角の利きを活かした指し方


上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲4五銀とした局面。ソフトの評価値-668で後手有利。

先手は直前に▲6四歩△同歩と後手の角の利きを止めてから5六の銀を▲4五銀とぶつけてきました。

後手玉が先手の角の利きに入っているので嫌な形です。

よく出てきそうな感じの局面ですが、△4五同銀は▲4四歩~▲4五桂で後手が悪いと思ってそれ以上考えませんでした。

なお▲4五銀の局面はいい勝負かと思っていましたが、局後の検討で後手有利だったのは驚きました。

実戦は▲4五銀以下△5五歩▲4四銀△同金で、ソフトの評価値+23で互角。

この手順は△4四同金と少し形が崩れますが、△5五歩で相手の角の利きを止めることができたので少し指しやすくなったのかと思っていました。

しかし評価値を見ると互角だったので、このあたりは形勢判断があまりできてなかったようです。

△4四同金以下も▲7五歩のような筋があり、後手の指し手の方針が少し難しいです。

方針が分かりにくいと指し手に一貫性がでてこないです。

△5五歩では△4五同銀がありました。

△4五同銀▲4四歩△4二金引▲4五桂△6五歩で、ソフトの評価値-563で後手有利。

この手順の△4五同銀は▲4四歩と先着されて、以下▲4五桂とされると4四の地点に攻めの拠点の歩が残ります。

4四の歩が残ると将来▲4三銀のような打ち込みがあるので後手のまずい展開かと思っていました。

しかし、そこで△6五歩と歩を伸ばして王手をする筋がありました。

△6五歩と歩を伸ばせるのは、数手前に先手が▲6四歩の突き捨てを逆用した展開です。

この王手に対しての先手の受け方が意外と難しいようです。

△6五歩に▲1八玉なら△1五歩▲同歩△8六歩▲同歩△1七歩▲2九玉△4六歩▲3七金△6六銀で、ソフトの評価値-961で後手優勢。

この手順の▲1八玉はさすがに危険な手で、後手は1筋と8筋と4筋に手をつけてから△6六銀で後手が指せているようです。

後手の6筋の歩を伸ばして△6六銀と打てる形になるのが大きいです。

△6五歩に▲3七銀なら△6二飛▲9七桂△8四角▲8六歩△6六歩▲8五歩△9三角▲8六角△7五歩で、ソフトの評価値-827で後手優勢。

この手順の▲3七銀は玉の守りは堅くなりますが、▲4三銀の打ち込みが一時的になくなったので後手は少し安心します。

▲3七銀には△6二飛と回るのが気がつきにくい手で、後手だけの狙いだと△8四角~△6六歩~△6七歩成があります。

それまでに先手が動く形になるのですが、先手は▲9七桂~▲8六歩~▲8六角としました。

これもなかなかの手ですが、△7五歩と角道を止めるのが味がいいようです。

お互いの角が小さく動くというのは少し考えづらいのですが、このような地味な展開も意外と大事なようです。

後手は4三や5三や5一の打ち込みに気をつけながらの指し手になります。

△7五歩以下▲同角△同歩▲4三歩成△同金左▲4四歩△同金▲7一角△6八と▲6二角成△4五金▲5一馬△4三金▲8三飛△4二歩で、ソフトの評価値-1085で後手優勢。

△7五歩以下▲同角△同歩▲4三歩成△同金直▲6三歩△4二飛▲6七飛△5八銀▲4四歩△6七銀不成▲4三歩成△同飛で、ソフトの評価値-824で後手優勢。

これらの手順は角交換の後に▲4三歩成とする展開で、△同金左でも△同金直でも後手が指せているようです。

角の利きを活かした指し方が参考になった1局でした。