接近戦の玉への迫り方

上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△6八龍とした変化手順の局面。ソフトの評価値-997で後手優勢。

実戦は7九の龍を△6八龍と指せなかったので変化手順ですが、ここからの展開がよく分かりませんでした。

よく片方が優勢のような局面でそれでよしで終わることが多いのですが、その後はどのような構想で指すのかがよく分からないケースがあります。

本局の変化手順の△6八龍で後手優勢でも後手玉はそれなりに危ない形をしているように見えます。

△6八龍に気になる手が2つあったので調べてみます。

1つは△6八龍に▲2五桂です。

△6八龍に▲2五桂なら△2四歩▲3三桂成△3二飛で、ソフトの評価値-99971で後手勝勢。

この手順の▲2五桂は自分が最初に浮かんだ手ですがソフトの候補手にも上がっていない手で、悪手のようです。

▲2五桂は次に▲3三桂成が厳しく△同桂なら▲2一金以下詰みますし、△3三同銀なら▲3一馬と飛車が取れます。

このようなときに後手がどのように寄せるのかを考えていたのですが、寄せは浮かびませんでした。

ただし、▲2五桂に後手の手番なのでここで精度の高い手を指す必要があります。

▲2五桂に△2四歩が全く見えていませんでした。

△2四歩に▲3三桂成で後手がどうするのかが分かってなかったのですが、△3二飛がありました。

3三の地点で駒が取られたので3三の地点の駒を取ることを考えがちなのですが、そこで3二に地点の駒を取るというのが浮かびませんでした。

ちょっと意表をついた手の流れですが、△3二飛の意味も最初は分かっていませんでした。

△3二飛以下▲同銀成△5九角▲4八銀△同角成▲同金△2五銀まで詰みです。

角を取っても▲同銀成が後手玉が詰めろでどうするのかと思いましたが、△5九角がありました。

ここで先手の合駒が悪く▲4八桂があれば先手玉は詰まないのですが、残念ながら持ち駒に桂馬はありません。

ある意味これらは偶然が必要ですが、それでも読みの中では必要なのでそれを見越したうえで△3二飛としなければいけません。

▲2五桂は悪手だったとはいえその後の後手の指し方は鋭いです。

もう1つは△6八龍に▲3七桂です。

▲3七桂以下△9八龍▲2九金△3七角成で、ソフトの評価値-1638で後手優勢。

この手順もかなり興味深い展開です。

▲3七桂は2五の地点の補強で、ここに桂馬を埋めると簡単に先手玉を上部に引っ張り出せなくなります。

△9八龍とするのは香車を補充する手なので自然ですが、▲2九金とされると後手の2八の角が取られる形です。

それで△3七角成としましたが、これで後手が指せていると思っていませんでした。

この△3七角成は角が取られるので仕方なく指したようにも見えるのですが、そうでもないようです。

△3七角成に▲同金なら△2五桂で、ソフトの評価値-1265で後手優勢。

△2五桂に▲同玉なら△1八龍▲同金△2四香で詰みです。

△2五桂に▲3八金引なら△3二飛▲同銀成△5九角▲3七金△同桂成▲同金△2五金▲同玉△3七角成で、ソフトの評価値-50000で後手勝勢。

△3七角成に▲同玉なら△3二飛▲同銀成△2五桂▲4七玉△6九角で、ソフトの評価値-50000で後手勝勢。

この手順は△2五桂とするのが相当厳しいようで、▲2六玉には△5九角があります。

よって▲4七玉としましたが△6九角で後手勝勢のようです。

これらの手順を見ると、先手玉の急所を攻めると意外と耐久性がないことに気がつきます。

それを見極めるのが難しいのですが、本局の指し手は調べておいてよかったです。

接近戦の玉への迫り方が参考になった1局でした。