上図は、後手角交換振り飛車からの進展で△2八とで飛車を取った局面。ソフトの評価値+199で互角。
駒割りは角と金銀桂の3枚替えで先手が駒得ですが、2四の金がやや遊んでいるのと6九の金が浮いています。
また右隅にある桂馬と香車も後手に取られそうな形で、いい勝負だったようです。
先手は飛車を持っていますがやや攻めの戦力が少ないです。
実戦は△2八と▲2一飛で以下変化手順で△3九飛▲6八金寄△2九飛成▲1一龍△6四桂で、ソフトの評価値+23で互角。

この手順は▲2一飛は自然な手だと思ったのですが、ソフトの候補手にもあがっていませんでした。
先手は攻めの戦力不足なので1一の香車を補充して攻めに使いたいと思ったのですが、後手も△3九飛~△2九飛成が味がいい手です。
▲1一飛成で香車は補充できましたが、△6四桂が地味ながらうるさい手のようです。
△6四桂は銀取りですが、真の狙いは△4四角~△7六桂です。
△6四桂で駒割りは角と金銀香の3枚替えですが、△6四桂の働きがいいのと持ち駒に大駒2枚の角があるのは魅力的です。
ここからもまだ大変な将棋ですが、後手も振り飛車特有の力の出そうな展開です。
先手が香車を取るより後手が桂馬を取る方が価値が高かったようです。
△6四桂と打たれるような展開になる前に、先手は1手早く攻めるような形を目指した方がよかったかもしれません。
▲2一飛では▲4二飛がありました。ソフトの評価値+218で互角。

この▲4二飛はソフトの推奨手ですが、ぱっと見で打ちにくい飛車です。
敵陣に飛車を打つときに相手の持ち駒に角があれば、王手飛車になりそうな筋には打ちにくいです。
また飛車は接近戦に弱いのでできるだけ遠くから打って攻めるのが多いです。
そのため相手の金駒に近いところの▲4二飛が見えにくいです。
ソフトで検討していると、飛車を打つときに後手玉と同じ列に打つケースが多い印象です。
間接的に飛車の利きに玉を入れるということですが、この手がどの程度厳しいかが気になります。
▲4二飛に△3九飛なら▲6八金寄△2九飛成▲6二銀△同金▲同飛成△7一銀▲4二龍で、ソフトの評価値+371で先手有利。
このような展開は自分の中よく分からないという指し手で、後手の手は自然なのですが先手の▲6二銀と打ってからの手の流れが不思議です。
▲6二銀と打って以下取って取って銀を埋めて龍が元の位置に戻るという形です。
先手は金と銀の交換になって4二の地点に龍を作りました。
後手は桂馬を補充して金がいなくなった代償に銀を埋めた形です。
先手は金を後手は銀桂をお互いに持ち駒にした形で、手番が後手になりました。
そのような意味では後手が少し得をしたようにも見えるのですが、この局面は先手有利になったようです。
▲4二龍以下△1九と▲6一金△2四龍▲7一金△同玉▲6二銀△8二玉▲5一龍△6一香▲同銀不成△同銀▲同龍△7一金▲1一龍△3三角▲1二龍△2二金▲2五歩で、ソフトの評価値+686で先手有利。
この手順の△1九とには▲6一金と張り付く手がありました。
以下▲7一金として▲6二銀~▲5一龍と攻めるのが意外と効果的のようです。
後手玉は金駒がいない守りなので薄いです。
△6一香は駒損の受けですが清算して△7一金で龍をはじく受け方です。
△7一金に▲1一龍として龍を逃げながら香車を補充するのが味がいいです。
最後の▲2五歩の局面は先手有利のようですが、先手は龍を大きく使っているのが印象に残りました。
飛車を2段目に打って攻めを継続するのが参考になった1局でした。