飛車を大きく使って攻めの手を作る

上図は、後手ゴキゲン中飛車に先手▲3七銀からの超速の進展で△2四同歩とした局面。ソフトの評価値+568で先手有利。

先手が▲2四歩と打った手に△同歩とした形です。

先手はここまで後手の飛車は抑え込んでいますが、4九に馬を作られ次に△4四歩から桂馬を取られる筋があります。

△4四歩~△4五歩が間に合ってくると桂損で先手が駒損になります。

そのような意味でこの局面は先手が何か手を作っていかないといけない形で忙しいですが、この局面は先手有利だったようです。

実戦は▲5四歩△同飛▲5五銀右△7四飛▲7七歩△5二歩で、ソフトの評価値-744で後手有利。

この手順は▲5四歩~▲5五銀右と動いていったのですが、△7四飛の王手に▲7七歩とすると先手は歩切れになりました。

以下△5二歩と受けられて▲5三桂成の筋を消されると、先手としては方針が立てにくいです。

何か手がありそうな感じはしていましたが、実戦はいまひとつだったようです。

▲5四歩では▲2九飛がありました。

▲2九飛△3八馬▲2四飛△2三歩▲8四飛△8三歩▲5四飛で、ソフトの評価値+766で先手有利。

この手順は▲2九飛と馬取りにする手ですが、後手の馬が逃げるとすれば△3八馬とするしかありません。

△3八馬とすると将来△5八馬とされることが一時的になくなったのが大きいです。

△3八馬とさせて▲2四飛として△2三歩に▲8四飛と後手の玉頭の歩を取る手がありました。

△8三歩は自然ですが、そこで▲5四飛と飛車にぶつける手が強い手です。

普通は居飛車対振り飛車の将棋では居飛車から飛車交換にする筋は少ないのですが、後手は3八の馬がやや遊んでいるのと先手は5三の地点に駒が多く利いているのが大きいようです。

▲5四飛に△5二歩なら▲9五歩△同歩▲9二歩で、ソフトの評価値+716で先手有利、

この手順の△5二歩は飛車交換を拒否する手ですが、かなりつらい手です。

△5二歩には▲9五歩と端に手をつけるのがいいようです。

先手は2筋~8筋~5筋~9筋と手をつけて飛車を大きく使っています。

9筋の後手玉の近くであり、桂馬と香車は金駒と違ってそこまで守りが強くないので先手が指せているようです。

▲5四飛に△5四同飛なら▲同歩△5二歩▲5三歩成△同歩▲同角成で、ソフトの評価値+1390で先手優勢。

この手順は後手が飛車交換に応ずる手で以下△5二歩と受けて辛抱します。

5三の地点には先手は角と桂馬が利いているので▲5三歩成から攻めていきますが、△同歩に▲同角成と角から攻めるのが鋭いです。

▲5三桂成と安い駒から成るのが自然ですが、△6一金と引かれたときにそこからまた手を作って攻めるのが少し明快ではないようです。

▲5三角成に△6一金としても▲4三馬で▲2一馬や▲5三桂不成など狙いが多いです。

▲5三角成に△5一金なら▲3二飛で、ソフトの評価値+1987で先手優勢。

▲5三角成に△同金なら▲同桂成で、ソフトの評価値+1335で先手優勢。

どちらの手順も先手が攻めており先手優勢です。

本局は飛車を大きく使う形だったのですが、やはり盤面全体をよく見ることが大事なようです。

飛車を大きく使って攻めの手を作るのが参考になった1局でした。