上図は後手四間飛車から端棒銀にした展開で△3三角と上がった変化手順の局面。ソフトの評価値+297で互角。
この局面から▲6八銀として以下松尾流穴熊を目指すのはいまひとつうまくいきませんでした。
先手としては後手の9筋の攻めに対してどのように対応するかが鍵のようです。
まともに受けるのか、いなすような受け方をするのか、また攻められそうになる前に攻めるのかなど色々な構想がありそうですが、いなすような受け方をする指し方を調べてみます。
なお攻められそうになる前に攻めるのは、先手は駒が前に出ていませんので難しいです。
△3三角以下▲5九角△9一飛▲3七角△4二角で、ソフトの評価値+152で互角。

この手順の▲5九角ですが、一般的に穴熊で▲5九角というのはあまりいい手でないイメージが強いです。
▲8六角とか▲6八角は価値が高い手という印象ですが、▲5九角は一時的に角の働きが悪いため指しにくいのと▲3七角や▲2六角など右側で使うことになり先手の飛車と角が接近する形です。
飛車と角が接近すると、相手に角を狙われると間接的に飛車も狙われることになりがちなので、大駒2枚が使いづらいケースがあります。
そのような意味があるのですが、本局の形だと▲5九角は手順の△8五桂の角取りを受けています。
また▲3七角とすることで、後手が△8五桂とすると▲9一角成の筋が生じます。
よって▲5九角~▲3七角は受けに回った手とも言えそうです。
受けといったら数の受けのような意味になりがちですが、角のラインを利用して間接的に受けに回るという構想です。
後手は8五の桂馬が使いづらくなったので、働いていない3三の角を△4二角とするのは価値の高い手です。
△4二角以下▲6五歩△9五歩▲同歩△同銀▲6六銀で、ソフトの評価値+152で互角。

この手順の△4二角に▲6五歩とするのが急所だったようです。
穴熊に組んで6筋の位を取るというのはやや異筋の指し方ですが、5七の銀を前進して使う手です。
穴熊では5七の銀を▲6八銀~▲7九銀右のように松尾流穴熊に組むことも多いのですが、本局では後手にとってあまりプレシャーがかかる指し方ではなさそうです。
後手が9筋の歩を交換した形で▲6六銀とするのがうまく、次に▲7五歩と後手の角道を止めると同時に、後手の桂頭を狙う展開です。
▲6六銀に△9六歩なら▲7五歩で、ソフトの評価値+480で先手有利。
この手順の▲7五歩の形になれば後手は玉と飛車が接近した形なので受けにくく、受けと同時に絵攻めの手でもありそうです。
▲6六銀に△9六銀なら▲同香△同香▲9七歩△同香不成▲同銀△9三香▲9八香△9七香成▲同香△9六歩▲同香△同飛▲9八歩△9四飛▲8八金で、ソフトの評価値+211で互角。
この展開の△9六銀はいも筋で見えづらいのですが、将棋にはこのような手もあるので油断できないです。
△9六銀は意外とうるさい手のようで清算して▲9七歩としますが、後手ががりがり攻めてくる形です。
7三の桂馬が攻めに参加していないのに意外と手が続くようで、将棋は難しいです。
角のラインで攻めをけん制するのが参考になった1局でした。