馬を活用して局面を複雑にする

上図は、後手△3三角戦法からの展開で△6二飛と逃げた局面。ソフトの評価値-615で後手有利。 

▲3三角成とした手に2二の飛車が△6二飛とした形です。

駒の損得はありませんが、先手は歩切れに対して後手は4六に歩がのびています。

ゆっくりした展開になると△4七歩成~△4六とで5六の銀が攻められそうです。

後手陣はさっぱりした形でこの局面は後手有利だったようです。

対局中はとりあえず5五の桂馬を働かせないといけないと思い▲4三桂成としましたが、これがあまりよくなかったようです。

実戦は▲4三桂成△4七歩成▲4四成桂で以下変化手順で△同金▲同馬△4六と▲5五銀△8五桂で、ソフトの評価値-1572で後手優勢。

この手は▲4三成桂とする手で、部分的には後手玉と反対側に成り込むので少し違和感があります。

▲4三桂成は局面は全く違うのですが、別の将棋で終盤でこの手がいい手だったというのが印章に残っていたのであまり考えずに指しました。

本来なら▲4三桂成では▲1一馬とすれば香車を補充することは可能ですが、ゆっくりしていると後手の4筋の歩がと金になって活躍すると思い指せませんでした。

ただし▲4三桂成もゆっくりしていたようで、後手がと金を作った手に▲4四成桂としましたが、あっさり△同金~△4六と~△8五桂という指し方がありました。

先手の5六の銀は後手のと金から逃げることはできましたが△8五桂が意外と厳しいようで、部分的に金と桂馬の交換で先手が駒得になっても安い駒で7七の金を攻められると先手が苦しいようです。

後手陣がすっきりした形に対して、先手陣は後手の攻め駒が張り付いているので振りほどくのは大変です。

▲4三桂成があまりよくなかったと書きましたが、別の将棋の▲4三桂成は先手有利で後手の攻めをあまらせるような展開だったので、本局とは全く別物だったようです。

▲4三桂成では▲3四馬がありました。

▲3四馬△4七歩成▲6三銀△3二飛▲4三馬△3六飛▲7二銀成△同金▲4五銀打で、ソフトの評価値-894で後手優勢。

この手順の▲3四馬は馬を働かせる手で、歩切れを解消するのと6一の金を睨んでいます。

後手が△4七歩成とする手に▲6三銀が少し見えづらいです。

▲6三銀に△同銀なら▲同桂成△同飛▲5二銀が少しうるさいです。

よって、▲6三銀に△3二飛としましたが▲4三馬と先手を取ります。

以下△3六飛に▲7二銀成~▲4五銀打ともたれる指し方です。

この局面も厳密には後手優勢なのですが、後手玉が少し薄くなったのと先手の馬が働いてきたのと後手の攻めの形がややだぶってきました。

この展開なら明らかに実戦より戦える形で、ゆっくりした流れにするのでなく大駒を活用することで局面を大きく動かすような展開です。

局面を大きく動かすと思いもよらぬところから手が飛んでくることもあり、指し手の幅が広がってきます。

そのような意味で馬を活用するというのが先手は大事だったようです。

馬を活用して局面を複雑にするのが参考になった1局でした。