上図は、先後逆で先手5筋位取り中飛車に後手△7三銀からの超速からの進展で、▲1八玉とした局面。ソフトの評価値-1222で後手優勢。
△3六桂と歩を取って王手をした手に▲1八玉と逃げた形です。
後手の持ち駒に金があれば△2八金で詰みですが金はありません。
またゆっくりしていると▲3七銀~▲3六銀などもあり先手玉への寄せが見えにくくなります。
また先手から▲1二飛などの筋も残っているので後手としても指し手に悩みやすいです。
実戦は▲1八玉以下△4四角に変化手順で▲3七歩で、ソフトの評価値-684で後手有利。
この手順の△4四角は狙われやすい角を先に逃げた手です。
以下▲3七歩は変化手順ですが、3六の桂馬を取り切ると先手玉もかなり持ち直します。
▲3七歩の瞬間に先手玉への寄せがあればいいのですが、そこまで厳しい手はなさそうなので△4四角は少し甘かったようです。
▲1八玉に有力な手が2通りありました。
1つは△1六桂です。
①1六桂▲同歩△2八銀▲1七桂打△3九角で、ソフトの評価値-2047で後手勝勢。

この手順の△1六桂は詰めろですが▲同歩と取られます。
しかし1七の地点に空間を開けたのが大きく、△2八銀と打った手が次に△2九銀不成▲同銀△1七香▲同玉△2五桂▲1八玉△1七銀までの詰めろです。
よって▲1七桂打と打って受けたのですが、この手は悪手だったようです。
一見詰めろが続かないように見えたのですが、△3九角と下から角を打つ手がありました。
この手が次に△1七銀成▲同桂△2八角成までの詰めろです。
また▲3九金には△同銀不成で詰めろが続き先手玉は受けなしになります。
△3九角に▲3五飛と打っても以下△3三香▲3六飛△同香でこれも詰めろになります。
そのような意味で受け損なうと詰めろが続いて後手勝勢になるようです。
なお△2八銀には▲3五飛と打って以下△3三香▲3六飛△2九銀不成▲同玉△3六香で、ソフトの評価値-1351で後手優勢。
この手順は先手は▲3五飛~▲3六飛と桂馬を抜いて粘る手で、まだ手数はかかりますが後手優勢のようです。
もう1つは▲1八玉に△6九角です。
②6九角▲3七銀△3五銀▲3四歩△2四銀打▲1二飛△2一玉で、ソフトの評価値-1348で後手優勢。

この手順の△6九角は△5八角成▲同金△2八金までの詰みを狙っています。
▲3七銀はその受けと同時に▲3六銀を狙っています。
△3五銀は▲3六銀を防いだ手ですが、銀が浮いた形なので少し指しにくいです。
以下▲3四歩に△2四銀打で3三の地点の補強ですが、反面攻め駒が少なくなります。
以下▲1二飛に△2一玉で後手玉もかなり危険な形ですが、これで受かっているようです。
△2一玉に▲1一飛成△同玉▲3三角なら△2二香で、ソフトの評価値-1848で後手優勢。
△2一玉に▲9二飛成なら△3二歩で、ソフトの評価値-1429で後手優勢。
これら2つの△1六桂と△6九角を見てきましたが、△1六桂は攻めの手に対して△6九角はやや受け身な展開になりそうです。
全く趣が違うのですが、優勢な局面からは色々な手があるようでどちらも方針を決めるのが難しいです。
優勢といっても手順の中に危ない要素はたくさんあるので将棋は難しいです。
少しいい局面からの指し方が参考になった1局でした。