玉の近くに龍がいても踏み込んで指す

上図は、後手雁木に先手左美濃からの進展で△8七飛成とした局面。ソフトの評価値+905で先手優勢。

駒割りは互角ですが、先手玉のすぐ近くで龍が成るというのはあまり見慣れない形です。

実戦は△8七飛成以下▲7八金寄△8三龍でソフトの評価値+609で先手有利。

この手順は玉の近くで龍ができたら危険なので追い返すのが普通と思い▲7八金寄から受けに回ったのですが、ソフトの候補手にも上がっていませんでした。

この形で先手が攻めにでるのは反動がきついと思うので、やや例外的な局面だったようです。

ソフトは▲7八金寄で▲5三桂成を推奨していました。

▲5三桂成に△7六歩なら▲8八銀△8六歩▲5二成桂△7五桂▲7八金で、ソフトの評価値+1814で先手優勢。

この手順は▲5三桂成と銀を取る手で踏み込みましたが、△7六歩が少し気になります。

△7六歩には▲8八銀と逃げた手が龍取りになるので△8六歩と手をつなぎます。

以下▲5二成桂に△7五桂と詰めろをかけますが▲7八金上と受けて先手優勢のようで、さすがに後手の攻めは無理筋のようです。

▲5三桂成に△7六歩が大丈夫と思うか危険と思うかで指し手が分かれるところで、直感や読みの精度が悪いとこのあたりで時間を使いそうです。

一番効率がいいのは▲5三桂成を考えて、以下△7六歩に▲8八銀で大丈夫と短い時間で判断できることです。

逆に一番時間の使い方がまずいのは、▲5三桂成を考えて▲8八銀に△8六歩で何となく先手玉がまだ危険と判断して結局別の手を選択することです。

自分はおそらくこれをやりがちで、気がついたら無駄なことを考えて時間を使ったというのが多いです。

自分の考えた手が指し手に現れないというのは相手もいるのである程度は仕方ありませんが、読んでも正確に対応すれば無理筋で実戦に現れなさそうな手順を丁寧に考えても時間の無駄になります。

特に切れ負け将棋などで時間を使う場合は要注意です。

▲5三桂成に△同金なら▲6二角で、ソフトの評価値+984で先手優勢。

この手順は△5三同金に▲6二角が見えづらいです。

▲6二角は金取りですが、△5二金と逃げる手が逆に角取りになります。

角を逃げて次に△7六歩と打たれると先手玉が危険に見えます。

そのような意味で▲6二角で▲7一角と遠くから角を打つと△5二金と逃げても角取りになりません。

ただし、▲7一角は角の利きが少なくなるので指しにくいです。

それでこのあたりも実戦だと時間を使いがちですが、▲6二角に△5二金なら▲8八歩△8五龍▲4四歩で、ソフトの評価値+1193で先手優勢。

この手順は▲8八歩に△7七龍なら▲同金△6二金▲同とがあります。

7二にと金がいるのが大きく、6二の角にひもがついていました。

何気ないところですが、このあたりも短い時間で判断できるようにしたいです。

▲6二角に△4一桂なら▲4二歩で、ソフトの評価値+1644で先手優勢。

▲4二歩に△同玉なら▲7八金上△8三龍▲5一銀△3一玉▲4二歩△8七桂▲同金△同龍▲4一歩成△2二玉▲5三角成で、ソフトの評価値+1691で先手優勢。

この手順は▲4二歩に△同玉なら▲7八金上として▲5一銀が△4二同玉とおびき寄せたっ効果です。

△4二同玉に▲5一銀~▲4二歩の攻め方がうまいです。

▲4二歩に△同金なら▲2三歩△1二桂▲7八金上△8五龍▲4五桂△5二金▲9五角成で、ソフトの評価値+2463で先手優勢。

この手順は△4二同金なら2筋が弱くなりますので▲2三歩と垂らします。

次に▲2四飛があるので△1二桂と受けましたが▲7八金上~▲4五桂~▲9五角成が手堅いです。

寄せがなければ確実な手で手を広げていくのがいいようです。

玉の近くに龍がいても踏み込んで指すのが参考になった1局でした。