玉を直接でなく遠回りに攻める

上図は、先後逆で先手5筋位取り中飛車からの進展で、▲5五銀と打った局面。ソフトの評価値-1259で後手優勢。

後手が△4六金と打った手に▲5五銀打と打ってきた形です。

後手は角と5四の桂と4六の金で攻めていますがもう一押しがほしい形です。

うまく攻めれば先手玉を寄せ形にもっていけそうですが、やや攻めが細いのでどのように手を繋げるかが意外と難しいと思っていました。

実戦は▲5五銀打に△2七銀▲4八玉で、ソフトの評価値-1302で後手優勢。

この手順の△2七銀は金駒を反対側に玉をもっていくつもりで指しました。

金駒がいない玉は守りが薄いということで先手は▲4八玉と寄ったのですが、意外にもこれはあまりよくなかったようで後手の攻め駒に逆に近づいたようです。

△2七銀には▲同玉として△4七金に▲3九桂で、ソフトの評価値-1010で後手優勢。

玉が薄いので簡単に寄せられそうな気もしますが▲3九桂と金取りに受けられると、後手も金駒だけの攻めなので意外とぎりぎりです。

ソフトは△2七銀は推奨していませんでした。

△2七銀では△4七金がありました。

△4七金▲同玉△6六桂▲同銀△7六銀で、ソフトの評価値-1220で後手優勢。

この手順は△4七金とあっさり金を取る手で▲同玉に△6六桂と銀と取ります。

先手は△6六桂に色々な取り方がありますが、▲同銀には△7六銀とするのが少し見えづらいです。

後手は持ち駒に金駒しかなく飛車が攻めに使えていませんのでやや単調ですが、先手の7七角を狙いに攻めるのがよさそうでした。

先手玉を直接攻めるのはとっかかりがないので、少し遠回りになりそうでも駒得を目指しています。

△7六銀以下▲7五桂△7七銀不成▲8三桂成△6八角▲7一飛△3二玉▲2四桂△同歩▲同歩△3七金で、ソフトの評価値-99982で後手勝勢。

この手順も興味深く早指しではまず指せない感じです。

後手の△7六銀に受けてもきりがないということで▲7五桂としましたが、そこで△7七銀不成と踏み込んで角を取ります。

先手は▲8三桂成と飛車を取りますが、そこで△6八角がありました。

△6八角は飛車取りですが、4六の地点から金駒を打つ狙いかと思っていました。

しかし金駒が2枚だけだとまだ先手玉は詰みません。

先手は▲7一飛と王手をしますが、△3二玉と玉を逃げます。

本来は5一に合駒をすれば手堅いのですが、安い駒がなく金駒を打っては攻めの戦力が少なくなります。

よって△3二玉としましたがこの形も決して安全ということはなく、先手に駒がたくさんあると3三の地点から王手をするような筋もあり油断できません。

△3二玉に▲2四桂の王手もあり、△同歩▲同歩の瞬間は後手玉に詰めろがかかっています。

▲2四同歩には△同角成とする手もありそうですが、△3七金として詰ましにいくのが見えづらいです。

▲2四同歩の形が受けなしなら詰ましにいくしかないので考えるかもしれませんが、受けることもできる局面で△3七金は見えづらいです。

△3七金に▲5六玉なら△4七銀で詰みです。

△3七金に▲同玉なら△5九角成▲4八銀△2五桂▲4七玉△4八馬▲同玉△3七銀▲5七玉△4六銀打▲5八玉△4八飛▲6九玉△6八銀成まで詰みです。

このような終盤力があればいいのですが、急所を外すともつれるようで時間が短い将棋でも手が見えるようにしたいです。

玉を直接でなく遠回りに攻めるのが参考になった1局でした。