勝勢の局面で受けに回って攻め駒を増やす

上図は、先後逆で先手5筋位取り中飛車に後手△7三銀からの超速の進展で▲1五銀とした局面。ソフトの評価値-2883で後手勝勢。

2六の銀が▲1五銀とした形です。

将棋で相手玉に即詰みがない状態でも形勢に差が開けば勝勢となるケースがあります。

将棋は相手玉を詰まして勝つというのが多いのですが、攻め駒が足らない状態で決めにいくとすっぽ抜けることがあります。

自分はよくこれをするのですが、本局も受けより攻めの気持ちが強かったようです。

実戦は▲1五銀以下△2五香打▲2四銀△同歩で以下変化手順で▲同金で、ソフトの評価値-5051で後手勝勢。

この手順の△2五香打は△2七香成以下の詰めろで、以下▲2四銀とされて詰めろは消される形です。

後手玉はまだ安全で勝勢なのでこれでもよさそうですが、△2五香打はソフトの推奨手ではありませんでした。

最終盤の勝勢の局面になると色々な手が増えてきて、どの手を選択してもそれなりに形勢はいいということがあります。

そのような意味で個性が出やすいのですが、このような局面で受けに回るのがソフトの選択でした。

△2五香打では△3三香がありました。

△3三香に▲2三桂成なら△同銀▲同金△同玉で、ソフトの評価値-50000で後手勝勢。

この手順は△3三香と打って受けに回る手で、攻め駒を対抗するという形です。

先手の攻め駒を排除すれば自然に後手玉が安全になって持ち駒が増えて戦力になるという意味のようです。

自分は気持ちに余裕がないのかこのような指し方がなかなか浮かびません。

玉の危険度が理解できていないということだと思いますが、なかなか癖というのは直りません。

棋風というか性格というか丁寧に受けに回ることが好きでないようです。

△3三香に▲2三桂成から清算するのは、△2三同玉と取った形が先手玉に詰めろがかかっています。

△2三同玉は次に△3七歩成▲同歩△同香成▲同桂△同成銀▲3九玉△2八金までの詰めろです。

この手順は後手の持ち駒に金と桂馬が入ったので△3七歩成以下の詰みが発生します。

また△3三香と自陣に打った香車が寄せに役立っています。

なお△2三同玉に▲4八銀と受けに回っても以下△3七歩成▲同歩△同香成▲同銀△同成銀▲同桂△3六桂▲3九玉△2八金までの詰みです。

3七の地点に攻め駒と受け駒が集まっており読みが分かりづらくなりやすいのですが、数でカウントすると整理しやすいかもしれません。

3七の地点の攻め駒は龍と成銀と香車と歩の4枚で、受け駒は玉と銀と桂馬と歩の4枚です。

4対4の関係なので先に盤上の駒で攻めたら1枚足らないことになります。

しかし持ち駒に桂馬があると△3六桂と王手をする筋があるのでやや特殊なケースです。

自分は頭の中で取って取ってを繰り返して考える癖があるので、時間もかかるし何度か確認しないとすっぽ抜けることもあります。

この癖も簡単には直らないので、余裕があれば枚数で頭の中で計算して寄せてみたいです。

△3三香に▲同金なら△同馬▲5四香△3七金で、ソフトの評価値-99990で後手勝勢。

この手順は▲3三同金~▲5四香で形作りみたいな手の流れです。

▲5四香には△3七金と打っての詰み筋がありました。

△3七金以下▲同歩△同歩成▲同桂△同成銀▲3九玉△4七桂▲2九玉△2七香不成▲1八玉△2八成銀まで詰みです。

3七の地点の攻め駒は龍と成銀と歩の3枚に金が加わって4枚で、受け駒は玉と桂馬と歩の3枚です。

4対3の攻めなので3七の地点は攻め駒が突破できそうです。

▲3九玉に△4七桂が継続手で、以下△2七香不成~△2八成銀まで詰みです。

やさしい寄せですが、これをできるだけ短い時間で頭の中で並ぶようにしたいです。

勝勢の局面で受けに回って攻め駒を増やすのが参考になった1局でした。