あまり見ない指し方で手を繋げる

上図は、後手角交換振り飛車からの進展で△7四歩と突いた局面。ソフトの評価値+492で先手有利。

△7四歩は桂取りの催促の手で、先手としても忙しい局面です。

対局中は先手がうまくいっていないイメージがありましたが、まだこの局面は先手有利だったのは驚きました。

ただし先手有利といってもソフトの推奨の次の3手は全く読めませんでした。

先手は桂馬が取られそうでも、よくある取られる直前に働けば攻めの手としては一応成功になるようです。

しかし手が見えないと凡手を指すことになり、方向性が見えない展開になります。

実戦は▲6三桂成△同桂で、ソフトの評価値-1で互角。

この▲6三桂成はただで桂馬を取られるより歩を補充する意味ですが、△同桂とされて形勢が逆転模様になりました。

このような局面で何か手がないかと探してそれなりの手を見つければいいのですが、そのあたりのセンスがないと実戦のようなありきたりの手を選択することになります。

▲6三桂成では▲8三香がありました。

▲8三香△同桂▲8二銀で、ソフトの評価値+492で先手有利。

この手順の▲8三香ですが、この手がまず見えにくいです。

先手は8筋の歩が切れていればひょっとしたら▲8三歩は見えるのかもしれませんが、▲8三香は香車を1枚捨てる手なので浮かびにくいです。

△8三同桂に▲同桂成を最初に考えましたが△同玉で攻めがぱっとしません。

△8三同桂に▲8二銀と打つのが盲点で、この手は何気に▲2二龍△同歩▲7三金までの詰めろになってます。

しかし▲8二銀に△同銀として先手は手が続くのかが気になります。

▲8二銀以下△同銀▲同桂成△同玉▲9三香成△同玉▲9四歩△8二玉▲6三桂成で、ソフトの評価値+715で先手有利。

この手順は8二の地点で清算してから▲9三香成が継続手です。

9四の桂馬のかげに隠れていた香車が攻めに参加できるのは大きいです。

△9三同玉までは自然ですが、▲9四歩が意外と厳しい手です。

先手は攻め駒不足でしかも歩切れになるので▲9四歩で手が続くのかと思いがちですが、そうでもないようです。

▲9四歩に△同玉なら▲9九香△9五歩▲同香で、ソフトの評価値+1120で先手有利。

この手順は後手は4段玉になって寄り筋に近づいているようです。

よって▲9四歩には△8二玉としますが▲6三桂成で、はっきり先手有利になったようです。

9四歩の攻めの拠点が残って6三の地点に成り駒がいると先手としては大成功です。

ただし、数手前に▲8三香△同桂と香車を捨てたのでどこかで▲8三桂成と桂馬を取るという先入観があるため、反対側の▲6三桂成を考える手順はかなり難易度が高いです。

▲6三桂成以下△8一桂▲2二龍△同龍▲9三金△同桂▲7三銀△9二玉▲8四銀成△8二銀▲9三歩成△同銀▲9四香△同銀▲同成銀で、ソフトの評価値+867で先手優勢。

この手順の△8一桂は7三と9三の両方の受けですが、▲2二龍~▲9三金~▲7三銀も見えないです。

▲2二龍は決断の手ですが△同龍に▲9三金と金から使うのが盲点です。

あまり見たことのない攻め方ですが、以下▲7三銀~▲8四銀成と上部を手厚くして攻める手で指摘されないとまず浮かばない指し方です。

これらの手順を見るとちょっと形を変えてみるとか、手順を変えてみるなどで思わぬ手を発見するかもしれません。

あまり見ない指し方で手を繋げるのが参考になった1局でした。