相手の攻めの拠点から玉を遠ざける

上図は、相居飛車で後手雁木から△2四同歩とした局面。ソフトの評価値+133で互角で互角。

▲2四歩△同歩として△1三角の王手の筋を消した形です。

序盤は先手がやり損なった手に後手が対応すれば後手優勢だったのですが、チャンスを逃がしたので互角になりました。

先手は態勢を立て直してこれからという局面ですが、何とかここからはうまく局面を運びたいところです。

実戦は▲3七桂△5五角▲3八歩で、ソフトの評価値-32で互角。

この手順の▲3七桂は遊んでいる桂馬の活用ですが、△5五角に▲3八歩と打った形はあまりいいとは言えません。

先手の1八の飛車の横利きが止まったのと、3筋に歩を攻めに使えなくなったからです。

何かの手を指せばメリットとデメリットがあるのですが、本局はデメリットの方が大きかったようです。

対局中は▲3七桂しか浮かばなかったのでこの手を指したのですが、▲7九玉という手があったようです。

▲7九玉△3九角▲3八飛△5七歩成▲5九金で、ソフトの評価値+396で先手有利。

この手順の▲7九玉は相居飛車だと少し浮かびにくい手かもしれません。

最近の相居飛車はバランス型が多いため玉をしっかり囲うというのが少ないです。

そのため6八に玉がいることも多いのですが、本局は5六歩に攻めの拠点の歩がいるのでいつでも後手から5七の地点からの打ち込みがあります。

よって▲7九玉として相手の攻めから遠ざけるようにします。

ただし、5七の地点の守りが1枚減ったので後手は攻めてきます。

△3九角は次に△5七歩成が狙いで、ここにと金ができると先手陣もかなり嫌な形になります。

△3九角に▲6八金左とするのは冴えないなと思っていましたが、▲3八飛がありました。

▲3八飛は角取りの受けで、働いてなかった飛車を受けに使う形です。

しかし△5七歩成にどうするのかと思っていたのですが、▲5九金と引く手がありました。

この手の組み合わせはまず実戦で考えるのは無理ですが、やや例外的な受け方のようです。

後手は3九の角が取られそうですが、もう1枚の角を活用させます。

▲5九金以下△7五角▲3九飛△6八と▲同金上△3九角成▲6五角で、ソフトの評価値+419で先手有利。

この手順の△7五角も見えづらい手で、▲3九飛には△6八と~△3九角成で飛車を取り返します。

先手玉は銀冠で3枚の金駒がいますが、1段玉で7七に桂馬が跳ねており飛車に弱い形です。

また7筋と8筋に歩がないためかなり薄く見えます。

ただし後手玉も8二の金が壁金での居玉なのでこちらも薄い玉です。

飛車と角の交換で先手の手番で▲2二歩や▲3三歩などが最初に浮かびましたが、▲6五角というのも見えづらいです。

▲6五角に△5九飛なら▲8八玉△2九馬▲4三角成△同金▲2二飛で、ソフトの評価値+1201で先手優勢。

この手順は▲8八玉に後手の持ち駒に金があれば△8九金以下詰みですが、金はありません。

後手の△2九馬は甘い手だったようで、▲4三角成~▲2二飛の詰めろで先手が指せているようです。

▲6五角に△5四歩なら▲4五銀△5九飛▲8八玉△5五飛成▲5六銀△3五龍▲2二歩で、ソフトの評価値+746で先手有利。

この手順は△5四歩と角の利きを止めたのですが、▲4五銀と遊んでいる銀を活用する手がありました。

後手の△5九飛~△5五飛成は粘りにでた手ですが、▲5六銀~▲2二歩で先手が指せいるようです。

▲2二歩に△同金なら▲3一飛△4一歩▲2三歩△同金▲2一飛成のような狙いです。

相手の攻めの拠点から玉を遠ざけるのが参考になった1局でした。