少し指しにくい指し方で辛抱する

上図は、先後逆で先手5筋位取り中飛車からの進展で、▲7五歩と突いた局面。ソフトの評価値+56で互角。

後手が△7三銀からの超速を狙った手に先手が金駒を押し上げた形になったので、後手は急戦を断念しました。

後手が急戦を断念しても千日手模様にして先手に動いてもらうようにしました。

後手の作戦的には面白くないのかもしれませんが、先手に打開してもらうというのもそれなりプレシャーがあるかと思って選択しました。

先手の▲7五歩は軽いジャブですが、後手の桂頭を狙う手です。

8四に飛車がいるので桂頭は現状守られているのですが、7四の地点に空間があくと後手もしても嫌な形です。

対局中はできるだけ早めに7三の桂を捌いた方が後手は桂馬の負担がなくなると思って△6五銀としましたがあまりいい手ではなかったようです。

実戦は▲7五歩以下△6五銀▲同銀△同桂に変化手順で▲5六金寄で、ソフトの評価値+391で先手有利。

この手順は銀交換になって桂馬が5段目まで跳んで悪くないかと思っていましたが、この場合は▲5六金寄という手がありました。

▲6五金と桂馬を補充すると同時に先手の6八の角の利きが通り将来▲2四角のような筋も生じます。

普通は守りの金が玉より少し遠くなるのは玉が薄くなってよくないことが多いのですが、▲5六金寄はそこまで違和感はないようです。

▲5六金寄に△8八歩とするのは後手が歩切れになって指しにくいです。

また△8八角成として△9八馬や△8九馬と桂馬や香車を拾う手もありそうですが、馬の働きが一時的に弱くなりそうなので少し選択しづらいところはあります。

最初の局面図からの▲7五歩に△同歩とする手がありました。

▲7五歩△同歩▲7七角△7六歩▲7五銀で、ソフトの評価値+77で互角。

この手順は△7五同歩と辛抱する手で、これで局面が落ち着けば後手も少し楽になります。

△7五同歩に▲7七角が見えづらい手です。

▲7七角に△7六歩として先手の角が逃げると先手が手損になるように見えます。

そのような意味で▲7七角は指しにくいのですが、後手の2二の角が浮いている形なのでそれを狙うという意味もあるようです。

2二の角が浮いているのは数手前に後手が3二の玉を△4一玉と引いたためこのようになりました。

△7六歩とした手には▲7五銀という大技がありました。

一時的に銀のただ捨てなのですが、飛車取りと角取りになるのが狙いです。

▲7五銀に△同銀なら▲8四飛△同銀▲2二角成で、ソフトの評価値+2766で先手勝勢。

これが先手の理想的な展開で、飛車と角が捌けて次に▲3一飛の詰めろなので先手勝勢です。

▲7五銀に△7七歩成なら▲8四銀△6五桂▲7五銀△5三銀▲7四飛△6七とで、ソフトの評価値+127で互角。

この手順は△7七歩成として飛車と角の交換になります。

後手は一段玉なので飛車に弱い形ですが、将来△5一歩として辛抱する指し方です。

どこかのタイミングで△3二玉と態勢を立て直すこともありそうで、これでどうかという形です。

飛車を渡すのはやや不本意ですが、本局場合はやむを得ないようです。

本局はあまり見ないような形からの動きなのであまり参考にならないかもしれませんが、このような展開もあると理解できたのはそれなりに大きいです。

少し指しにくい指し方で辛抱するのが参考になった1局でした。