上図は、後手角交換振り飛車からの進展で△2五歩と打った局面。ソフトの評価値+213で先手有利。
この形は角交換振り飛車でたまに出る形で、2筋の歩を交換させてから後手が2筋から逆襲を狙う指し方です。
部分的には後手は△3三金~△2二飛~△2六歩~△2七歩成の筋で、これを先手がまともに食らうと勝てなくなります。
またどこかで△4五歩のように動く手もあり、先手は駒組みに慎重になります。
後手が2筋から動くのはそれなりに手数はかかりますが、4筋から動くのはいつでもあるのでその間に先手は何か動きたいところです。
実戦は▲1六歩△2二飛▲4五歩で、ソフトの評価値+124で互角。
この手順の▲1六歩は将来▲1七桂のような使い方で、後手の2筋の逆襲を緩和するつもりだったです。
ソフトはこの手が推奨手だったので悪くはなさそうですが、指している本人はこの後どのように指すか分かっていませんでした。
できれば先手は何か狙いをもって動くような形にしたいです。
▲1六歩では▲5五銀もあったようです。
▲5五銀は直に銀が上がるので、5六の地点に戻るのは手数がかかりすぎて現実的にはほぼ無理です。
銀は千鳥に使えとは反する手なので、そのような意味では浮かびづらく決断の手になります。
▲5五銀に△4五歩なら▲4四角△5四歩▲5三角成△2二飛▲5四銀で、ソフトの評価値+676で先手有利。
この手順の△4五歩に▲同歩なら△同飛で後手が指せますが、▲4四角が▲1一角成と▲5三角成の切り返しの狙いがあります。
△5四歩に▲同銀なら△4四飛がありますが、▲5三角成が飛車取りになるのが大きく△2二飛には▲5四銀で先手有利です。
▲5五銀に△1四歩なら▲3一角△5二飛▲4四銀で、ソフトの評価値+574で先手有利。

この手順の△1四歩は緩手のようで、▲3一角と打つ手がありました。
△5二飛と逃げたときに▲4四銀を歩を取って前進できるのが▲5五銀とした効果のようです。
このような何気ないところで先手が手を作っていくのがうまいです。
▲4四銀以下△6二金▲2四歩△2二金▲3六歩△3二金▲3五歩△3一金▲3四歩で、ソフトの評価値+724で先手有利。
実戦なら▲4四銀で読みを一旦打ち切りそうですが、△6二金以下もそれなりに指し手は難しいです。
▲2四歩に△同金なら▲2二歩があるので△2二金としましたが、▲3六歩~▲3五歩が難しいです。
角と銀の交換ですが▲3四歩として先手有利のようです。
最初の局面図から▲5五銀に△3三金なら▲3一角△5二飛▲2二歩△3二金▲2一歩成△3一金▲同とで、ソフトの評価値+425で先手有利。

この手順の△3三金は△2二飛を含みにした手ですが、▲3一角~▲2二歩がありました。
後手は1筋を突いてないので△1三桂とすることができません。
よって△▲2二歩に△3二金としましたが、▲2一歩成~▲3一同とで角と金桂の2枚替えの展開です。
先手は歩切れなのが気になりますが、後手の3四銀がいなくなると▲2五飛の筋があり将来3一のと金も働きそうな形なので先手が指せているようです。
なお最初の局面図で▲5五銀には△5二金がソフトの推奨手だったのですが、この手は美濃囲いを自ら崩す手なのでなかなか浮かびにくいです。
△5二金以下▲6五角△1二角がソフトの読み筋ですが、指摘されないと全く浮かばないので別次元の話のようです。
銀を直に上がって局面を動かすのが参考になった1局でした。