駒を渡しすぎると反動がきつい

上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲5八金打とした局面。ソフトの評価値-205で互角。

大駒をはじく▲5八金打の受けで、後手は踏み込むか龍が逃げるかの局面です。

後手は持ち駒が豊富で4五に桂馬がいるので、うまくいけば先手玉が寄りそうな気もする微妙な局面です。

後手玉はまだ耐えている形ですが、3四にいる桂馬が2二と4二の両方に利いているのがやや不気味です。

対局中は先手玉への寄せが分からなかったのでとりあえず△7七龍と馬取りに逃げました。

実戦は△7七龍▲5六馬△3七桂成▲同銀で、ソフトの評価値+653で先手有利。

この手順の△7七龍は龍を逃げながらの馬取りなのでこれが自然かと思いました。

普通は馬が逃げるのでそこで△3七桂成として、金と桂馬の交換で後手が得をしたと思っていました。

▲3七同銀と進みますが、この局面が先手有利になっていたのは驚きました。

終盤は普通の手がよくないというケースがあり、本局もそんな感じでした。

▲3七同銀の形が意外と先手玉に寄せがないのと、7四にいた馬を▲5六馬と好位置に引いた形が先手にとって有利になった要因のようです。

▲5六馬というのが攻防に利いた形で、見た目以上に価値が高かったようです。

▲3七同銀の局面で後手の持ち駒に桂馬があって、5六に馬がいない形だと△3七同龍▲同玉△4五桂のような寄せがありますが、本局ではできません。

後手が厳しく攻めるなら▲3七同銀に△1七銀がありそうです。

▲3七同銀以下△1七銀▲同香△1九角▲同玉△3七龍▲2二銀で、ソフトの評価値+99978で先手勝勢。

この手順は△1七銀~△1九角と捨てて△3七龍と迫る形です。

後手は角と銀を渡すことになる寄せですが、この場合は▲2二銀とする手がありました。

終盤ではこのような手の流れをうっかりしやすく、相手玉ばかりを見ていれば迫る手はあるのですが、その反動で自玉が危険になるというパターンです。

▲2二銀に△1二玉なら▲2四桂△同歩▲2一角△同銀▲4二桂成△2二玉▲2三金まで詰みです。

この手順の▲2四桂は△同歩とさせることで5六の馬の利きが通るのと、▲2一角は△同銀とさせることで2一の地点に逃げ道を封鎖します。

▲2二銀に△同銀▲同桂成△同玉▲3四桂△1二玉▲1三銀△同玉▲3一角で、ソフトの評価値+99983で先手勝勢。

▲3一角に△2二桂なら▲同角成△2四玉▲2三桂成△同銀▲同馬△同玉▲4二桂成△3四銀▲3二銀△2四玉▲2三金△同銀▲同馬まで詰みです。

この手順の△2二桂は中合いですが、▲同角成~▲2三桂成の筋がぴったりです。

▲3一角に△2四玉なら▲4二角成△3三銀打▲同馬△同銀▲2三桂成△同玉▲2二桂成△同玉▲2三金△3一玉▲3二銀△4二玉▲4三歩成まで詰みです。

この手順の△3三銀打で△3三歩なら▲2五金△1三玉▲3一馬△1二玉▲2二馬まで詰みです。

▲2二銀からは変化手順はありそうですが後手玉は詰んでいるようで、5六の馬が寄せに役立っています。

真ん中の局面図の▲3七同銀には後手がどう指せばいいのかが分からなかったのですが、ここから全く予想しない展開があったのでまた別の機会に調べます。

駒を渡しすぎると反動がきついのが参考になった1局でした。