上図は、先後逆で相居飛車からの進展で▲6八歩と打った局面。ソフトの評価値+423で先手有利。
この局面は駒の損得はないのですが、先手陣がしっかりしているのに対して後手陣はやや形が崩れています。
そのような意味で先手が少し指しやすいそうです。
ここで後手の手番ですが、攻めのとっかかりがないのでどのように攻めの拠点を作るかという形です。
6六の歩は攻めの拠点としてはあるのですが、6七の地点は受けの駒がたくさん利いているので働きはいまひとつです。
実戦は▲6八歩に△6四桂で、ソフトの評価値+817で先手優勢。
この手順の△6四桂は銀取りですが、△8八歩▲同玉△7六桂のようなイメージで指して味がいいと思っていました。
しかしこの手はやや急所を外したようで、次に△5六桂▲同歩△3八角▲1九飛△5六角成としても▲6七歩でそこまで厳しくはありません。
相手玉を攻めるなら4段目の銀でなく3段目の金を攻めるイメージだったようです。
5六の銀でなく7七の金にアタックする感じでした。
△6四桂では2通りの手がありました。
1つは△6四桂で△6五桂です。
△6五桂▲6三桂△7七桂成▲同桂△7六飛▲1四桂で、ソフトの評価値+680で先手有利。

この手順は△6五桂でただの桂馬ですが、▲同銀なら△3八角と打つ狙いです。
△6五桂に▲8七金もありそうですが、△7七歩のおかわりの攻めがあります。
先手はさっぱり指すなら▲6三桂として以下△7七桂成と金を取らせます。
部分的には金と桂馬の交換ですが、▲6三桂が両取りなので先手は大きな駒損ではありません。
以下△7六飛に▲1四桂とこれも守りの金に直接アタックするような手で、先手が指せているようです。
元々が後手が苦しい形勢なので逆転するのは大変なようです。
もう1つは△6四桂で△7五歩です。
△7五歩▲同歩△3八角▲1九飛△6五銀で、ソフトの評価値+506で先手有利。

この手順は△7五歩と合わせる手で、▲同歩と取らせて7六の地点に空間をあける手です。
7六の地点に空間があくと将来△7六歩と叩く筋が生じます。
ただし、直ぐに△7六歩としても攻めが細いので少し手を加えます。
△3八角と飛車取りに打って▲1九飛とさせます。
▲1九飛で▲2八飛とすれば角取りの先手が取れますが、△4九角成ともたれていつでも△5八馬の筋があるので先手も嫌な形です。
よって▲1九飛と飛車は1段目のままで1筋に駒を集める形に△6五銀と打ちます。
△6五銀と打てるのが△3八角と打った効果で、7六の地点に空間があいているので次に△7六歩と打つ狙いです。
この展開も先手有利のようですが、後手は△7六歩と金取りに歩を打って攻めの拠点を狙う感じです。
△6五銀に▲同銀なら△同角成▲7六銀△5五馬で、ソフトの評価値+175で互角。
この手順の▲6五同銀~▲7六銀はやや疑問の展開だったようです。
敵の打ちたいところに打ての格言にそった手ですが、△5五馬と飛車取りにされると互角になったようです。
苦しい局面でも相手が少しでも間違えればチャンスがあるので、何か狙いをもって指すのが大事なようです。
守りの金に狙いをつけて指すのが参考になった1局でした。