上図は、後手雁木に先手左美濃からの急戦の展開で△2四銀と打った局面。ソフトの評価値-56で互角。
▲1五角と5九の角が王手をした手に△2四銀と打った形です。
△2四銀は角取りの銀ですが、後手から△8八歩や△9九角成など厳しい手があります。
そのような意味で先手はゆっくりできない形です。
先手は飛車と角の攻めだけでやや単調ですが、なんとかうまく手を繋いでいきたいです。
実戦は△2四銀以下▲3三歩△4三銀で、ソフトの評価値-564で後手有利。
この手順の▲3三歩は一時的に後手の2二の角の利きを止めようとするつもりで指したのですが、△4三金とされるのをうっかりしていました。
これで先手の飛車の働きがかえって悪くなったのと、角と飛車のどちらかが確実に取られる形なので先手の失敗です。
▲3三歩では▲7四歩がありました。
▲7四歩に△8八歩なら▲7三歩成△8九歩成▲同玉△7七歩成▲4四桂で、ソフトの評価値+462で先手有利。

この手順は▲7四歩と桂取りに歩を打つ手ですが、この手が意外と厳しいとは全く思っていませんでした。
先手の飛車が後手陣に直通しているので▲3二飛成を実現したいです。
しかし現状は7二に飛車がいるので△同飛とされます。
よって後手の飛車の横の利きをずらすような攻め方を考えるというのが第一歩のようです。
ただし、△2四銀に▲8三銀と直接飛車取りに打つのは△4二飛で攻めがぱっとしません。
▲7四歩というのは一見攻めが遅いようでも、▲7三歩成とすればと金ができて桂馬を補充してしかも飛車取りになります。
と金は元々は歩なので、相手に渡しても駒の損得にほとんど影響はでないです。
▲7四歩に△8八歩と攻め合いにきましたが、この手は先手玉の近くの攻めなのでうるさいです。
8九の桂馬がいなくなると△7七歩成がかなり危険な形になります。
このあたりは先手の受け方が問われそうな形ですが、△8八歩に▲7三歩成とするのが驚きました。
先手の受け方が見えないと攻めに踏み込めないという理由ですが、△8九歩成に▲同玉とするのもさらに驚きました。
▲8九同玉とすると△7七歩成が次に△8八との詰めろになります。
それに対してどうやって受けるのかと思っていましたが、▲4四桂が詰めろ逃れの攻める手でした。
飛車とか角とか桂馬などの飛び道具は自玉に詰めろがかかっていても、詰めろ逃れの攻防の手などが生じることがあり、この▲4四桂もそのような類の手のようです。
このような展開は受けの力も必要ですが盤面全体を見ないと指せないようで、自分の棋力では全く思いつかなかったです。
▲7四歩に△1五銀なら▲7三歩成△4二飛▲5三桂で、ソフトの評価値+916で▲先手優勢。

この手順の△1五銀と角を取るのは自然な手で、人間的にはこちらの方を最初に考えがちです。
△2四銀と角取りに打った銀なので、できるだけ早く△1五銀と角を取るのは手の流れから言えば最初に考えやすいです。
ただし△1五銀というのはこの場合はやや疑問のようで、このようなところが将棋の難しいところです。
△1五銀に対して▲7三歩成がかなり厳しく、△同飛は▲3二飛成がありますので△4二飛としてと金より遠くに逃げますが、そこで▲5三桂が見えづらいです。
▲5三桂では▲5三銀の飛車取りが最初に浮かびがちなのですが、△9九角成とされる後手玉は飛車をとっても意外と寄らないようです。
△9九角成に▲4二銀成△同玉に▲4四桂とするのは△8八角~△4四角成で桂馬が抜かれてしまいます。
▲5三桂と金取りに打つのが盲点で、△5二金なら▲3二飛成△同飛▲4一金まで詰みです。
▲5三桂に△5二玉なら▲6一桂成△4三玉▲3五銀で、ソフトの評価値+1091で先手優勢。
この手順は後手は金を捨てて△4三玉から先手の飛車に接近する受け方ですが、▲3五銀と抑えて先手が指せているようです。
自玉が危険でも踏み込んで指すのが参考になった1局でした。