壁銀のまま踏み込んで指す

上図は、後手角交換振り飛車からの進展で△8二玉とした局面。ソフトの評価値+450で先手有利。

この局面が不思議なのはすでに先手有利だったのですが、この局面は▲4五角とすれば確実に馬が作れます。

そのような意味で、自分の記憶している棋譜と実際の進行が正確に合っているかが気になりました。

ネット対局だと棋譜は残るので後で確認できるのですが、大会の対局はその時の記憶が頼りで自宅に戻ってから棋譜を後で並べ直すため、どこか穴があいていてもおかしくありません。

普通は▲4五角のような手が序盤では見られることはなく、相手の方もこれをうっかりして駒組みをしたとは考えにくいです。

ただし、実戦の終局までの棋譜の駒の動きが現実的に合っていたので、最初の局面図は実際に対局に現れた可能性が高いです。

実戦は▲7七銀で、ソフトの評価値+145で互角。

局面は少し違いますが、角交換振り飛車相手によくある▲6五角から馬を作る狙いで指すのは、自分がするとあまりうまくいくイメージがないです。

角と打って馬を作って以下角と金を交換して、再度角取りに金を打って駒割りが先手の1歩得になる展開です。

後手の持ち駒に角と金があり、特に金の持ち駒があるというのが居飛車側からすると面倒です。

一言で言うと自分の棋力では力戦型で指しこなすのが大変ということで、馬を作る展開は全く考えていませんでした。

そのため自陣の駒組みだけを見て▲4五角は全く浮かびませんでした。

▲7七銀では▲4五角がありました。

▲4五角△7二銀▲2三角成△3四角で、ソフトの評価値+430で先手有利。

この手順の▲4五角に△7二銀は▲2三角成に△3四角として先手の馬を消す狙いです。

後手が1歩損ですが、2三の歩がなくなることで後手は駒組みが軽くなります。

しかしこの局面も先手有利のようです。

△3四角以下▲同馬△同銀▲2五歩△2二飛▲2四歩△3二金▲5六角△1二角▲3六歩で、ソフトの評価値+419で先手有利。

この手順は再度角交換から先手は2筋の歩を伸ばします。

後手は△3二金として2三の地点の補強ですが、▲5六角がよくある手です。

△1二角の受けは初めて見る場合は違和感があるかもしれませんが、この戦型ではたまに出る受け方です。

△1二角に▲3六歩が浮かびにくいです。

自分は▲3六歩では▲7七銀とか▲1六歩が最初に浮かびましたが、共にソフトの推奨手ではありませんでした。

▲7七銀△4四歩▲9六歩△4五歩で、ソフトの評価値+380で先手有利。

この手順の▲7七銀は壁銀を解消する手で部分的には価値が高いですが、後手も4筋で争点を求める指し方です。

▲1六歩△5四歩▲1五歩△5五歩▲6五角△3三金で、ソフトの評価値+328で先手有利。

この手順の▲1六歩は後手の角頭を狙う手ですが、後手も先手の角を目標にする指し方で少し争点が分かりにくくなるようです。

▲3六歩は8八の銀が壁銀のまま仕掛ける手で、少し度胸がいります。

▲3六歩に△同歩なら▲同銀△3五歩▲2五銀△同銀▲1二角成△同香▲2五飛で、ソフトの評価値+508で先手有利。

この手順は△3六同歩なら▲同銀以下▲2五銀と銀をぶつけて角と銀を捌く展開です。

後手の重たかった角が持ち駒になるさっぱりした指し方で自分の感覚では選択しづらい手順ですが、2筋を少し制圧しているので先手が指せているようです。

▲3六歩に△5四歩なら▲3五歩△同銀▲1二角成△同香▲2三歩成△同飛▲同飛成△同金▲3二飛で、ソフトの評価値+427で先手有利。

この手順は△5四歩には▲3五歩から角と飛車を捌く大味な展開です。

振り飛車に大捌きを挑むのは勇気がいるので自分の感覚では選択しづらいのですが、後手の2枚の金駒が離れ駒になっているので先手が指せているようです。

壁銀とか重たい角を捌かせるとか大捌きになるといったリスクがあっても、成算がある場合は踏み込むようです。

壁銀のまま踏み込んで指すのが参考になった1局でした。