相手の薄いところを攻める

上図は、後手角交換振り飛車からの進展で△8一同銀でと金を取った局面。ソフトの評価値+898で先手優勢。

△8一同銀では△8一同金がソフトの推奨手だったのですが、これで形勢が大きく先手に傾くことになりました。

△8一同銀と△8一同金の何が違うのかがすぐに分かればいいのですが、△8一同銀が何となく違和感があるなと思うかどうかが第一歩です。

△8一同銀なら8三の地点が薄くなるのが後手としてはまずかったようです。

ただしここからの先手の攻め方も急所を外すとまた形勢が接近します。

実戦は△8一同銀以下▲1二龍△2二金▲1一龍△9一香▲8六桂で、ソフトの評価値+386で先手有利。

この手順の▲1二龍は次に▲6一香成が狙いですが△2二金が反発の受けです。

▲1一龍△9一香▲8六桂の手順はやや泥試合みたいな感じで、自分は△8一同銀を咎めることができませんでした。

▲1二龍は遊んでいる龍を活用する手で悪くはないと思いますが、△2二金と先手を取るような受け方をされて▲1一龍と戻るのは先手は結構微妙な指し方です。

微妙というのは得をしているか損をしているかが分かりにくいということで、ソフトの候補手に上がっていましたが推奨手ではありませんでした。

▲1二龍では▲8六香がありました。

▲8六香に△8四歩なら▲7五桂△6二金▲8三銀で、ソフトの評価値+735で先手有利。

この手順は▲8六香として8三の地点を狙う手です。

対局時は▲8六香が最初に見えたのですが、△8四歩とされて次に△8五歩▲同香△8四歩と香車を取りにこられて難しいと思ってやめました。

なお△8四歩はソフトの候補手にも上がってない手なので、あまりいい手では可能性が高いです。

△8四歩と突くことで8三の地点に空間があきましたが、▲7五桂として次に▲8三銀の打ち込みを狙います。

△6二金と香車を取って逃げ道を広げるのが味がいいのですが、それでも▲8三銀と打つようです。

先手の攻めもかなり細いイメージで、後手玉は中央に逃げるスペースがあります。

先手が攻め急いでいるようにも見えるのですが、このあたりは読みが入ってないと難しいです。

▲8三銀以下△7一玉▲5五桂△5一桂▲1二龍△2二金▲1一龍△5四歩▲4三桂成△同桂▲4五銀△5五桂▲5六歩△4七桂成で、ソフトの評価値+489で先手有利。

この手順は△7一玉に▲5五桂△5一桂と数の攻めに数の受けという展開です。

先手有利のようですが、先手の攻め駒もぎりぎりなので簡単ではありません。

先手をもって指しこなすにはかなりの力量がいるようです。

▲8六香に△9四桂なら▲8三香成△同玉▲7五桂△7二玉▲5五桂で、ソフトの評価値+979で先手優勢。

この手順の△9四桂は8六の香車を取りにいく手ですが、▲8三香成△同玉▲7五桂がありました。

この展開は香車を捨てる形でもろに8三の地点に殺到しているイメージです。

▲7五桂~▲5五桂と桂馬2枚で6三の地点を狙うのが急所のようです。

▲5五桂に△6二金なら▲8三銀△6一玉▲6三桂左成で、ソフトの評価値+1049で先手優勢。

この手順はうまくいきすぎですが、△6二金なら▲8三銀~▲6三桂左成がありました。

なおソフトは▲5五桂に△8三香で、ソフトの評価値+859で先手優勢。

この8三香は8三の地点を先に埋めて△8七香成を含みにした手ですが、かなり難易度が高いです。

このような何気ない受け方もなかなか浮かばないです。

相手の薄いところを攻めるのが参考になった1局でした。