飛車が安定する前に戦いを起こす

上図は、相居飛車からの進展で△8六同飛と歩を取った局面。ソフトの評価値+322で先手有利。

後手のが雁木に先手が右四間飛車から早めに仕掛けた展開です。

先手の角が浮いているのと、後手の飛車がやや先手陣に接近しているのでお互いに技がかかりやすい局面です。

先手としては8筋と5七の地点と3七の桂頭がやや手薄なのが気になりますが、すべてを補った形というのは難しそうです。

この局面は先手はゆっくりした指し手を選択するか、動く手を選択するかでだいぶ展開が変わってきそうです。

実戦は△8六同飛に▲8七歩としたのですが、これはあまりよくなかったようです。

▲8七歩△8二飛▲5八金△3五歩で、ソフトの評価値-20で互角。

この手順は▲8七歩と8筋の傷を消して以下▲5八金と補強する形ですが、△3五歩とされました。

局面がゆっくりすると△3五歩のような手が生じるのですが、後手は何気に△8二飛と引いた形が価値が高いようです。

2段目の飛車で受けに利いてきたので先手も無理に動くのは墓穴を掘りそうです。

△3五歩は先手の攻め駒を責める手で、3七の地点にと金を作られるのは先手としては避けたい形です。

ゆっくりした流れになって攻め駒を責められるというのは、先手としては手の流れがよくなかったです。

▲8七歩では▲4五歩がありました。

▲4五歩に△8八歩なら▲4四歩△5四銀▲4五桂で、ソフトの評価値+1366で先手優勢。

この手順の▲4五歩は攻め合いに出る手ですが、5五の角がやや後手陣に近い形なので指しづらいかと思っていました。

△8八歩は攻め合いにきた手ですが悪手だったようです。

以下▲4四歩△5四銀が角取りになるので先手の攻めが少し重たいのかと思いましたが、▲4五桂と跳ねる手がありました。

駒がたくさん当たっている状態で▲4五桂と跳ねるのが浮かびづらいのですが、3三に角がいるので角取りになっているのが大きいようです。

▲4五桂に△同銀なら▲同飛△5四銀▲4三銀△4五銀▲3二銀成△6二玉▲3三成銀で、ソフトの評価値+1816で先手優勢。

この手順は△4五同銀~△5四銀が飛車角の両取りになるので先手も嫌な形ですが▲4三銀が鋭いです。

△4五銀と飛車と取られても▲3二銀成で角取りになるのが大きいです。

また飛車を渡しても先手玉はしっかりした形です。

△6二玉は▲5三銀とされるのを防いだ手ですが、▲3三成銀と角を取って先手優勢のようです。

以下△3三同桂でも△8九歩成でも▲4三歩成が厳しいようです。

最初の局面図で▲4五歩に△同歩なら▲4四歩△同銀▲4五桂で、ソフトの評価値+364で先手有利。

この手順は△4五同歩とした手に▲4四歩が浮かびづらいです。

5五の角は使いづらい形なので角交換をするのかと思っていましたが、▲4四歩と銀取りに打つのが興味深いです。

△同銀は自然ですが、▲7七角とした手が飛車取りになるのが8六に飛車がいる場合のデメリットです。

以下△8二飛に▲4五桂と跳ねる手が角取りになります。

これらの手順はできるだけ右の桂馬を活用しようとする手で、理想は▲4五桂とした手が角取りになることです。

攻めの桂馬が5段目まで活用できるようになると、最低限は捌けた形です。

▲4五桂に△同銀なら▲同飛で、ソフトの評価値+482で先手有利。

この手順は銀と桂馬の交換で先手が少し駒得になりました。

▲4五桂に△2二角なら▲8三歩△同飛▲2四歩△同歩▲2三歩△同金▲5三銀△5五歩▲4四銀成△同角▲5三桂成△同角▲4三飛成で、ソフトの評価値+1153で先手優勢。

この手順は▲8三歩と▲2四歩~▲2三歩が細かい味付けで、後手の飛車と金の受けの弱くするのがうまいです。

飛車が安定する前に戦いを起こすのが参考になった1局でした。