意外な展開もいい勝負

上図は、先後逆で相居飛車からの進展で▲8六歩と歩を打った局面。ソフトの評価値-122で互角。

先手から角交換をして▲8六歩と打った形です。

先手から2二の地点で角交換をした形なので、実質先手と後手が入れ替わった形になりました。

▲8六歩という手は次に▲8七銀と銀冠に組む狙いで、△8六同飛なら▲7五角~▲5三角成と馬ができます。

▲7五角~▲5三角成のような形はよく将棋の本などに書いてあり、馬ができれば成功みたいで終わっていることが多い印象です。

そのため▲8六歩には△同飛としない先入観がありました。

実戦は▲8六歩以下△2四歩▲8七銀△2三銀で、ソフトの評価値-16で互角。

この手順は△2四歩も先手の手と同様の意味で以下銀冠に組む展開ですが、△1四歩と突いているので後手が手得している形です。

この展開もありそうですが、△2四歩はソフトの候補手にも上がっていませんでした。

△2四歩という手は相手の▲8六歩からの銀冠を許した手なので、あまり評価値が高くないのかもしれません。

またお互いに銀冠に組む展開は、後手としては面白くないという判断もありそうです。

大会などで将棋を指す場合は、できれば序盤は乱戦を避けてじっくりした形に組んで力を発揮したいという気持ちになることもあるのですが、逆の立場だとじっくりした展開を目指す相手には乱戦に持ち込むというものあります。

じっくり指すという気持ちが強いと乱戦を避けて安全な手を選択することが多くなり、気がついたら手が伸びていないということがあるのでそれが狙いです。

そのような意味で言うと▲8六歩には△同飛もあったようです。

▲8六歩以下△同飛▲7五角△7六飛▲5三角成で、ソフトの評価値-146で互角。

この手順は部分的には先手に馬ができて、先手大成功で後手失敗というイメージがあります。

▲5三角成に△8六角なら▲7七歩△5三角▲7六歩で後手が失敗かと思っていましたが以下△2六歩で、ソフトの評価値-103で互角。

この手順の飛車と角の交換は飛車が有利という先入観がありましたが、△2六歩と打った形は互角だったのが意外でした。

2筋の歩が切れているので△2六歩でいい勝負のようですが、実戦的には選択しづらいところもあります。

これはまた別の機会に調べてみます。

なお▲5三角成に△7四角と打って、▲4八銀なら△7八飛成があり▲4八飛なら△5八歩▲同飛△4七角成を狙う手ありそうですが、△7四角には▲2二飛成△同金▲4二銀まで詰みなので要注意です。

2筋の歩が切れていると飛車が銀に直通しているので通常の形と違っています。

▲5三角成以下△2七歩▲5八飛△6二銀▲5四馬△8六飛で、ソフトの評価値-96で互角。

この手順の△2七歩に▲同飛なら△7八飛成がありますので▲5八飛とします。

次の△6二銀がやや意外な手で、馬が逃げるなら▲5四馬の飛車取りですが△8六飛と回ります。

△8六飛では△2六飛として▲8二歩なら△2八角もありそうですが、以下▲2七馬△同飛成▲2八銀で、ソフトの評価値+336で先手有利。

▲2八銀の形は次に龍取りと▲8一歩成が残り先手有利です。

よって△8六飛として▲8二歩の筋を受けたのですが、この局面が意外にも互角のようです。

先手は馬ができたのは大きいのですが、後手は1歩得で持ち駒に角があります。

この局面はあまり見慣れないので今後の展開はまた別の機会に調べてみます。

意外な展開もいい勝負なのが参考になった1局でした。