桂馬を守るため歩を突いて辛抱する


上図は、先後逆で相掛かりからの展開で▲7四歩と歩を取った局面。ソフトの評価値+892で先手優勢。

駒割りは飛車と角香の交換で後手が少し駒得していますが、後手は龍の働きがいいのと持ち駒に飛車があるので先手優勢のようです。

後手としては苦しい局面ですが、まだ寄せの段階ではありませんので粘り強く指すしかありません。

実戦は▲7四歩以下△8二香▲4五龍△2九馬で、ソフトの評価値+1752で先手優勢。

この手順の△8二香は▲4五龍をうっかりしていたミスですが、その後の△2九馬で桂馬の取り合いになります。

この手順だけだと駒の損得はありませんが、形勢は大差になってきました。

働きのいい4五の桂馬と働きの悪い2九の桂馬がお互いの持ち駒に変わるのですが、後手としては働きのいい桂馬がなくなることが痛いです。

単純な駒の取り合いは駒割り計算でできますが、それに形勢判断を考える必要があり4五の桂馬を簡単に取らせてはいけないと思ったらそれを守る手を考えるべきでした。

△8二香では△4四歩がありました。ソフトの評価値+926で先手優勢。

この手順は△4四歩と桂馬を守る手ですが、地味ながらこのように指すしかなかったです。

後手だけの理想を言えば△2九馬とか、持ち駒に歩が入れば△3七歩と垂らすとか、△5四香と打って手をつなぐ感じでした。

現実的にはなかなかこのような展開にはなりませんが、先手にとっても嫌な形にしないと指しようがありません。

4五の桂馬がいる間に少しでも手を広げていく感じでした。

△4四歩以下▲2一飛△8二香▲7五龍△2二角▲6五桂△3一金▲2二飛成△同金▲6四角で、ソフトの評価値+1097で先手優勢。

この手順は▲2一飛と打って▲1一飛成を狙います。

△8二香と打って自陣を少し堅くして△2二角と辛抱します。

香車を取らせないという意味ですが、▲6五桂には△3一金として飛車と角の交換を狙います。

▲2二飛成△同金で後手陣形もばらばらになりますが、持ち駒に飛車が入りました。

以下▲4六角がうまい手で、先手は飛車と角の交換になっても指せるという判断のようです。

後手としては馬の利きが消えるのが痛く、最初の局面が後手は悪すぎて厳しいのでその後の展開も苦しいようです。

後手としては馬と4五の桂馬が盤上から消えると攻め味がなくなってきます。

先手からはいつでも▲7三歩成と攻める筋が残っており、それが後手玉の近くなのであたりが強いです。

そのような意味で後手は最善を尽くしても厳しい状況だったようですが相手が精度のいい手を指した場合なので、それ以外の展開になればチャンスはあったかもしれません。

桂馬を守るため歩を突いて辛抱するのが参考になった1局でした。