上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲8六同歩とした局面。ソフトの評価値-117で互角。
後手が△8六歩と突き捨てた手に▲同歩とした形です。
後手としては先手からどのタイミングで▲4五歩と動いてくるかが気になる形で、その形になる前に後手が動いた方がいいと思いました。
後手としては最低限飛車を働かせる展開で、できれば7三の桂馬も活用したいです。
実戦は▲8六同歩に△5五歩としましたがこれはあまりよくなかったようです。
△5五歩以下変化手順で▲同角△8六飛▲4九飛で、ソフトの評価値+29で互角。

この手順の△5五歩はこの形ではよくある手で、▲同銀なら△6五桂と活用します。
後手の桂馬が5段目まで進めば一応働いています。
よって▲5五同角としますが△8六飛として飛車を活用します。
△8六飛に▲8八歩△8三飛を予想していましたが、▲8八歩では▲4九飛とする手がありました。
8九の地点を飛車で受けるのが盲点で、次の狙いは▲7三角成です。
▲4九飛に△8三飛とするのは▲8四歩△同飛▲7三角成△8八飛成▲5五桂で、ソフトの評価値+209で互角。
この手順は先手に先に桂馬を取られる展開で、後手は飛車を成れても空成りなのであまり効果がありません。
先手は取った桂馬を▲5五桂と攻めに使って先手が少し指せているようです。
なお▲8四歩に△5四歩なら▲6六角△8一飛▲4五歩で、ソフトの評価値+311で先手有利。
この手順は▲6六角が好位置で、▲4五歩と突いた形は△5七角成ができません。
▲4九飛に△8八歩なら▲7七桂△8七飛成▲7三角成△7七龍▲4七銀で、ソフトの評価値-77で互角。
この手順はお互いに大駒が成り合う展開で後手も飛車が成れて桂馬が取れればそれなりに成果は上がっていますが、8八歩と打った形が重く歩切れなのがやや不満です。
▲4九飛に△6四歩なら▲同角△8八飛成▲7三飛成△9九龍▲9一馬で、ソフトの評価値+256で互角。
この手順の△6四歩ははっとする手で以下大駒が成り合う展開ですが、先手が桂得なのと後手の9九の龍が一時的に働かないのがやや不満です。
本局では△5五歩はあまりうまくいかないようです。
△5五歩では△3三角がありました。ソフトの評価値-69で互角。

この△3三角ですが自分の感覚では指しにくい手です。
先手が▲2六歩と突いている形はあまりいい形ではなく、▲2七銀~▲2八金上のような形になるとしっかりしています。
そのような意味で後手が持久戦模様にするのはあまりよくないのかと思っていました。
また数手前に△2四角と出た形なので△3三角は手損になるという意味と、直前に△8六歩と突き捨てたので攻めしか考えていませんでした。
△3三角は感覚的に▲4五歩と突いたら角交換からの決戦になり、先手の手が広くなるのかと思っていました。
しかしよく考えてみると、角交換になれば後手の手も広がる可能性もあるのと、△8六飛と飛車を活用することもできそうです。
メンタル的に△3三角という手を指せないと将棋の幅が広がらないようです。
このあたりを慌てずに含みの手を指すという感覚が大事みたいで、直線的な手ばかりだと将棋が単調になりがちです。
△3三角の局面は互角のようですが、別の機会にここから先手が急戦と持久戦に指す場合の展開を調べてみたいと思います。
直線的な手だけでなく含みある手を指すのが参考になった1局でした。