上図は、先後逆で相居飛車からの進展で▲1四歩と歩を取った局面。ソフトの評価値-148で互角。
相掛かりから後手が早い段階で△3三桂と跳ねたことで力戦形になりました。
あまり見ない形に誘導するというのはお互いにミスが出やすくリスクの高い戦型ですが、気持ちの面だけで言えば誘導する方がそれなりの気持ちで指しているので優位に立ちやすいです。
相手の方としては、じっくりした戦型を指したいと思っても急戦調の見なれない形になるは少し嫌な気分になるかもしれません。
▲1四歩と取り込んだ手に実戦は△1五歩と打ちましたが、やや味消しだったようです。
△1五歩は▲1三歩成の筋を事前に受けた手ですが、このような戦型だとやや無難すぎるような手で1筋に歩を使って攻めることができません。
また△1五歩以下△1四香~△1六歩と攻める筋はあるのですが、少し手数がかかるので指しにくいところです。
△1五歩では相手の手を利用して攻め駒を増やす手がありました。
1つは△1五歩で△2二銀です。
△2二銀に▲1三歩成なら△同香▲1四歩△同香▲同香△1三歩▲同香成△同銀で、ソフトの評価値-456で後手有利。

この手順は△2二銀と上がる手で、5三の地点の補強であれば△4二銀としたいところを反対側に上がるので少し指しにくいかもしれません。
ただし、この戦形は玉の固さよりバランスが大事なので1筋と2筋を補強する意味でありました。
先手が▲1三歩成とすれば△同香として以下▲1四歩で後手が先に香損になります。
普通このような展開は後手にとっても面白くないような形ですが、△同香▲同香△1三歩で後手が次に△1四歩と香車を取り返す狙いです。
先手としては先に取った香車をどこかで使いたいのですが、まだ有効な場所がありません。
よって▲1三同香成△同銀と進んだ形になります。
この局面は後手の1一の香車が捌けたのと同じ意味で、後手が香車を持ち駒にすると△5四香や△8五香のような狙いがあり後手にとっての楽しみが多いような局面です。
もう1つは△1五歩で△6二銀です。
△6二銀▲8七歩△8二飛▲5八玉△2二銀▲6六角△2三銀で、ソフトの評価値-141で互角。

この手順の△6二銀ですが、評価の分かれる手です。
最近の傾向で言えば、△7二銀として1手で玉を固めることが多いです。
その時代での流行の指し方というのがあり以前なら△6二銀が多かったですが、その後は△7二銀の方が主流といったイメージです。
△6二銀型は5三の地点の補強になっているのがメリットですが、一時的に銀の位置が玉の壁になっているので6一の金をどこかで移動して玉を広くすることになります。
先手の▲8七歩に△8二飛と引くのも少し指しにくいのですが、△8四の飛車のままだと狙われやすい浮き飛車なので引いて相手からの狙いを消すような意味です。
8四の飛車は横に使いたいところもありますが、△6二銀と上がっており8筋が弱くなるので△7二金が形になります。
▲6六角は将来▲7七桂を含みにした手で、後手は△2二銀~△2三銀と活用していい勝負のようです。
先手の持ち駒に香車が入れば▲8四香のような手があるため、後手は持ち駒に歩がある必要があります。
なお後手玉はその後△5一金として玉をコンパクトにまとめるようです。
1筋を受けないで指すのが参考になった1局でした。















