形勢判断が読みに反映する

上図は、先後逆で先手5筋位取り中飛車に後手△7三銀からの超速の展開で▲5三飛成とした局面。ソフトの評価値-106で互角。

直前に4二の玉を△3二玉としたのですが、▲5三飛成とされました。

あまり見慣れない局面で、早い段階で飛車を成られると失敗したという意識が強くなって冷静さを欠くことがあります。

本局もそんな感じでここからの対応はお粗末でした。

実戦は△5三同銀▲8二角成で、ソフトの評価値+424で先手有利。

この手順は▲5三飛成の時点で相当悲観していたので仕方なく△5三同銀としましたが▲8二角成で先手有利になりました。

先手は8筋と9筋の桂馬と香車を拾えそうで駒得になります。

それに対して先手から取れそうな駒が少ないので先手有利です。

この手順の中で後手は2つ失敗していました。

1つは▲5三飛成の時点の形勢判断が全くできていないということです。

もう1つはそれに関連して、▲5三飛成からの最善の展開を考えるがあまりできていないということです。

△5三同銀以外に何も考えていないというのが問題で、悪くなる手順をいくら考えてもよくなることは少ないです。

崩れそうな形を辛抱して立て直すというのも大事なことのようです。

△5三同銀では△5二金右がありました。

△5二金右▲5四龍△4二銀▲3四龍△3三銀▲5四龍△4二金で、ソフトの評価値-227で互角。

この手順は△5二金右と辛抱する手で、以下▲5四龍に△4二銀と5三の地点を補強します。

以下▲3四龍に△3三銀として再度の▲5四龍に△4二金上で5三の地点を補強します。

この局面は先手の1歩得でさらに龍ができているのですが、先手は4六に角を打っているのに対して後手は持ち角です。

そのような意味でトータル的には互角のようです。

ちょっと冷静に考えれば分かってもおかしくないのですが、先入観だけで間違った形勢判断をしていたようです。

△4二金上に▲6六歩~▲6五歩の筋が気になったのですが、これの対応を調べます。

△4二金上以下▲6六歩△8六歩▲6五歩△7三銀▲7五歩△8七歩成▲7四歩△8四飛で、ソフトの評価値-256で互角。

この手順の▲6六歩はソフトの候補手の1つに対して、ソフトの推奨手は▲7八金でした。

▲6六歩は先手の角と龍の利きで後手の飛車を狙う手に対して、▲7八金は自陣の整備で力をためた手です。

本来は推奨手の▲7八金からの展開を調べた方がいいのでしょうが、気になった手の対応が浮かばないとすっきりしません。

対局中は、相手の方の手が最善でなくても気になるような手を考えることがよくあります。

最善手と相手の方が指して来たら嫌だなという手が一致しないというケースです。

自分が指されたら嫌だなと考えた手順を相手が指してこないと少しほっとした部分もあるのですが、それは少し無理筋なので相手の方が自重してそれが正解だったこともよくあります。

これらは自分の読みが結局無駄になったケースで、少し本筋からずれています。

変化手順の▲6六歩に対して△8六歩は最初に浮かびましたが、▲7五歩に△8七歩成が浮かびませんでした。

▲7四歩の取り込みがきついと思ったのですが、そこで△8四飛の切り返しがありました。

△8四飛があるので先手が踏み込むのは少し無理気味ということですが、△8四飛が見えていないと後手が苦しいと思いかちなので、このあたりの手の見え方を何とかしたい感じです。

ここら辺がセンスの問題のようです。

形勢判断が読みに反映するのが参考になった1局でした。