上図は、先後逆で相居飛車から▲6五同歩とした局面。ソフトの評価値+275で互角。
先手の矢倉に後手が左美濃の急戦形です。
自分はこの後手の指し方が好きなのですが。実戦的にはうまくいっていないことが多いです。
左美濃は玉の守りが薄いので急所を攻められると崩壊しがちなのなのが大きな原因ですが、それと同様に矢倉の攻め方の急所を外していることも多いです。
攻め方がまずいと矢倉は結構堅いのでうまくいかないです。
先手の矢倉に後手もじっくり指すのもありそうですが、その選択をしておらずやや戦法の幅が狭いようです。
このあたりはもう少し後手の指し方を調べた方がいいのでしょうが、なかなかできていません。
実戦は△6五歩に▲同歩とした形ですが、後手は△7三桂と跳ねているのでどこかで△6五歩と突く形です。
問題はここからの攻め方で、4枚の矢倉なので簡単には攻めつぶすことはできません。
またゆっくりした手だと▲3五歩のような手がきますので、後手は攻めを続けることになります。
実戦は▲6五同歩に△8六歩だったのですが、これは悪手だったようです。
▲6五同歩△8六歩▲同歩△8五歩▲6四歩△6二金に以下変化手順で、▲9六歩△同香▲同香△9五歩で、ソフトの評価値+623で先手有利。

この手順の△8六歩~△8五歩は継ぎ歩で、後手は軽い攻めをして先手の攻めの反動をさけたつもりだったのですが▲9六歩から香車を取りにいく手があったようです。
香車を取りにいくのはたまにある指し方ですが、後手からすると香車の交換になるのでありがたいという先入観があります。
しかし△9五歩とした局面は後手の持ち駒に歩がありません。
△9五歩以下▲同香△同飛▲9七香△9六香▲同香△同飛▲9七香で、飛車が取られてしまいます。
普通は▲9六歩からの逆襲に後手の飛車は簡単に取られないというイメージがあったのですが、後手の持ち駒に歩がないとこのようなことになるのをうっかりしていました。
このあたりは全く読みが入ってないようです。
継ぎ歩からの攻めはうまくいかないので後手は別の攻め方が必要です。
△8六歩で△7五歩がありました。
△7五歩に▲6四歩なら△7四金で、ソフトの評価値+245で互角。

この△7五歩は堅いところを攻めるのでぱっと見は浮かびにくいです。
ただし、7筋の歩を切っておけば将来△6五桂と跳ねた形は△7七歩と叩く筋が生じます。
そのような意味でどこかで△7五歩と突く将棋だったようです。
角換わり腰掛銀などでも、攻めの桂馬が跳ねる前に3筋や7筋の歩を突き捨てることがよくあります。
△7五歩に▲6四歩としましたが、そこで△7四金とするのが盲点です。
6三の金は7三の桂馬にひもをつけた形ですが、後手の守りの金というより攻めの金なので金を攻めに使うという発想だったです。
棋譜並べなどをしている左美濃の右側の金は攻めに使うことも多くあり、金が攻めに加わると攻めに厚みがでます。
△7四金に▲9六歩としても△同香▲同香△9五歩▲同歩△同飛▲9七香には△9六歩があり、飛車は取られません。
△7四金以下▲7五歩△同金▲6三歩成なら△6五桂で、ソフトの評価値+161で互角。
この手順は先手は▲7五歩~▲6三歩成でと金はできますが、△6五桂と跳ねた形はいい勝負のようです。
右の桂馬がとりあえず5段目まで跳ねることができれば、攻める方としてはまずまずです。
左美濃で右の金を攻めに活用するのが参考になった1局でした。