上図は、相居飛車力戦形からの進展で△7六歩と打った局面。ソフトの評価値+1870で先手優勢。
局後の評価値を見るとかなり先手優勢で、むしろ勝勢に近いような形勢でした。
しかし、対局中は相当先手がまずいと思っていたのでこの局面も全く形勢判断ができていませんでした。
昔から自玉を攻められるのはまずいと思う傾向で、相手の攻めに対して受けが対抗できるのであれば有利になるのですが、その手順が見えないとかなり形勢を悲観しているようです。
本局は先手が攻められているのに対して、後手玉への攻めがいまひとつな感じです。
△7六歩の時点では先手が桂得ですが、7七の桂馬は取られそうです。
また▲6三馬とする手もありそうですが、△7七歩成▲同銀△6五飛とされると以下△6三飛で馬が取られます。
また先手が後手玉を攻めようと思っても戦力不足で駒が足りません。
そのような意味で、先手が慌てて手を作ろうとするとかえってまずいようです。
実戦は▲4三歩だったのですがこれも慌てて指したような手で指し手に全く余裕がありません。
棋力の部分もそうですが、メンタル面ももう少し強くしないと将棋が単調になりやすいです。
▲4三歩では▲8三成桂がありました。
▲8三成桂△5一角▲1一と△7四銀で、ソフトの評価値+1766で先手優勢。

この手順は▲8三成桂とする手で、この手は全く見えていませんでした。
後手は△5一角と逃げるのですが、これで角の攻めの利きが止まります。
△5一角の次の手が難しいと思っていたのですが、▲1一とで香車を補充する手がありました。
と金で香車を取るのは自然なのですが、対局中は盤面の左ばかりを意識して右側は全く見えていませんでした。
後手は△7四銀と遊んでいる銀を攻めに活用してきますが、この手は△8三銀と成桂を取る狙いもあります。
現状この局面を見ると後手から△6六歩と打たれる筋や△7七歩成と桂馬を取られる筋はあるのですが、持ち駒は歩だけなのですぐに先手玉が寄せられるというのはなさそうです。
先手玉は3段玉だから少し危険なようにも見えるのですが、これが2段玉だったらそこまでは感じないようです。
△7四銀以下▲5六香△6六歩▲6八玉△8三銀▲5四香△4四銀上▲9一馬で、ソフトの評価値+2264で先手勝勢。

この▲5六香は補充した香車を使う手で、金取りと同時に5筋の受けにも役立っているようです。
後手は△6六歩と歩を叩いてきましたが、▲6八玉とされると攻めの手が続かないようです。
△8三銀は桂馬の補充ですが、▲5四香で金を補充します。
▲5四香に△同歩なら▲同馬が攻防の位置になるので△4四銀上としましたが、さらに▲9一馬と香車も補充します。
この局面はだいぶ先手が駒得をしたのですが、後手玉はまだ詰むまでには手数がかかります。
しかしこの局面は先手勝勢のようです。
自分は評価値が勝勢というとつい相手玉に寄り筋があると思ってしまうのですが、寄り筋までまだ手数がかかるような局面でも駒得や玉の固さや駒の働きによっては形勢が大差で勝勢ということもあるようです。
駒得なので相手の攻めをあまして受けて、その反動で攻めて勝つというイメージのようです。
このあたりの感覚を身につけないと指し手の幅が広がらないようです。
時間のないような将棋だと、このような局面も慌てて指して形勢を損なうということも多いので少しずつポイントを上げるような気持ちで指した方がいいのかもしれません。
相手玉にまだ寄り筋がなくても勝勢なのが参考になった1局でした。