角を先に引いて受けに備える

上図は、相居飛車からの展開で△3三桂と跳ねた局面。ソフトの評価値+72で互角。

先手が4七の銀を▲3六銀と上がった手に△3三桂と跳ねた形です。

△3三桂は▲2五銀の受けで、よくある受け方です。

実戦は△3三桂に▲4七銀で、ソフトの評価値+34で互角。

この手順の▲4七銀は手損になりますが、後手の桂頭が弱点なので銀と引いて以下▲3六歩から桂頭を狙う展開にしました。

ソフトはこれを推奨していたのですが、▲4七銀で▲1六歩も局後に気になりました。

▲4七銀で▲1六歩△5三銀▲1七桂△6五歩で、ソフトの評価値-8で互角。

この手順の▲1六歩はぱっと見意味が分かりにくいのですが、▲1七桂~▲2五桂と跳ねて桂馬を交換してできれば3六の銀を前進させる意味です。

2九の桂馬は3七の地点で使うには手数が少しかかるので1筋から捌く形です。

このような駒の使い方は最近はあまり見ませんが、▲3六銀型に▲1七桂~▲2五桂はセットみたいな指し方で平成の頃は相掛かりなどでたまに見られた指し方です。

1筋に桂馬が跳ぶのは少し単調ですが、気になる筋です。

後手としては桂馬の交換になると▲4五桂の筋や、▲2五銀~▲3四銀と銀が進出する筋があります。

そのため一時的に形が悪い▲1七桂に△6五歩と動く手が考えられます。

△6五歩と突いたからといって先手が一気につぶされるとは考えにくいのですが、将来先手が攻めて2筋で桂馬の交換になると後手の持ち駒に桂馬が入って攻めに活用できそうです。

そのような意味で△6五歩に対しての先手の対応は大事です。

△6五歩以下▲同歩△7三桂▲6八角で、ソフトの評価値+56で互角。

この手順の▲6五同歩に△7三桂がスピードアップの手で、次に△6五桂と取れば角取りになります。

後手が先に仕掛けた形ですが、そこで▲6八角と引くのが見えづらいです。

▲6八角で▲2五桂なら△同桂▲同銀△6五桂で、ソフトの評価値-476で後手有利。

この手順は先手からすると▲1七桂と跳ねたので早く▲2五桂と攻めに活用したのですが、後手の持ち駒に桂馬が入ったので攻めに勢いが増してきます。

よって先手は攻め合いでなく辛抱するという意味で▲6八角とします。

▲6八角に△6五銀なら▲6六歩△5四銀▲9六歩△1四歩▲2五桂で、ソフトの評価値+106で互角。

この展開は先手は局面が落ち着ついて▲2五桂と活用できたのでまずまずです。

▲6八角と引いて受けるのが参考になる一手だったようです。

なお真ん中の局面図の△6五歩に▲2五桂も気になる筋です。

△6五歩▲2五桂△6六歩▲同角△2五桂▲同銀△8六歩▲同歩△6五銀▲3四銀で、ソフトの評価値-73で互角。

この手順は△6五歩に▲2五桂の攻め合いで、後手は8一の桂馬を攻めに使う展開にはなりません。

ただし、▲6六同角の形には5四の銀が△6五銀とすることができるので後手もかなりの迫力です。

先手も▲2五銀~▲3四銀と活用できて▲2三銀成の筋もありますのでいい勝負のようです

このような戦型は自分はあまり指すことが少ないので、指してみると色々な手筋があり結構新鮮です。

角を先に引いて受けに備えるのが参考になった1局でした。