで後手の手が続くかどうかという展開だったようです。

これでもまだ先手有利のようですが、最初の局面図からは後手はこのように迫るというのが参考になります。

▲6七銀以下△5八銀成で▲同玉なら△6九銀とどうかという形のようです。

飛車を打ってからの迫り方が参考になった1局でした。